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かつて世界一の大きさだった川崎競馬場のドリームビジョンとは?

ココがキニナル!

かつて世界一の大きさを誇っていた川崎競馬場のドリームビジョンについて知りたい!(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

「ドリームビジョン」は、「様々な人たちの夢をかなえる競馬を映し出す」という意味で名付けられた。個人協賛競走で好きなレース名を表示することも可!

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ライター:吉澤 由美子

以前、「川崎競馬場は食堂や売店が充実してるって本当?」という記事でそのグルメ天国ぶりを紹介した川崎競馬場。実は、グルメ以外にも名物がある。それは巨大な映像装置、川崎ドリームビジョン。

残念ながら現在は世界一の座をドバイのメイダン競馬場に明け渡したとはいえ、横72m×高さ16mのその大きさは実際に見るとやはり圧巻!
 


迫力の超巨大画面


「川崎ドリームビジョン」という名前は、「さまざまな人たちの夢をかなえる競馬を映し出す」という意味で付けられた。

大きいだけでなく、エコノミーでエコロジーという特長も持っており、2010年にはギネス・ワールド・レコーズに認定された川崎ドリームビジョンについて、神奈川県川崎競馬組合企画振興課の中野康樹さんにお話を伺った。



川崎ドリームビジョン誕生の経緯

川崎ドリームビジョンができる前まで、川崎競馬場では2003年に完成した「キングビジョン」を使っていた。

キングビジョンは、幅32m×高さ18mという大きさの大型映像装置。2003年当時は世界最大の大型ビジョンだったが、2006年に東京競馬場に設置されたターフビジョンに抜かれてしまう。

このキングビジョンの左右を拡張して、2009年6月に川崎ドリームビジョンが誕生。
 


ゴール前から見ても、この大きさ


左に継ぎ足されたのは幅28m、右に継ぎ足されたのは12mで、あわせて40m拡張され、従来のキングビジョンの倍以上の幅となり、高さは2m低くなった。
 


幅32mの既存の画面を40m拡張し幅72mの画面へ※画像:川崎競馬


川崎ドリームビジョンの大きさは、72m×16m、1152平方メートル、2904インチ。なんと、50インチのTVに換算すると1625台分もある!

大きさをわかりやすく伝える例えとして、長さはジャンボジェット機と同じくらい、面積はテニスコート約6面分、あるいはビーチバレーコート約9面分と説明されている。

よく見ると、合体させた筐体は微妙に色が違うので、3つの画面が合体していることがわかる。
 


写真では拡張された部分がよくわかる


LEDハイビジョンの画面は、スタンドから画面まで250mという距離を考慮に入れて、LED画素ピッチを62.5mmにしてある。一般的な大型ビジョンの画素ピッチは20~30mmなので、川崎ドリームビジョンはかなり粗い。遠くから見るためのものであり、画面が巨大だからこそピッチをこれだけ粗くすることが可能となった。

そしてピッチが粗くなればLEDの数も消費電力も少なくてすむ。川崎ドリームビジョンはエコノミー&エコロジーな大型ビジョンなのだ。
 


画面を拡大すると画素ピッチがわかる


2009年に申請した世界最長スクリーンのギネス世界記録も、翌年には正式に認定された。それまで世界最大だったのは、東京競馬場のターフビジョンで、743.7平方メートル。それに対して川崎ドリームビジョンは、1152.0平方メートル。圧倒的な差だったのだ。
 


ギネス世界記録認定書※画像:川崎競馬


ところが、2010年1月にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるメイダン競馬場がオープン。ここに設置されたオーロラビジョンが世界最大の記録を更新。川崎ドリームビジョンは、わずか一年足らずで世界一の座を譲ることとなった。

メイダン競馬場のオーロラビジョンは、幅107.52m、高さ10.88m、面積が約1169.8平方メートルなので、川崎ドリームビジョンより約17.8平方メートルだけ大きいというわずかな差。

「世界一奪還の予定はありますか?」と中野さんに伺うと、「どこからでもよく見えるサイズにという目的で作られたものが、たまたま世界一になったということですので、拡張の計画はないんですよ」とのこと。

さらに、「この大きな画面を有効に使って、お客様により楽しんでいただけるようにすることが大事だと考えています」と中野さん。