横浜港のハブ化はどこまで進んでいるのか!?
ココがキニナル!
横浜港のハブ化計画は今どうなっているんだろう?取材してください。(Ryo.ACさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
南本牧ふ頭に400メートル超のコンテナ船が2隻同時に着岸できる岸壁を整備中で、来年度には半分完成する見込み。荷主企業の誘致活動も行っている。
ライター:橘 アリー
「羽田空港のハブ化」はニュースで目にする機会も多く、内容もイメージしやすいのだが、そもそも、「港湾のハブ化」とはどういうものなのか? 横浜市港湾局企画調整部企画調整課でお話を伺った。
対応して下さった担当係長の蝦名(えびな)さん(左)と三浦さん
市ではハブ港について「基幹航路の就着港となり、大型コンテナ船での荷物が集まる、車輪の中心(=ハブ)的な港」と位置付けているそうだ。同局のまとめによると、2012年度、横浜港に入港した船舶は約3万7000隻で、東京、名古屋、大阪、神戸など国内主要港を抑えてトップだった。
では、そもそも、なぜ横浜港をハブ化する必要があるのか。ハブ化によるメリットはあるのか。横浜港の過去から現在、そして将来に向けての港湾戦略について追ってみる。
ハブ化計画は、国際コンテナ戦略港湾選定から始まった!
国際コンテナ戦略港湾とは、日本にも国際競争力のあるハブ港を作ろうという政府の取り組みのこと。選定されることで、港湾工事費用の国の負担の割合が増えるなどのメリットがある。
日本航路での大型コンテナ船の運行が増えるなか、韓国・釜山などアジアの主要港と入稿にかかるコストなどの面で遜色ないサービスを目指すため、横浜港は2010(平成22)年、政府から「国際コンテナ戦略港湾」に選定された。
選定を受けて横浜市は、2011年度の予算に、横浜港のハブ機能の強化の事業費として82億6700万円を組み込み、2015年までにハード面では「港湾整備」、ソフト面では「コンテナ貨物の集荷促進策」の両輪でハブ化を実現する方針が立てられた。
完成予想図(港湾局資料より)
港湾整備の現状は?
次に、現在の横浜港ハブ化計画はどうなっているのかを調べていく。
横浜港には、本牧ふ頭・南本牧ふ頭・大黒ふ頭・大さん橋ふ頭・山下ふ頭・みなとみらい21地区の6つの主要地区があり、今回、整備対象に指定された「南本牧ふ頭」の岸壁は約800メートル。
横浜港の地図。一言で横浜港と言っても、地図で確認するととても広い!
近年、客船やコンテナ船は大型化しており、南本牧ふ頭には大型といわれる400メートル級の船を2隻同時に着岸できないのが現状。国際競争に取り残されないようにと、大型船が着岸できるようにと、ハブ化に着手したというわけだ。
では具体的にはどのような整備を行うのか。蝦名担当係長に聞いた。
―現在の整備状況は現状はどうなっているのでしょうか?
「南本牧ふ頭の、コンテナターミナルMC3地区とMC4地区の整備を計画しています。この岸壁の水深は16メートルと深く、そこに1隻400メートルの長さの大型コンテナ船を2隻着岸できるよう整備を行います。MC3とMC4を合わせて900メートル位の岸壁になる予定です」
地図で確認すると、青で囲った部分が南本牧ふ頭のMC3とMC4の箇所
MC3とMC4は、図で見ると、第4ブロックと書かれている部分にあたる(港湾局資料より)
平成25年1月の撮影された航空写真での様子(港湾局資料より)
工事中の様子(港湾局資料より)
整備の進行状況は、MC3地区は平成26年度中には完成予定で、MC4地区は今年度から計画の着手が行われているようである。