新しい街の古きを温めて。はま旅Vol.96「恩田編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第96回は、こどもの国線唯一の中間駅「恩田」。道行く人は口を揃えて「何もないよ」という。本当に何もないのか、何があるのか果たして・・・
ライター:ほしば あずみ
恩田をロックオンだ!
東急こどもの国線「恩田駅」。始発長津田駅の隣であり、終点こどもの国駅の隣でもある。
時刻表トリックを考えるのは難しいな、などと思っている間に到着してしまう。
駅員さんが常駐しない駅。とても、寒い日だった
恩田駅にはトイレもない。駅のまわりに店らしきものもない。
不測の事態でピンチになった人はどうするのだろうか。
家まで我慢?
整然とした住宅街が駅前からはじまっている
恩田駅の前に広がるのは、あかね台という新興住宅地。
恩田駅は主にあかね台とその周りの恩田町に住む人たちの通勤通学のために2000年に開業した駅だ。
まずは駅反対側のこどもの国通り(県道139号)を、こどもの国方面へ進んでみる。
線路沿いに奈良川という川が流れていて、遊歩道のようになっていた
ところで、この時非常に空腹だった。旅先で何か食べようと思っていたのに、飲食店らしいものは見当たらない。
しばらく歩いても何も見えてこない。やっぱり駅前に一度戻ろうかと考えていると・・・
食べ物じゃなくて自動車
中古車屋さんだろうか? なぜか同じ形の車ばかり並んでいる。それもちょっと懐かしい感じの、あまり見かけない車だ。
どういうお店なのか、空腹はさておき話を伺ってみた。
親切に対応してくださった小八重店長(中央)と青葉オートのみなさん
有限会社青葉オートは、日産自動車がかつて製造販売していたサニートラック(通称サニトラ)という車種に特化した中古車売買の店なのだそう。
自動車排出ガス規制をクリアした1990(平成2)年から1994(平成6)年までの車を販売している。平成の車なのにノスタルジックな外見なのは「あまり見た目を変えずにマイナーチェンジをしてきたから」と小八重店長。
「特徴がある車ですし、幅広い年齢層にファンの方がおられます。普通の車だと物足りないという人たちですね」との事。
確かに、走っていたら注目まちがいなし!
空腹のあまり、失礼を承知で小八重店長に近くにおすすめの飲食店がないかと尋ねてみたところ、このまま県道を進んで行っても何もないと判明する。
「こどもの国まで行けばあるんだけど・・・あ、恩田駅の隣に確かドッグカフェがありましたよ」
ドッグカフェ? ペット連れでお店の中でくつろげる、あのドッグカフェ?
駅前はひととおり見たと思っていたけど、見逃していたのだろうか。
青葉オートのみなさんに別れを告げて、恩田駅まで引き返す。
再び恩田駅へ。しかしドッグカフェらしきものは見当たらない。
通りかかった女子中学生2名に聞いてみると、
「ここ」と2人が声をそろえて指さした。
更地となったドッグカフェ跡。駅の真横だった
「この坂をずーっとのぼって左に行けば、バーミヤンとかサンマルクとかある」と女子中学生たちに慰められ、
もうそれでもいいから空腹を満たそうと、あかね台の坂をずーっと登っていく事にする。