シラスだけじゃない! マニアックな江の島のご当地グルメを食べ歩き調査!
ココがキニナル!
江の島は1月から3月までシラスが禁漁中で、今行っても静岡産だったりご当地グルメがない印象です。江の島にも何かゆかりのあるご当地グルメがあったら教えてください。(ゴリライモさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
江の島には大正時代に誕生した「江の島丼」をはじめ、創業100年以上の老舗の味を楽しめるグルメが勢ぞろいしている。
ライター:山崎 島
江の島と言えば
シラスっていうイメージが強いようですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 私は幼いころ、シラスの目が怖くて食べられない、とぐずって母を困らせたそうです。
そんなシラスも江の島では毎年1月から3月までは禁漁のため、島内のシラス料理は別の県で獲れたものを使うなどしているそう。
「えー、そうなの? 来週デートで江の島行ってシラス食べようと思ったのに」と落ち込んでいるみなさん、ご安心を。江の島にはシラスだけじゃないおいしいものがたくさんあるのです。
そのいくつかをご紹介。
浮ついているのではありません。ストッキングを直しているのです
たくさんの人でにぎわう江の島へ
1月も半ばの平日だが、こんなに人がいる
こういう、心惹かれる誘惑を振り切りながら
事前に島内を編集部・山岸と下調べし、岩屋へ向かう道で、目ぼしいお店があるのを発見したため、島の奥へと進んでいく。
こちらへ向かう
山崎は遅刻して自腹でチケットを買いエスカーに乗った
サムエル・コッキング苑♡を過ぎ、いくつかの階段を上り下りして
たどり着いたのは・・・
こちら。「富士見亭」
まるで小説の舞台になっていそうな、静かで年季の入った店構えの「富士見亭」。入口前のショーウィンドーには昔ながらの磯料理や丼ものが並んでいる。
店内も味わい深い
一角にはお座敷もある
テラス席も気持ちがいい。天気の良い日は富士山も見える
座っているだけでなんだか豊かな気持ちになれる、こちらのお店でいただいたのは・・・
「江の島丼(1080円)」
サザエと玉ねぎを卵でとじた、江の島に昔からある丼もの。
ふっくら
香りだけで「上質」と分かるお出汁と甘く炒められた玉ねぎ、それからしっかりした食感のサザエが絶品!! な「江の島丼」。上品だけど懐かしい味わいで、染み渡ります。わかめのお味噌汁もため息が出る美味しさ。
極上の「江の島丼」を作ってくださったのは、富士見亭4代目の徳江さん
優しくてご丁寧であたたかなお人柄の徳江さん。「江の島丼」の美味しさも納得できました。徳江さんには「江の島丼」の歴史やお店についてのお話を伺った。
同店の「江の島丼」が誕生したのは大正時代。何軒かお店に伺ったが、「江の島丼」という食べ物がいつからあるのか、はっきりとした年代は分からなかった。でも、どのお店も「明治の終わりごろから大正の初めにできたのでは」とおっしゃっていた。
「明確な経緯は分かりませんが、親子丼の鶏肉の代わりに、当時島でたくさん獲れたサザエを使ったようだ、と聞いています。当時鶏肉は高価だったですからね。最初は『サザエ丼』と呼ばれていましたが、いつからか今の名前で呼ばれるようになっていた。うちでは最初から江の島丼、と呼んでいました」とのこと。
ほかのお店のショーウィンドーの「江の島丼」
ここに来る道すがら見て来たメニュー表には、ほとんどが「江の島丼」と表記されていたが、中には「サザエ丼」と呼んでいるお店もあった。
「江の島丼はよく出ますよ。時季によってはシラス丼も良く出ますが、半々ぐらいですかね。今では江の島産のサザエが取れなくなっちゃって、千葉や伊豆産のものを使っています」と徳江さんはおっしゃっていた。
同店で使っているのは江の島産のサザエではないものの、なんと明治時代創業の、約135年続くお店。老舗が大切に受け継いできた伝統の味をいただくことができるのは、感動する。
お店には明治時代から
大正
昭和の、同店の様子が分かる貴重な写真が飾ってある
「昔は岩屋(島の奥にある洞窟)に来る人がたくさんいて、ここではお茶やご飯をお出ししてました。今では、江の島に来てもここまで来る人は3分の1ぐらいじゃないですかね」と徳江さん。
江の島に来たら寄りたいところが一つ増えて、私は嬉しかったです。お店や食事だけではなく、お店の方々みなさん本当に温かい方たちなので、ぜひ連れだって「富士見亭」へお出かけくださいまし。
アイスもいただいちゃいました