横浜市役所のお決まり対応　（つづき）

―入場者数は一番多い時で1990年約78万人、それ以降1994年約29万人、1999年約9万と初めて10万人割れ、最近ではおよそ約5万7千人と軒並み下落してきましたが、何か対策とか講じられたのでしょうか？

「予算が少ないながらも、地道な広報活動はしてきました。神奈川県下の各区にお願いをし、ご協力してもらえる区には町内回覧板でパンフレットを配布してもらったり、小学校にお願いをして、社会科見学で利用してもらったりと、ファミリー層をターゲットに広報してきました。また、民間会社の管理運営委託先のアクティオ株式会社さんと合同でイベントを考えながら集客しようと試みました」

―それぞれの成果は、検証されたのでしょうか？

「うーん、詳しくは調べてないですが、それほど効果は無かったように思います。横浜市は、当初何も無かった『みなとみらい』がここまで街として大きくなるとは思って無かったので、スカイウォーク単体では、観光先として太刀打ちできなくなってしまったのが現状です」

―それでは、今後の運営方針等をお聞かせください。

「議会で決定した内容は、経費削減の為閉鎖すること、他の施設等に迷惑を掛けないように管理維持していくことが決定されています。今後の運営等は、一切決まっていません。最小の維持費（500万円/年間）で維持していくことが当面の方針です」

―経費が掛かるのであれば、民間に資産売却してしまうとか、何か方策は無かったのでしょうか？

「ご存知のように、首都高速道路株式会社、国道、横浜市の３団体が絡んだ案件ですので、些細なことも場合によっては大問題になりかねません。売却先の運営等考慮した場合、資産売却は難しいと考えます。

また、解体するにしても橋と一体ですので莫大な費用が掛かってしまいます。現状維持していくのが、今現在の最善策だと考えております。好景気になれば、また違った方向で運営できる時が来るかもしれません」

閉鎖時に訪れたファンによる寄せ書き
今は横浜市道路局の通路掲示板に掲示されている

　
財政悪化によって露呈する負の行政

来場者が少ないにもかかわらず、2003年まで年間約1億円もの損失を毎年垂れ流し、昨年、監査委員会に今後のあり方を指摘されるまで放置状態の行政。利用者を増やし、利便性を増すことで大黒ふ頭を活性化しようとしたのだろうが、結果的に25年の償却期間にも満たず不良資産化。

ハコモノ施設になってしまった横浜ベイブリッジ・スカイウォーク。
建築目的、集客方法、利用手段等全てが中途半端な建設運営では、当然と言えば当然の結果だろう。また、今後の年間維持管理費が500万円で収まるかどうかも、疑わしい。不景気が起因して横浜の財政が逼迫しているから明るみになったが、通常の財政状態ならずっと放置していたのではないだろうか。

しかしながら、あれほど景色が良い観光施設が横浜から無くなるのは非常にもったいない。民間企業への資産売却が難しいとは言うものの、どうにか運営再開ができる得策はないものかと考えてしまう。横浜ベイブリッジ・スカイウォークに思い入れのある読者もいると思う。もし名案があれば、是非はまれぽにご意見を寄せてほしい。はまれぽ編集部が責任を持って横浜市へ提案をしたい。


― 終わり ―