横浜みなと映画祭「私立探偵濱マイク大回顧展」はどんな様子?
ココがキニナル!
3月16日~20日に開催される横浜みなと映画祭。今年のテーマは「私立探偵濱マイク大回顧展」で、映画版とドラマ版全話が完全上映されるそうです!当日の模様を取材してください(ryoryoさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
映画3部作、TV版12話を観ることができ、愛車「メトロポリタン」や衣装も公開。トークショーでは主演の永瀬正敏が「濱マイク」への思いを語った!
ライター:桐生 由美子
ヒーロー マイク&スペードのジョー登場!
「そろそろヒーローを呼びましょう」。監督陣からの催促に、我らが濱マイク、永瀬正敏さんがステージに! 続いてスペードのジョー、宍戸錠さんが登場だ。
客席からは黄色い声援と、マイクファンの男子の低い声援で一気にざわつく。
「今台湾から帰ってきました!」とマイクの口調であいさつをする永瀬さん
スペードのジョーは、「生まれながらの殺し屋だ・・・」と、アドリブで客席を賑わわせる
宍戸さんは、登場して早々、キレのあるトークで会場をドッとわかせた。
「『我が人生最悪の時』で永瀬くんと一緒に映画をやったけど、俺は今が最悪のときだ(笑)」
自宅が火事になったことと、映画版第1作のタイトル「我が人生最悪の時」をかけて話し出したのだ。
しかも「俺はね、空襲で小学校6年生のときにも家が焼けているから火には慣れているんだよ。あ、そうそう、うちのおふくろは横浜生まれですよ」
宍戸さんのペースに思わず永瀬さんは、「宍戸さんは20年前からこんな感じです(笑)」と、観客を和ませた。
ステージには濱マイクチームが集合
話は、当時の撮影話に展開。
永瀬さんは、「撮影中はとにかく無我夢中でした。特に映画版2作目の撮影は1作目の公開期間中だったので、休憩中に日劇の外に出ると1作目を観たお客さんがそこにいる。休憩時間もマイクのままでいよう」と思ったのだそうだ。
確かに映画版2作目の日劇のシーンを観ると、1作目の「我が人生最悪の時」の看板がかかっている。これもまた、濱マイクの独特なおもしろさだったことを思い出した。
撮影当時を振り返りながら語る
撮影中にマイクがケガ?入院?
林「そういえば永瀬くん、撮影中にケガしましたよね」
行定「そうそう。ドアを開けたらすぐ壁、という場所だったんですけど、どうしてもそのドアを使いたくて・・・。開けたら止まってねって永瀬くんに言ったのですが、永瀬くんはマイクの役に入り込んでいるので、ドアを開けてそのまま壁にドン! ってぶつかって・・・」
永瀬「もうあのときは、何もわからなくなっちゃいましたね。そのまま救急車に乗せられて病院に行きました。僕は覚えていないんですけど・・・」
壁にぶつかって脳しんとうを起こしたそうだ
撮影秘話で盛り上がり、どんどん時間が過ぎていく。
永瀬さんが低く落ち着いた声で濱マイクにかける思いを語ると、会場は感じ入ったようにシーンと静まり返った。
「僕は、この映画を通して“種まき作業”をしたかった。濱マイクを観て、映画っておもしろいなとか、映画監督になりたいとか、俳優になりたいとか、そんな気持ちになってほしかった。海象さんがつくってくれた濱マイクという役をお借りして、そんな気持ちの種をまければいいかなと思っていたんです」
「今日の髪型は濱マイク風にしてきました」と永瀬さん
濱マイク、次回作制作中!
なんと林監督の口から、濱マイクの次回作を制作中であることが発表された!
林「新作のためにロケハンに来てみたものの、すでに日劇もないし、当時のマイクが歩いていたところが何もない・・・。それもまた、ハードボイルドじゃないか、と思って現代の設定で作ろうと思っています。マイクが20年経って、40歳過ぎて帰ってくる。でも、あえて20年間の過ごし方については触れないまま、物語が展開していく。そういう見せ方をしたいですね」
タイトルは「血と薔薇」です
トークショーの残り時間もあとわずか。続いて監督陣が、4作目への思いを語った。
行定「最近若い世代の俳優と仕事をすると、濱マイクが好きっていう子がけっこういるんです。4作目ができたら、絶対に成功する。それを海象さんに実証してほしいです!」
萩生田「最初にマイクの助監督をやったのが20代だった。そして、マイクを見ながら多くのことを学んでいった。40代のマイクが黄金町でどんなふうにたたずみ生きているのか、僕も早く見てみたいです」
緒方「ここ最近の映画はいろいろ変わっていくけれど、濱マイクは20年も経って変わらず、これからも新作がつくられる。海象さんと永瀬さんがどんな作品をつくってくれるか楽しみです」
ちなみに、林海象監督による4作目のプロットは、「私立探偵濱マイク大回顧展」公式パンフレット(1000円)に掲載されているのでぜひ見てほしい。
「座長永瀬さん」の言葉でトークショーは終了
永瀬「寒いのに(クロスストリートの)外にまで見に来てくれているみなさん。みなさんがいるから濱マイクが生き続けているという、幸せを実感しています。こんなに愛してもらって嬉しい。感謝だけです!
生きているうちに、“大回顧展”をやってもらえるってすごいことだと思いました。
本当にありがとうございます」
しめはマイクのあのセリフを聞き、観客は大きな拍手を送った。
「また僕も横浜にちょくちょく来てるんで、困ったことがあったらいつでも来なよ!」
トークショーに来ていた濱マイク通のフォトグラファーSHINYAさん
トークショー終了後にメトロポリタンの前で撮影タイムを設けていただいた
「私をピストルで撃ってください!」と叫ぶと、ジョーの銃口が記者の方へ!
プレスも観客もみんな、永瀬さんたちと一緒に「Bar探偵」へ移動!
京都で林監督と出会い、はるばる横浜にいらした呉(ご)さん
仕事を忘れて「ハヤシ海象ライス(500円)」と「ハイボール(700円)」
取材を終えて
デビュー作「ションベンライダー」からキニナっていた永瀬正敏さん。ステージに登場した姿は、濱マイクのままだった。映画やドラマの懐かしさと同時に、当時の思い出がよみがえり、トークショーを聞き入ってしまった。
濱マイクの4作目をスクリーンで観るのが、今から楽しみでならない。
―終わり―
「濱マイク」上映会場チェック!※2013年3月20日(水・祝)まで
横浜シネマリン
TEL:045-261-1007
住所:横浜市中区長者町6-95
http://yokohamacinemarine.blog.fc2.com/
横浜ニューテアトル
TEL:045-261-2995
住所:横浜市中区伊勢佐木町2-8-1
http://yokohamanewtheatre.web.fc2.com/
シネマ・ジャック&ベティ
TEL:045-243-9800
住所:横浜市中区若葉町3-51
http://www.jackandbetty.net/
d.dさん
2013年03月20日 17時36分
記事おもしろかったです。虚実入り交じる感じがおもしろいですよね!ところで、エースのジョーだと思うのですが……。
ushinさん
2013年03月20日 14時44分
イベントの流れなんだと思うけど、都橋商店街のあたりにたむろって写真撮っている集団が、プチ迷惑。狭い道なんで、歩道塞がれると困るな・・・
nihsさん
2013年03月19日 21時49分
観光地でもなく、後からイメージを押し付けられた横浜でもない、昔から続く本当の横浜を舞台にした映画であり、街の息吹や人々の顔も感じられストーリーも素晴らしい映画で一時期地元を離れた時に望郷の念で見ていました。最近の横浜モノは相変わらず、押し付けられた横浜で地元で遊ぶものとしてはとても飽き飽きしていました。新作でまた本当のSoul Town横浜の息吹や人々の顔を取り上げて面白い世界を作ってもらえる事を嬉しく思っています。