自転車運転に関する事故防止対策および取り締りはどうなっている?
ココがキニナル!
神奈川県の道路交通法施行細則では自転車運転中の携帯電話等の使用や、車道での右側通行を禁じてますが、取り締まってる所を見たことがありません。実際どのように推進していますか(HyperNattohさん)
はまれぽ調査結果!
2013(平成25)年10月末現在の自転車に対する指導取締件数は約12万8000件。“チリリン・スクール”の開催で、幅広い層に交通ルールを周知徹底化
ライター:伊藤 健志
今回のキニナル投稿は、なかなかライター泣かせの内容である。
単に「自転車運転時の罰則規定を教えてほしい」というのであれば、それこそ道路交通法を調べればいい。例えば二人乗りなら2万円以下の罰金または科料、運転中の携帯電話等の使用であれば5万円以下の罰金――といった具合である。
モラルが問われる自転車運転中のスマホ利用
しかし、キニナル投稿者が求めているのは、罰則や反則金云々の話ではない。「違反者を警察はキチンと取り締まっているのか?」。また「自転車運転に関する事故防止対策を含めて、警察の活動内容を具体的に教えてくれ」というものである。
例えば神奈川県警(以下、県警)に「ちゃんと取り締まっているんですか?」と聞いて「いいえ、取り締まっていません」といわれる訳がないし「投稿者は、取り締まっているところを見たことがないというが?」と聞けば「それは投稿者の方が見ていないだけなのでは?」と諭されるのがオチである。
実際に警察が取り締まっている写真でもあれば掲載するところなのだが、警察ではプライバシー保護の観点から、そうした写真の類いは一切持ち合わせていないという。
ここはやはり、具体的な数字を見ていくしかないだろう。
違反者の検挙数は10月末までに1379件
自転車運転中の違反には、二人乗り、信号無視、一時不停止、酒酔い運転、並進、無灯火、携帯電話等使用、イヤホン等使用、制動装置不良(ブレーキの不備)など多岐に渡るが、2013(平成25)年10月末現在の県下の自転車に対する指導取締件数は約12万8000件。
自転車運転中の携帯電話やイヤホン禁止の啓蒙ポスター(神奈川県警より)
このうち、警告書の発布数は12万6592件と大半を占めるが、悪質な違反者の検挙数も1379件と、著者が思っていた以上に取締まっていることが分かる。
実際県警では、“神奈川県警察自転車対策総合推進計画”を策定し「自転車の通行環境の確立、自転車利用者に対するルールの周知と安全教育の推進、自転車に対する指導取締り等の強化を重点に、自転車の交通安全とマナーの向上に取り組んでいる」という。
自転車対策総合推進計画について(神奈川県警ホームページより)
このうちの“取り締り”に関しては、交通指導課が担当。通常の警察活動の中での取り締りはもちろん、毎月1回だけではあるが、“県下一斉自転車指導取締強化日”を指定し、定期的、計画的に実施している。
当たり前だが、この指定日の告知は大々的には行われていない。ただ、県警のホームページには“交通公開取締情報”の一覧が掲載されており、直近の指定日であれば分かるようになっている。ちなみに12月の強化指定日は、12日となっていた。
交通公開取締情報(神奈川県警ホームページより)