横浜発祥「ナポリタン」 現在に至るまでの歴史とは?
ココがキニナル!
ナポリタンは横浜が発祥のようですが、なにか歴史とかあるんですか?(フランケン面さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
現在のナポリタンに至るまでには、ケチャップとピーマンの冒険があった!
ライター:河野 哲弥
ナポリタンには不思議な魔力があります。
一たび魔法にかけられると、もはやその事しか考えられなくなる「赤の呪縛」。
これにやられてしまうと大変です。自分でも気付かないうちに、三日連続で食べたりします。
そんな魅惑の「ナポリタン」ですが、実は横浜生まれってご存知でしたでしょうか?
インターネットで調べてみると、確かに横浜が発祥という情報が数多く存在し、しかも山下町の「ホテルニューグランド」で産声をあげたのだとか。
ナポリタン発祥の地「ホテルニューグランド」
それでは真相に迫るべく、早速現地へ向かうことにします。
なお、同ホテル1Fの「ザ・カフェ」というレストランで食べる事が可能との事。
それでは、いよいよのご対面です。
これが「発祥のナポリタン」だ!
上品で口当たりがサッパリしているのに、奥深い味。
パスタは少し柔らかめで、具は「ボンレスハム」と「マッシュルーム」のみ。ソースはケチャップを使わず、「刻んだニンニク・玉ねぎ・生トマト」を煮込んだもので、仕上げに「パセリのみじん切り」。サイドには「粉チーズ」が付きます。
そうなんです!
驚く事に、「発祥のナポリタン」は「ケチャップ」味じゃなかったのです。
また、ピーマンが使われてなかったんですね。
その辺の事情とホテルの歴史を、同ホテル広報部の和田さんに伺いました。
発祥のきっかけはマッカーサーだった
そもそも「ホテルニューグランド」は、関東大震災後の横浜の再復興のシンボルとして、1927年に開業したのだそうです。その時、パリのホテルからシェフとして招聘されたのが、料理の貴公子として有名だったスイス人の「サリー・ワイル」氏。
その後、1945年に太平洋戦争が終結し、「ホテルニューグランド」はGHQの総司令部として接収されました。そしてある時、ダグラス・マッカーサーが「ハンバーガーが食べたい」と洩らしたそうですが、戦後の物資不足でハンバーガーすら作れなかった。
そこで至急、食料物資を取り寄せたのですが、その中に「パスタ」と「ケチャップ」があったのです。
315号室は「マッカーサーズスイート」の名が冠せられる
その時、二代目総料理長を務めていたのが「入江茂忠」氏。
彼は、米兵がパスタにケチャップをかけて食べているのを見て、レシピの発想を得たとの事。
しかし、ケチャップはホテルで提供するものとしては世俗過ぎるので、独自のトマトソースを使用した「発祥ナポリタン」が、ここに誕生しました。
では、ケチャップやピーマンを入れたのは誰なのか
確かに「ナポリタン」の発祥は「ホテルニューグランド」でした。
しかし、いつも食べているものとは少し違う。なぜなら「赤の呪縛」は、ケチャップがあってこそ、という気がします。
そこで、洋食の老舗「センターグリル」に伺ってみました。
野毛の「センターグリル」
センターグリルの「ナポリタン」
水分が少なく、ケチャップがネットリ絡んでいるところが魅力で、どこか懐かしさを感じます。
具は「玉ねぎ・マッシュルーム・ピーマン」。そして「ケチャップ」を入れて炒める。「パセリのみじん切り」と「チーズ」は最初からかかっており、付け合せには「サラダ」、サイドには「タバスコ」が付いています。
そうなんです!
行方不明となっていた「ピーマン」や「ケチャップ」は、ここ「センターグリル」で初めて登用されたと見ていい。その理由を、同店の石橋社長に聞いてみました。