ビブレ前のおでん屋台は完全に姿を消したのか? 前編
ココがキニナル!
横浜駅西口の幸川沿いにある12軒のおでん屋台、今月いっぱいで廃業するそうですね。約60年の歴史があるそうですが、その最後とこれからを取材していただけますか?(輪太郎さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2015年1月末で営業停止したおでん屋台の一部の店主は営業を続けようと試みたが、行政の指導により断念。全ての店舗が撤去される予定、続きは後編で
ライター:山崎 島
2016(平成28)年1月で営業を終えた、横浜駅西口のおでん屋台。前回の取材では、一部の店主は営業を続けるつもりだという声も聞こえてきた。
その後、一体どうなったのか。おでん屋台は2月以降営業をしておらず、当事者にお会いすることができなかった。しかし近隣の方に聞き込みをしたところ「行政から営業許可が出せると言われ、屋台の修理をしていた」という情報が。
1月31日の様子
前回の記事から、行政側はおでん屋台退去勧告に対し、かなりガンとした姿勢だった印象があったのだが、これはどういうことだろうか。
西土木事務所のはなし
まずは西土木事務所へ行ってきた。1年ぶりに浅野さんと再会。
「おでん屋台の件については、年明けから取材が多かったです」と浅野さん。貴重な昭和の風情を残すおでん屋台が、長年の営業を終えるとなると、たくさんのメディアが注目するのだろう。
はまれぽ登場頻度が高い浅野さん
西土木事務所が把握している1月31日以降の状況について聞いた。
「2月1日に戸部警察署の担当と現地へ行ったら、早々に1軒が撤去されていました。その後1週間、毎日午後4時ぐらいに見回りに行きましたが、営業しているお店はありませんでしたね。現在(2月9日)把握しているだけでも6軒の撤去が進み、残りの店舗からもこれから撤去する、という連絡をもらっています」と浅野さん。
2月5日夜のおでん屋台の様子
が、2~3軒の屋台のご店主とはやり取りができておらず、これからどうするつもりなのか分からない店もあるのだそう。もしいつまでも撤去がされない場合は、行政代執行になる。
「2010(平成22)年におでん屋台のご店主全員から誓約書を提出されているため、私どもでは自主撤去してくれるという認識でいます。万が一撤去されなかった場合は代執行になりますが、それは無いと信じています」とのこと。
この看板は撤去しないのかな?
現地での聞き込みで、ご店主は高齢のため誓約書を理解できなかった、という話を聞いた。
浅野さんに誓約書の現物を見せてもらったところ、林文子市長に宛て“平成28年1月31日までに営業を廃止し、自主撤去する。撤去費用は市に補償を求めない”という旨が簡潔に書かれていたため、理解できなかったとは考えにくい。
2月9日
では、何故未だに自主撤去に納得していない店主がいるのか。そもそも、この誓約書はご店主全員の同意のもと提出したのか、という疑問が残る。個人情報のため伏せられていたが、誓約書には店主全員の住所と許可名義が記入されている欄があり、行政はその部分から全員同意している、と認識しているらしい。
冒頭でお伝えした「屋台の一部を修繕すれば営業許可が出る」という話に関しては「営業許可書については生活衛生課に聞いてほしい」とのコメント。
5軒ほど残っている
「前回もお話した通り、横浜では屋台は移動しながらの営業しか認められていません。1つの店舗が同じ場所で営業し、道路を占用する場合、道路占用許可証が必要です。おでん屋台には占用許可を出せず、屋台として移動ができないため違法です。西土木事務所では道路の正しい使い方を指導しました」と、以前から変わらぬ姿勢の浅野さん。
屋台跡からはなぜか水が沸いていた
西土木事務所の認識としては、誓約書も出されてるし、屋台側も納得したうえで退去が始まっている、とのことだった。