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最近横浜市内でもミニブリュワリーが増えています。それぞれのこだわりと特徴を知りたい/緑区にTDM 1874 Breweryというビール醸造所ができるらしい(ぽんた21さん、くらんす@呼び捨て希望!さん

はまれぽ調査結果!

金沢文庫の「南横浜ビール研究所」と、十日市場の2017年1月末ごろから自家製クラフトビールを提供予定の「TDM 1874 Brewery」を紹介

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2016年12月23日

ライター:大和田 敏子

地ビールとクラフトビール

何を隠そう、いや全く隠していないけれど、大のビール好きだ。横浜市内にマイクロブルワリー(小規模なビール醸造所)が増えているという投稿を見逃すわけにはいかない。さあ、すぐにビールを飲みに行こう!

「いや、その前にマイクロブルワリーのことをきちんと調べてくださいね」と編集部・松山から厳しい指摘が。

 

かなりビールマニアの松山。その辺、チャチャッと教えてくれたらいいのに

 
アメリカのビール醸造者で作る協会「ブルワーズ・アソシエーション」によると「マイクロブルワリー」の規模には、明確な基準はないようだ。

ちなみに日本では、1994(平成6)年に酒税法が改正され、免許取得後1年間に作るお酒の最低製造量が年間60キロリットル以上であれば、「酒類製造免許」を受けられることになった。そのため、より小規模醸造が認められるようになったことで、各地にマイクロブルワリーができたという。

当時は、「地ビール」と呼び、ブームにもなったが、製法が未熟なブルワリーも多く、ブームは一時的なものに終わったようだ。
 


美味しいビールのことを考えながら、さらに調べてみた!

 
現在では、一般的に、マイクロブルワリーで製造される、ブルワー(醸造士)が丹精込めて作ったビールをクラフトビールと呼ぶが、これには「伝統的であること」という条件があるらしい。

1516年にドイツで制定された「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という「ビール純粋令」によると、「伝統的」であるには基本的に、この材料や製法で作る必要があるという。
 


2016年はビール純粋令から500年の記念すべき年!

 
日本の大手メーカーが製造しているビールのほとんどは、「ピルスナー」という種類のビールだそうだが、クラフトビールには、ペールエール、ヴァイツェン、IPA、スタウトなど、たくさんの種類があるらしい。これは楽しみだ!



金沢文庫の駅近く「南横浜ビール研究所」

まず、向かったのは「南横浜ビール研究所」。京急線金沢文庫から歩いて2分ほど。
 


「BEER LABO」が目印の「南横浜ビール研究所」


研究所? ・・・難しい話をする先生の登場か!?

 
ちょっと緊張しながら、店の中に入ると・・・
 


ガラス越しに醸造所が見える


矢印にしたがって・・・


BEER BARのある2階へ

 
「南横浜ビール研究所」所長で、醸造責任者の荒井昭一(あらい・しょういち)さんに、話を伺った。
 


話してみると、かなり研究者っぽい荒井さん!

 
「突然、オーナーから一緒にビールを作らないかと持ちかけられたんです」と、南横浜ビール研究所誕生のきっかけを振り返る。オーナーの高橋慎太郎(たかはし・しんたろう)さんは、金沢高校時代の同級生。当時は親交がなかったが、同じく金沢文庫で高橋さんが営む焼き鳥屋さんに足を運ぶようになったことで意気投合。

ビール作りに誘われたのは、荒井さんが、お父さんから引き継いだ、サイクルトレーラーの設計・製造・ネット販売会社を廃業することにしたと打ち明けた直後、2014(平成26)年3月ごろ。
 


「その時まで、ビール作りをしようと考えたこともなかった」と荒井さん

 
けれども、「その場でちょっと考えて、同じ、モノづくりの仕事をしてきたので、たぶんできるんじゃないかなと思って、やってみようと決めました」と荒井さん。

 

「金沢文庫で、13年間、店を繁盛させている彼と一緒なら大丈夫だと」

 
1年かけて会社を閉めながら、独学でビールを勉強。会社を閉めた後、本格的に準備を始めたが、全くコネもないところからの手探りの状態。日本中のブルワーさんに、タダ働きするので修業させてくれないかと電話してみたが、相手にされなかったとか。

そんななか、インターネットで、東京都大田区の「羽田ブルワリー」が、技術面も含めた開業支援をしていることを知り、修業を開始。2016(平成28)年3月18日に醸造免許を取得し、3月20日が初醸造だったという。

 

同年4月13日には、バーもオープン!

 
開店時は、羽田ブルワリーの設備を借りて、ペールエール、ヴァイツェン、IPAなど4種類でスタート。南横浜ビール研究所で初醸造した「ポーター」は、残念ながら、熟成に時間がかかって、オープン時の提供には間に合わなかったそうだ。

 

こちらが仕込みを終わり、現在、飲みごろを待つビール

 
ビールのレシピは最初から自分たちで考え、高橋さんと二人で初テイスティングしたのは、オープン3日前。その時は、さすがにドキドキしたそうだ。

「今から思えば未熟な点もありましたが、店に出せるレベルになっていたので、安心しました」と荒井さんは話す。

 

こちらが醸造施設。1回で仕込める量は150リットル

 
「金沢文庫でやるからには、ビールマニアの人だけでなく、街の皆さんに飲みに来てもらえる店にしなければと思いました。分かりやすく、誰でも楽しめるようなビールを作ろうと」と荒井さん。

 

ビールメニューは自家製5種類+サッポロビール

 
サッポロビールを入れているのは、クラフトビールに興味のない人にも、気楽に飲みに来てほしいから。

メニューをビールのスタイル名にしているのは、ここでクラフトビールを覚えた人にとっては、ほかの店に行った時にも、味をイメージしてもらえるのではと考えたからだという。

 

ビールの味が先にあり、スタイルでいえば何かと判断してメニュー名にしている


オーナーが長年の経験から作った、ビールに合うフードもALL380円


カウンターのほかにテーブル席。これはよくある感じ!?


実家のような和室。意外性がある!

 
できるだけお金をかけず、民家だったもとの空間を生かした店にしたとのことだが、「おばあちゃんの家に来たみたいで落ち着く」とお客さんの評判も上々のようだ。

 

いよいよ、ビールをいただくことに


クリアな「IPA」

 
「ビギナーで醸造技術が優れているわけでもなく、設備も貧弱なので、どう美味しくするかは、かけるべき時間をきちんとかけること」と荒井さん。この透明感の秘密はそこにあるようだ。

 

店の看板ビール、ペールエール(480円)を!

 
爽やかですーっと入ってくる感じで飲みやすい!

「華やかで、はっとしてもらえるような味、どんどん飲み進めてもらえるビールにしました。まずは、最初に飲んでほしい!」という荒井さんの言葉通り、ぐいぐいイケそうなビールだ。

 

つづいて、IPA(580円)を

 
しっかりと柑橘系のホップが薫り、ビールらしい苦みがある。IPAは、本来、アルコール度数が高めで苦みが強いビールだというが、こちらは、そこまで苦みが強くなく、飲みやすい。

 

続いて、ポーター(左/480円)とヴァイツェン(480円)

 
ポーターは、コーヒーのような芳ばしさと甘みが感じられる味。荒井さんによると、麦芽の甘みだとか。ポーターには、「バニラフロート(+100円)」もあるが、それが合いそうな味わいだ。

ヴァイツェンは、苦みが少なく、オレンジの香りが鼻腔に広がるフルーティーな味わい。これなら、ビールの苦手な人でも美味しく飲めるのでは!?
 


ホットポーター(580円)もある。身体が温まりそう

 
醸造の際は、毎回少しずつレシピを変え、データを取りながら、変化させているそうで、まさに「研究所」という感じだ。開店から8ヶ月、醸造したビールは11銘柄にのぼる。

同研究所では定番のほかに限定ビールも提供しているが、次に提供する限定ビールは、これ!
 


と、とりがら?

 
・・・ちょっと目を疑うが、ビールに動物性のアミノ酸を加えて旨みを出す手法はあるそうで、ほかのクラフトビールでも、カツオ節やカキを使用したものがあるとか。

オーナーが焼き鳥屋さんなので、やるなら「鶏」と思ったそうだが、どんな味なんだろう・・・すごくキニナル!

お客さんにも、少し話を伺った。
 


月2~3回は来店しているというモリさん。「特にIPAが好き!」

 
「研究所という店名で、入りにくいように感じるかも知れませんが、一歩足を踏み入れれば、とても居心地の良い空間」とモリさんは話す。オーダーしたおつまみも撮影させてもらった。
 


地元野菜のピクルス(380円)。「このピクルスは、すごくおいしい!」とモリさん

 
荒井さんによると、こちらは酢とビールを半々にして漬け込んでいるとのこと。絶対、ビールに合いそうだ。

「今後は、クラフトビールを知ってもらい、楽しんでもらえるイベントを開催していきたい」と荒井さんは話す。
 


今後のイベントにも期待!

 
次々に、新しいビールに関するアイデアを話してくれる荒井さんに、あらためて、「前職での製造とは全く違いますよね?」と伺ってみる。意外にも「感覚としては、ほとんど同じことをやっている意識」との答え。

「ビール作りは感覚ではなくてロジック。ビールの味を決めるのは設計で、それは実用品を作っているのと変わりなく、理詰めで考えていくことで結果が現れる」と。なるほど、そういうものなのだろうか。しっかり研究成果が現れ、ますます美味しいビールが飲めるようになるのが楽しみだ。
 
 
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