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東神奈川駅と仲木戸駅はあんなに近いのになんで駅名が違うの?

ココがキニナル!

東神奈川駅と仲木戸駅はほぼ隣接しているのに名称が違うのは何故? 現地ではどちらが地元に定着しているのかインタビューお願いします!(MRハニーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

混乱を避けるため、あえて違う名称にした。地元の歴史に由来しているので、60代以上の方には「仲木戸」の方が親しまれているようだ。

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ライター:橘 アリー

陸橋で結ばれている二つの駅



京浜急行線の「仲木戸駅」とJR線の「東神奈川駅」を地図上で確認してみると、一本の道路を挟んでいるが、とても近い距離にある。
 


地図で見た「仲木戸駅」と「東神奈川駅」近辺の様子(Googleマップより)
 

実際に現地で確認してみると、この二つの駅は陸橋で結ばれていて、そこを通ると1分もかからないで駅間を行き来することができる。
 


右が「仲木戸駅」で、左の茶色いビルが「東神奈川駅」の駅ビル
 

陸橋の両端が、それぞれの駅の入り口になっている


このように、2つの駅は陸橋で結ばれていて、目と鼻の先にあるので、駅名の前にJRや京急などの文字を付けて同じ駅名である方が自然な感じもする。
それなのに、なぜ駅名を統一しなかったのだろうか。



開業の経緯が違うから?



それぞれの駅が開業した年や駅名の由来などについて、インターネットや図書館の資料などで調べてみた。

現在のJR東神奈川駅である「東神奈川駅」は、横濱鉄道株式会社によって、1908(明治41)年9月23日に開業。近くに1872(明治5)年に開業した日本初の鉄道が敷かれたときに開業した「神奈川駅」と区別するために、東側にあるので「東神奈川駅」という名前が付けられたそうだ。ちなみに、東神奈川という町名は、「東神奈川駅」があることから付けられている。

なお「神奈川駅」は、1928(昭和3)年に当時、現在の桜木町駅に合った横浜駅が現在の場所へ移った時に廃止されている。
 


探ると歴史が深い「東神奈川駅」


駅舎は駅ビルの形になっていて、「仲木戸駅」と比べるとけっこう大きな駅だ。駅構内の壁には、「駅・街の記憶」というパネルの展示がされている。
 


当時の様子を伝えるパネル展


これは2009(平成21)年に横浜線の開業101年目を記念して作られたもので、大正時代の東神奈川周辺の地図や、昭和初期の「東神奈川駅」の様子などを見ることもでき、横浜線の歴史についても書かれている。

それによると、同線は横浜の生糸商人である原善三郎氏らが生産地から港まで絹や生糸を運ぶために横濱鉄道株式会社を設立し、鉄道を敷設したのが始まりだという。
 


セピア色の写真が郷愁を誘う


次に、「仲木戸駅」は、1905(明治38)年12月24日に、京浜電気鉄道株式会社によって開業した駅である。
 


隣の東神奈川駅に比べると小さい感じがする


駅名は、江戸時代この近辺に「神奈川御殿」と呼ばれていた将軍の宿泊施設があり、そこを木の柵を作った門を設けて警護していたので、その木の柵がある地域が「仲木戸」と呼ばれていたことに由来しているようだ。

現代では鉄道会社は同じ駅舎に乗り入れるなど、互いに協力関係にあるが、明治時代はそうではなかった。当時、京浜急行は、最古の電気鉄道の意地をかけて、国鉄と競い合っていたそうだ。 このような競合関係が、それぞれの駅名が違う理由のようである。

二つの駅の駅名が違う理由は分かったが、「仲木戸」とはどのようなものだったのか、気になってくる。

そこで、「仲木戸」について調べると同時に、どちらの駅名が地元では定着しているのか聞いてみた。