相模原市淵野辺からJAXA相模原キャンパスが移転するって本当?
ココがキニナル!
神奈川が誇る宇宙航空開発機関のJAXAが神奈川県から移転する噂が出ています。是非調査と、淵野辺に住む街の人の声を取材してきてください。(波に乗れないジョニーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
移転問題の方向性が示されるのは年内、結果が出るのは年度末!相模原市は全力を挙げて阻止していく方針
ライター:すがた もえ子
JAXA相模原キャンパスが移転?
相模原市中央区由野台(よしのだい)にある宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行うJAXA(ジャクサ:宇宙航空研究開発機構)相模原キャンパスが県外に移転する可能性が浮上した。これについて相模原市や地元の方はどう思っているのだろう?
JAXA相模原キャンパス外観(素材番号 : P-021-01372 画像:(C) JAXA)
JAXA相模原キャンパスは1989(平成元)年4月に開設。旧宇宙科学研究所の中核部を担ってきた。以降は相模原市のまちづくりにも深く関与し、最寄り駅のJR横浜線淵野辺駅近くの商店街などは「銀河をかけるまち・ふちのべ」を掲げ、宇宙にいちばん近いまちとして、道路にも星座に関する名前を付けたり、「銀河祭り」を開催して活性化の取り組みを行ってきた。
商店街の各通りには星にかかわる名前が付けられている
通りの足元にも星座にまつわるプレートがはめ込まれていた
また、相模原市も人気漫画『宇宙兄弟』とコラボしたり、JAXA関連施設がある全国の計6都市で「銀河連邦(サガミハラ共和国)」を組織するなど、積極的に宇宙を使ったまちづくりに乗り出してきた。
しかし、東京や首都圏に政府機関などが一極集中していることを是正しようと、国が取り組む地方創生の一環として、JAXA相模原キャンパスが移転の対象になったのだ。
誘致に関しては、同じくJAXAのロケット試験場がある秋田県能代市や岐阜県が名乗りを上げた。
秋田県能代市にあるJAXAのロケット試験場(素材番号 : P100007271画像:(C) JAXA)
この一連の流れについて、相模原市と市民、JAXAはどのように受け止めているのだろう。
まずは、相模原市企画財政局企画部企画政策課の寿福英昭(じゅふく・ひであき)主任にお話を伺った。
ご対応ありがとうございます
今回の国の方針については「驚きと戸惑いしかありません」と寿福主任。
JAXA相模原キャンパスは、小惑星探査機「はやぶさ」の研究開発が行われた場所であり、市も「はやぶさの故郷」とうたい、さまざまな場面でPRしてきた。
市役所にも宇宙関連の展示コーナーが作られている
相模原市としてはもちろん移転反対の立場で、加山俊夫(かやま・としお)市長が黒岩祐治(くろいわ・ゆうじ)神奈川県知事、林文子(はやし・ふみこ)横浜市長、福田紀彦(ふくだ・のりひこ)川崎市長、吉田雄人(よしだ・ゆうと)横須賀市長と共同で政府に移転反対の立場を伝えた。
このほか、市内全域594自治会で構成している相模原市自治会連合会(田所昌訓会長)が、加山市長に対して「あらゆる機会をとらえて国に強く働きかけてほしい」という要望書を提出した。
加山市長(左)に要望書を提出する田所会長ら
また、相模原市は「さがみロボット産業特区」に指定されている。そして、この特区のキャッチフレーズは「はやぶさの技術を介護の世界へ」だ。
JAXAの技術は多方面に生かされている
相模原市内には宇宙開発に必要な部品製作などの企業が事務所を構えているという強みがある。
寿福主任は「東京圏一極集中に歯止めをかける、というのは悪くないと思う。しかし、今ある活力を削ぐことになりかねず、疑問を感じる」と話す。その上で「相模原市は『JAXAがいることが当たり前』という前提で政策が成り立っている。
「はやぶさ2」が帰還した6月13日には「はやぶさ給食」も提供