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中世の名残を求めて、鎌倉街道を踏破 ー中の道を離れて弘明寺道を歩く 前編ー

ココがキニナル!

鎌倉街道、大山街道などの街道を踏破してください。(jckさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

鎌倉街道を歩いている途中で現れた道標をきっかけに「弘明寺道」を地図で予想して歩いてみたが初っ端から見当違いだったので正解を添えました。

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ライター:永田 ミナミ

正解とすれちがう 
  


さて正解をまだ知らずに歩き続けるこの道も上掲資料によれば「その他の古道

 
Googleマップで見てみるとここは上大岡へ抜けるのに最適な道路のようで交通量も多い。しかし歩道が整備されておらず人1人も危うい路肩があるのみというあたり、旧街道を抉じ開け拡張した道を思わせる。

さらに地図を見るとすぐ近くには、室町時代に関東管領だった上杉氏が4家に分かれたうちのひとつである宅間上杉氏の居城趾や永谷天満宮や貞昌院などの寺社もあり、なかなか由緒ある地域である。 
 


などとぶつぶつ言いながら130mほど歩いたときだった 
 


おお、これはまさしく 
 


道標を兼ねた庚申塔ではないか 
 


庚申塔側面に「左 此方(このかた)やとかまくら道 とつか道」の文字を確認


となるとこの反対側には「右」とあって弘明寺道の記述があるはず、と期待が膨らむところではあるが、少々問題が生じた。 
 


壁との距離が近すぎて反対側が見えないのである


横から覗こうにも文字を読むことはできない。そこでどうにかならないものかと隙間をカメラを突っ込んでは角度を変えながらむやみにシャッターを切ってみたのが功を奏した。
 


間違いない。書いてある文字は「ぐめうじ」である


道標は移動があるかもしれないが、『港南区小字名の由来』で「その他の古道」とされているこの道もまたひとつの弘明寺道であったということだろうか。 
 


上の道標は永野小学校前交差点に立っている



さて、引き続き「その他の古道」を歩いていく 
 


「その他の古道」途中にあるバス停の名前が気になったので調べてみた


バス停には消えた地名が使われていることが多い。『横浜市町名沿革誌』を調べてみると「中区」の「上永谷町」のところに以下のような記述があった。

「昭和十一年十月一日横浜市に編入し、地名を上下に区分し、旧村名を採り上永谷町、下永谷町の二町を立つ、即ち大字永谷の内小字永田、半在家、中里、籠森、島越、天神前、六反田、西洗、又口、深田、丸山、永作、九日免及び大字平戸の内小字西洗を当町区域とす。(原文旧字体)」
 


西洗といえば旧鎌倉街道をたどって舞岡公園を過ぎたところで見かけたバス停である


ほかにも西洗公園や上永谷半在家公園、六反田公園など、公園に多く旧地名が残されているようだ。
 


それはいいことだなと思いながら歩いていると市立南高等学校にさしかかる
  


実はこのとき無性にキニナル交差点があったのだが
  


この南高校前交差点が本来の弘明寺道との合流地点であることがあとで判明した
  


ということで時間を巻き戻し、馬洗歩道橋から正解ルートを歩いてみる
  


歩道橋を渡り右折、環2沿いに少し歩くとある側道は古道の名残りだろうか
 


と側道を進み、その先の永作交差点で左折し細い道へ入っていくと
 


古くからある道にはやはり何か独特の趣が漂っているなと思わされる
  


そしてバス通りに合流。旧街道がバス通りになっている率は結構高い
  


と言いつつ歩いていくとやがて南高校前に出るのであった
  


さて、ここからは束の間の予想が正解した区間
  


この日はそれに気づいていなかったが、いま写真で改めて正解を踏みしめる
  


正解していたのがこのわずか350mほどの部分とはまだまだ修行が足らない
  


そういえば旧街道には郵便局も比較的多く見かける気がする
 


逓信省の創設が1885(明治18)まで遡れるというのも関係があるのかしらん
 


などと言いつつここを左の細道へと入っていかなければならないのだが


修行が足らないこの日は暢気に道なりに直進してしまうのであった

といったところで字数の関係で前編はここまでに。後編では名所「餠井坂」を経て弘明寺へとたどり着きます。


終わりー


指摘/監修:港南歴史協議会
参考資料
『港南区小字名の由来』港南歴史協議会編発行/2015
「港南区の古道」港南歴史協議会提供
 
 

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コメントする
  • 足での調査お疲れ様でした。ちょうど
    時代小説の新田義貞を読んでいるところ
    なので義貞公が鎌倉に攻め上った往時を
    少しだけでも偲びたいと思います。

  • 港南区に弘明寺道と刻まれた石仏石塔は多数ありまして、弘明寺道も多数あります。今回の提案について上大岡駅辺りは現在の鎌倉街道を弘明寺へ向かう道としていますが、この道は明治に入ってから整備された道で、弘明寺道ではありません。舞岡公園南の石仏(道標)を経た弘明寺道は野庭経由があります。港南歴史協議会が小字地図と古道を記した資料を刊行していますので、一度目を通すなり、同協議会に照会されたら如何ですか

  • 南が丘中学校の背後に餅井坂という尾根道があり、古く街道を行く旅人に餅を出す茶店があったのが名前の由来と坂の下にある銘板にあります。この坂は、尾根伝いに南高校方面へ続いています。また坂の下からイトーヨーカ堂の方面から京急の線路に沿って行くと弘明寺公園を通り弘明寺駅近くから弘明寺の本堂の前に出ます。
    なお弘明寺駅から六ッ川側に坂を下り南中学の前を井土ヶ谷交差点方面に進み、横浜商業高校より信号一つ手前ローソン近くの交差点を山へ入ると清水ヶ丘公園に出ます。その横を通って横浜清風高校の間を下り国道と東海道線を渡ると保土ヶ谷に出ます。その合流点に「かまくらみち」の石があります。

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