工場直売店のお得な食べ歩きができる、はま旅Vol.109「産業振興センター・幸浦」編
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第109回は、工業団地が集まる「産業振興センター・幸浦」駅周辺で、食品メーカーの工場直売店を食べ歩き。半額以下は当たり前?
ライター:河野 哲弥
残りわずかとなった「はま旅」の候補地
横浜市内にある全駅全下車を目指す「はま旅」も、今回で109回目を迎え、そろそろゴールが見えてきたようだ。そこで問題となるのが、ネタが多そうな、カジュアルな候補地が少なくなってきているということ。
そこで、あえて選んでみたのが、シーサイドライン「産業振興センター」駅と「幸浦」駅。工業地帯というイメージがあり、普段行く機会が少なそうに思えるが、実際はどのような街なのだろう。
産業振興センター駅前にて、撮影協力、近所の方
担当するライターは、首のヘルニアがほぼ完治し、やっとギプスが外れた河野。街歩きにはうってつけの季節、お隣の幸浦駅まで、探索の輪を広げてみることにしよう。
どこからともなく、甘~い香りが
駅を降りて最初に見えたのは、どら焼きの三笠山やカステラでおなじみ、「文明堂」の製造工場だった。生地を焼いているような、香ばしい匂いもしてくる。
中央に見える赤いテントは、直売所のようだ
焼きたての「釜出しカステラ」を販売していた
ここでは毎週火曜日・金曜日と、それとは別に開催されるセール日の各日、午前10時と午後1時の2回に分けて、焼きたてのカステラを特価で提供している。ほかにも、直売店ならではのお買い得商品を扱っていた。
さらに南へ進むと、「かをり」や「喜友」の工場が現われ、まるで「お菓子の町」にいるような気分になってくる。ここで少し、詳しいお話を伺ってみることにしよう。
中区にある老舗「かをり」の製造工場のようだ
ヒビ割れなどが生じた「こわれ商品」を販売していた
工場長の中原さんによれば、通常なら1個150円前後する「幸運のたまご」や「レーズン・サンド」だが、その「こわれ商品」を5個の詰め合わせにして、350円で提供しているとのこと。また、ビスケットだけのB級品なども、30枚程度の袋詰めになって300円で売っていた。
販売しているのは、水曜日を除く平日と土曜日の午前9時から午後3時までだが、こうした規格外品は常に出るわけではないので、品切れの際はご容赦を・・・とのこと。
横浜市内から朝一番で駆けつけたという男性は、「お菓子が目的ではなかったのだが、『アウトレット』でインターネットを検索していたら偶然発見し、面白そうだから来てみた」と話していた。
お隣にも「喜友」の直売店があった
毎月第三木曜日がお得と、店員の栗田さん
総務課の小柳さんに伺ったところ、「喜友」ではもともと、結婚式用のケーキやホテルの引き出し物に使われる菓子類などを製造していたらしい。しかし、認知度が上るにつれ、「そろそろ、オリジナルブランドを提供するときなのでは」と、一般消費者に向けた製品も手がけることになったのだとか。
工場見学もさせていただいた
その結果、「ヨコハマ・グッズ『横濱001』」に認定された「ヨコハマ生まれの小さなケーキ」ほか、金沢区のお墨付きともいえる「金沢ブランド」認定商品など、数々のヒット作が誕生したらしい。この直売店では、そんな同社の商品をもっと知ってもらいたいと、こわれ品はもとより、正規品も市価の半額程度で購入することができる。
要予約で、正規品の大量注文も可能
販売しているのは午前9時から午後4時(日・祝日は休業日)までだが、さらに特筆すべきは、毎月第三木曜日に行われる「売り出し」。新商品の製造ラインを試験稼働するときに作られる試作品や、切り落とされたケーキの耳の部分などを、特別価格で提供している。
「運が良ければ、これから市場に出る新製品を、一足先に味わうことができます」と小柳さん。何だか、テンションが上がってくる。