巨大なビジョンは人の流れも変えた

川崎競馬場は、全国で最も敷地面積の狭い競馬場。

一般的に競馬場に設置されている大型ビジョンは、馬が走るコースの内側にある内馬場に設置されているが、川崎競馬場の川崎ドリームビジョンはその破格の大きさから、観客席の反対側である向こう正面に設置されている。
　

駐車場や芝生広場があるのが内馬場※画像：川崎競馬

巨大なビジョンは観覧席のどの場所からもよく見える。

さらに、他の一般的な競馬場では内馬場から画面を見ることはできないが、川崎ドリームビジョンは向こう正面にあるため、内馬場にある芝生ゾーンや駐車場からも確認できるのだ。
　

近付くと迫力満点

「川崎ドリームビジョンができてから、競馬場にいらっしゃるお客様の流れも変わりました」と中野さん。スタンドや内馬場など、どの場所からでもオッズなどが確認できるため広範囲に人が散らばるようになったとか。
　

さまざまな情報を一度にわかりやすく表示できる

この大きさを活かして、レース中には複数のアングルからの映像が放映されるなど、迫力のある画像を提供している。
　

レースの様子は角度の違う映像を複数、同時に映すことができる

川崎ドリームビジョンは、幅72ｍに最大3画面の映像やオッズを表示。1コーナー、3コーナーのリモートカメラなど、走路のすぐ近くにカメラを設置することで、それまでなかった臨場感溢れるレース映像を提供できるようになった。

川崎競馬場のフルゲートは14頭。その14頭の馬単オッズを一括表示でき、画面いっぱいを使えば、3連単（3連複でも）のオッズを100通り、一度に表示することも可能だ。
　

大きい画面にスッキリ収まっている

さらに、参考レースVTRなどを映すことで、多彩な楽しみかたを提供しているとのこと。

技術的には、この巨大な画面で映画、スポーツ中継などの放映も可能だとのこと。将来的にさまざまなイベントで川崎ドリームビジョンを活用していくことも考えているそうだ。

ワールドカップやオリンピックで複数の試合を同時中継するパブリックビューイングなんていいかも？！



川崎ドリームビジョンに自分の名前を出せる？！

実は、この巨大な川崎ドリームビジョンに自分の名前を表示させることもできる。

神奈川県川崎競馬組合では、個人から協賛を得て行う個人協賛競走を募集している。そこでたとえば「祝吉田編集長減量」という名称で申し込んで、審査を無事に通った場合、その名称をサブタイトルにしたレースが実際に行われてビジョンに大々的に表示されるのだ。名称は、公序良俗に反していないもの、芸能人など有名人の名前を使っていないものであれば大丈夫だそう。
　

「祝義人＆麻衣」という個人協賛競走を発見。おめでとう、義人さん麻衣さん

個人の場合、費用は5万円。川崎ドリームビジョンへの表示の他、出走表などにも掲載され、ボックス席か特別観覧席に6名までの招待があるらしい。この個人協賛競走は、結婚や出産を祝って行われることが多いのだとか。
さらにサービスを強化した個人協賛のコースを今年中にはじめられないか検討中とのこと。新しい個人協賛がどんな内容になるかはまだわからないが、選択肢が増えるのは楽しみだ。

また、企業や商店が、企業名や商品名などを入れる場合は企業協賛となり、サブタイトルだけではなく競走名もその名称を使うことができるが、こちらの費用は30万円。

お祝いしたいことがあの巨大なビジョンに流れたら、テンションがものすごく上がりそう。サプライズプレゼントにしても喜ばれるかも。



取材を終えて

横72mというのは、内馬場の中でギリギリまで近寄ってみると本当に大きくて目の前すべてが画面。なんだかサイバーワールドに入り込んでしまったような異次元の景色だった。
　

世界一ではなくなったけれど、今も日本一の大きさ

川崎ドリームビジョンには、エコロジーに配慮していたり、個人協賛競走で好きなレース名を表示してもらえたりと、大きさだけにとどまらない魅力があった。


― 終わり ―


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