かつて磯子区にあった地名「テロフ」ってどんな由来なの?
ココがキニナル!
かつて磯子区に「餓鬼ヶ谷」「テロフ」という耳慣れない地名があったそうですが、地名に「テロフ」ってどんな由来なんでしょう?磯子区史にも全く触れられてません…。(koihigeさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「テロフ」はその地域が昔、寶生寺というお寺の領分「寺分」であったと考えられ、「てらぶん」→「てらふ」→「テロフ」と変化したと推測される。
ライター:橘 アリー
不思議な字名
区史にも触れられていない地名とは、いったいどのようなものなのだろうか?
「餓鬼ヶ谷」というのは恐ろしい感じがするし、「テロフ」というカタカナの地名も意味が推測できず不自然な感じがして、確かに耳慣れないものである。
まずは図書館で、横浜市の町名の移り変わりが記されている「横濱市町名沿革誌」を調べてみた。
すると、磯子区丸山町の欄に「餓鬼ヶ谷」「テロフ」という文字を発見。
1939(昭和14)年3月発行の「横濱市町名沿革誌」。左側が記載されているページ
それによると、「昭和二年十月一日町界町名整理の際、堀之内町字谷臺、堂免、中山、丸山、餓鬼ケ谷、テロフ、荒畠、柿ケ谷、富士塚及び根岸町字分田、廣地の區域に當町を新設し字名中の丸山を採りて町名に付す」と書かれている。
さらに調べてみると、横浜市市民局が発行している「横浜の町名」という本にも、同じように書かれていた。
1991(平成3)年3月発行の「横浜の町名」。左側が記載されているページ
その後、1962(昭和37)年5月に国の「住居表示に関する法律」ができ、丸山町は1965(昭和40)年1月1日に丸山一丁目と丸山二丁目に改正された。
念のために、本を発行した横浜市市民局の住居表示係に「餓鬼ヶ谷」や「テロフ」の名前の由来について聞いてみたが、由来についての資料が残っていないので分からないとのことだった。
なお、キニナル投稿にもある磯子の区史「磯子の史話」という名前の本も確認してみたが、やはり「餓鬼ヶ谷」や「テロフ」という地名については書かれていなかった。
他に地名に関する資料があるのか、図書館の方に聞いてみたが、詳しい資料は無いので地域の歴史を研究している方に聞いてみてはどうだろうか、と言われた。
磯子区の歴史研究家と言えば、はまれぽで何度もお世話になっている葛城峻さんである。
葛城さんにお話しを伺うことにした。