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工場直売店のお得な食べ歩きができる、はま旅Vol.109「産業振興センター・幸浦」編

ココがキニナル!

横浜市内全駅全下車の「はま旅」第109回は、工業団地が集まる「産業振興センター・幸浦」駅周辺で、食品メーカーの工場直売店を食べ歩き。半額以下は当たり前?

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ライター:河野 哲弥

名は体を表わす、交差点の名前

さらに探索の範囲を広げていくと、この周辺の企業は、ある程度同じ業種・業態で固まっていることが分かってきた。例えば「金属団地前」という交差点の周辺には金属加工系、「科学団地前」には着色料などの科学系、「コストコ」があるのは「流通団地前」といった具合だ。
 


「金属団地前」交差点近くにあった、坪倉興業に並ぶオブジェ


これらは、自然発生的なものなのだろうか、それとも計画された町並みなのだろうか。そこで、駅名にもなっている「産業振興センター」に、取材を申し込んでみた。
お話を伺ったのは、同施設を管理・運営する公益財団法人「横浜企業経営支援財団」金沢センターの本多さん。
 


施設の正式名称は「横浜市金沢産業振興センター」


本多さんによれば、この周辺はかつて、一面の海であったらしい。しかし1971(昭和46)年より、横浜市などが中心となって、埋め立て工事が進められたそうだ。

このときコンセプトの1つとなったのが「住工混在の解消」という考え方。高度成長に伴い、住宅地での騒音や振動、工場排水などの問題をうけ、良好な生産環境をもった工場団地への移転と工場跡地の効果的な利用促進が検討されることになった。
 


取材を元に再現した、おおまかな区分けイメージ(Google MAPより)


ある程度同種の企業を1ヶ所に集めたのは、効率や、利便性を考えてのこと。こうした企業進出は1978(昭和53)年からスタートし、現在では、約600社が集結しているらしい。

そして、進出した企業の福利厚生施設として設立されたのが、「横浜市金沢産業振興センター」となる。金融や医療機関から飲食店にいたるまで、ここで働く人が必要とするサービスを、各種提供しているとのこと。
 


飲食店の一例、「カフェテリアレストラン ハイ・ローズ」
 

ボリュームのある「ポークショウガ焼き(500円)」、ご飯・みそ汁は料金別


これらの施設は、一般の住民でも利用可能。各種スクールやスポーツ施設などもあり、ダンス発表会などのイベントも随時行われている。
 


テニスコートやグラウンドは、ナイター照明も完備


同種の企業が1ヶ所に集まっている・・・そう聞いて思いついたのは、まだまだほかにも食品製造工場があるかもしれないということ。本多さんにお礼を述べた後、菓子工場探索の旅を、再び続けてみることにした。



まるでデパ地下のよう、横浜の名店が勢ぞろい

バニラの香りを頼りに、今度は、幸浦駅の方向へ足を運んでみた。すると、元町にあるレストラン「霧笛楼」の看板が見えた。
 


「霧笛楼」の幸浦製菓工場・商品センター外観


「大正時代に創業した当社は、当時『鈴音』という社名で、卵と鶏肉の卸業を営んでいたんです」と話すのは、同センター長の山﨑さん。やがて、厳選した素材が味わえる料理店を自ら開いてみたいと、1981(昭和56)年に「霧笛楼」をオープン。
 


家庭でも楽しめる霧笛楼のレトルト一例


同店で提供される料理のベースには、一般的な「ビーフコンソメ」ではなく、創業時からの強みである鶏肉を使用した「チキンコンソメ」が使われ、上品な風味がその特徴となっているそうだ。
なお、このセンターでは、同店で提供している菓子類の一部を生産し、また流通拠点としての機能も兼ね備えているらしい。
 


人気商品、「天使のささやき(1260円)」の製造現場


さて、気になる直売情報だが、常設の店舗などはないそうだ。ただし、月に一度この近辺一帯で開催される「mdc アウトレットセール」の日には、訳あり商品が大幅にプライスダウンされる。次回は5月25日(土)を予定しているとのこと。
 


「mdc アウトレットセール」のチラシ(4月27日開催時のもの)