優しさに支えられ、横浜市南部を東へ

だめでもともと、と、見かけたガソリンスタンドの方に修理をしていただけないか聞いてみることに。
すると・・・「ここでは無理ですが、この先にバイク修理のお店があって、そこでは自転車修理も受け付けていたと思いますよ」とのこと！　道順も丁寧に教えてくださった。

さっそく教わった場所を訪ねると、「ああ、すぐ直しますよ」という、ありがたいお言葉。・・・助かった！
　

危機を救ってくれたバイクショップ「ファイン」のご主人。
「がんばってください！」

修理を終えて、時刻は16時。東海道（国道1号）の原宿交差点から再スタート。一度はあきらめかけた横浜市一周だったが、地元の方の優しさに助けられた。なんとしても完走せねば！
　

暗くなって車載カメラの画像はブレブレだが、進むしかない！

本来の計画では、国道1号を南西に向かい、藤沢市との市境を撮影する予定だったが、今回は完走することを優先させ、県道23号（環状4号）を東に進むことに。休憩もとらずにグングン進むと、栄区に入った。
　

80km地点の笠間の交差点を通過
　

一気に金沢区に突入！　開始から11時間で85kmを突破

トンネルを抜け、逗子市との市境である南東方向にどんどん進んでいく。
その時・・・！



またしてもパンク！　でも勢いは止められない

朝比奈町に入った時、自転車の後輪にまたしても違和感が・・・。
なんと、修理してもらったはずの後輪の空気が抜けている。さっきとは別の場所に穴が開いたか、応急処置的にふさいでもらった穴が再び開いてしまったか定かではないが、またしても走行不能の状態になってしまった。
　

ここまで来たのに・・・

時刻は、当初設定していたタイムアップの18時間近。近隣の方の話では「いくつか自転車屋さんはあるけど、この時間はもう閉まっている可能性が高い」とのこと。たしかに何軒かサイクルショップはあったが、いずれもシャッターが下りていて、営業していない。

でも、ここまで来てあきらめるわけにはいかない。
「どうしても直せなかったら、このまま押して横浜駅に行きましょう」
そう覚悟を決めて、ひたすら東を目指していく。

すると・・・
環状4号と横須賀街道（国道16号）が交わる六浦の交差点に近づいたあたりに、軒先で自転車を片付けるお店の人の姿が。・・・サイクルショップだ！

脱兎のごとく駆け寄って修理をお願いすると、閉店時間を過ぎているにもかかわらず「どうぞどうぞ、すぐ修理しますよ」との優しいお言葉。
タイヤはかなり傷んでいて、チューブそのものを取り換えないといけないらしい。「すぐ換えちゃいますから、ちょっと待っていてください」と、手際よく修理してくれた。
　

「bikes puppy」の吉澤さんに助けていただいた。
写真は吉澤さんと、看板犬のGOくん

横浜市の東側を北上！　感動のゴールへ

こうなると勢いは止められない。国道16号を北上し、シーサイドラインの金沢八景駅を過ぎたところの「瀬戸神社前」の交差点を東へ。海の公園の脇を抜けて八景島シーパラダイスを望む場所まで着いた。
　

野島公園に向かう「帰帆橋」交差点を北へ
　

海の公園南口駅を通過。90km地点を過ぎたのは19時過ぎ

八景島シーパラダイスから北に続く国道357号（産業道路）とシーサイドラインに沿って、横浜市の東側を北上していく。
　

鳥浜駅のあたりでは話す気力もなくなる

そして、新杉田駅が近付いたあたりで・・・
　

ついに100kmを突破！

おしりは爆発しそうなほど痛いが、黙々とペダルを漕いでいく。

本当は、なるべく沿岸部に近い本牧方面へ向かいたいところだったが、時刻は20時30分。ここでもしパンクでもして、下手をすると終電にすら間に合わないおそれも出てきたので、根岸駅に差し掛かる手前でふたたび国道16号に戻り、吉野町方面にショートカットした。
　

中村橋交差点を通過
　

桜木町駅を通過し、いよいよ横浜駅前の建物が見えてきた
　

車載カメラにもクライマックスっぽい画像が残っていた
　

そして・・・

時刻は22時。実に16時間ぶりに横浜駅に戻ってきた。
　

喜ぶ気力もない

取材を終えて

今回計測した走行データは、

走行距離：112.52km
平均時速：12.2km／h

という結果に。
　

設定コースより6kmほどショートカットしてしまった

スタート地点に戻るのに16時間かかってはいるが、休憩やパンク修理などに時間を費やし、また手で押している時間も長かったため、実際に自転車をこいでいた時間の総計は9時間12分54秒だった。長距離用のバイクなら、さらに時間は短縮できるだろう。

なお、キニナル投稿にあるように、同じ距離を歩いて進む場合は、28時間10分ほど。休憩はもちろん、宿泊するのを前提に、丸2日間かけて歩くのがよさそうだ。
　

実際に走ったコース。湾岸部は相当ショートカットした（Googleマップより）

今回は地元の方の優しさに支えられてなんとか完走することができたが、長距離のサイクリングには事前の準備をしっかりと、いざというときの備えを万全に望むべきだと痛感した。また、歩いて一周を目指す場合は、宿泊施設やリタイア時の交通手段の下調べも欠かせない。

間違っても、ギアなしの20インチチャリで、思いつきで出掛けることのないように・・・。


―終わり―