秘境を越えて横浜から鎌倉へ、オススメのハイキングスポットを大仏が調査! 前編
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はまれぽ調査結果!
小川に沿って歩いていけば瀬上市民の森からそのまま金沢市民の森へ。今回は横浜最高峰「大丸山」でおにぎりを食べるところまでで、続きは後編で
ライター:永田 ミナミ
大仏との再会
すっかり暖かくなって毎朝カーテンを開けると眩しい陽射しが降り注ぐGW。そういえば昨年のGWは、750年前に鎌倉に座ってから初めて立ち上がった大仏と、一緒に海へ行ったり地蔵菩薩に会いに横浜まで出かけて中華街を散策したりしたことを思い出した。
思い出してみると何だか懐かしくなり、久しぶりに大仏の様子を見に行くことにした。すると大仏が1年前と同じ場所できょろきょろしているではないか。
あ、見つかってしまったね。でもひょっとしたらやってくるかなと思ってたよ
気候が良くなってきたら昨年の楽しさが思い出されいてもたってもいられなくなり、つい立ち上がってしまったという。
ということで再び大仏とともに鎌倉の街を散策し、横浜に向かっていると「おや、ずいぶん大きな白衣観音がいるんだね」と指差した。「ああ、あれは大船観音 です。昨年は東向きに座っていたから見えなかったんですね」と言うと、大仏は「ほう、そうなんだ」と言って大船観音に手を振り、小さな声で何かを話した り、うんうんとうなずいて笑ったりしていた。
大船の山の舳(へさき)に立つ菩薩ビーチに埋まる若人よろしく 大仏
「大船観音は、1929(昭和4)年に着工したものの世界恐慌による資金不足で1934(昭和9)年に中断して、戦争中に荒廃したまま23年間放置されて いたんです。完成したのは3年後の1960(昭和35)年で、高さは胸から上で25メートルだから、立つと100メートルくらいあるでしょうね。境内には 鎌倉市戦没者慰霊碑や原爆被災記念碑もあるんですよ」
と説明すると、大仏は「ありがとう、そのことはいま白衣観音も話してくれたよ。あと、白衣観音が面白いことを教えてくれてね」と言った。振り返ると大船観音もにっこりと笑っていた。
バスに乗って
白衣観音が教えてくれたのは「大船駅からバスに乗ってしばらく行ったところから、山のなかを歩いて鎌倉まで帰れますよ。昨年は海へ行ったんでしょう、それなら今年は山ですよ」という情報だった。
「やあ、このあたりで山を歩けるとは思わなかったな。2016年から『山の日』ってのもできるんだろう? 修学旅行生が自分たちには関係ないってぼやいていたよ」とすっかり乗り気の大仏は「よし、今夜は地蔵の家でハイキングの準備だ」と嬉しそうに指を鳴らした。
そして翌朝、JR大船駅で下車したわれわれは、大仏と笠間口のバスターミナルから「本郷車庫」行きのバスに乗り込んだ。
そしてバスに揺られること約20分。終点の「本郷車庫」に到着
よしオッケー緑がそよぐ春うららバスの旅路も楽しかりけり 大仏
はしゃぐ胸で見回すとそこらじゅうがハイキングコースの入口に見えてくるが
神奈中バスで聞いてみるとこちらに進むといいと教えてくれた
いざ鎌倉、と歩きだしたのは午前11時ごろ
まもなく見えてくるこの陸橋横の階段を降りて、陸橋の下をくぐる
陸橋をくぐったら左折してさっきの道路を左に見上げつつ道路沿いに進むと
小川が見えてくるのであとはせせらぎに耳を傾けながら小川沿いに歩く
左手に道路改修工事記念の石碑が見えたあたりの分岐も小川沿いに右へ
ちなみに石碑はこんな感じ
やあ、素晴らしい。清き水の流れよ
都会から少し離れただけでこんなに澄んだ水が流れているとは
などと言いながら鼻歌交じりにもうしばらく小川沿いに歩いていくと
「瀬上(せがみ)沢小川アメニティ」の標識が見えてくる
次の分岐は「瀬上池」方面に
ここの「東上郷住宅方面」という標識の下にはいくぶん褪色した「(ハイキングコースではありません。)」の赤い文字がある。右折方向は緑が生い茂っているので「こっちなんじゃないか」とそそられる人も少なくないのだろう。そしてバスを降りて歩きはじめてから約15分。
「これより先は瀬上沢小川アメニティ」の標識が見えてきた
もうひとつの目印はこの高級外国車を使ったインスタレーションである