ランドマークとクイーンズのショップとオフィス、2つのホテル、日本丸メモリアルパーク、そしてコスモワールドの一部（観覧車側は新港2丁目）しかないみなとみらい2丁目。

にも関わらず、過去には最多で41人もの人口があったことが市の統計ポータルサイトでわかった。
そもそも人口とは、住民票の人数と外国人登録者数を足したもの。このみなとみらい2丁目に住んでいると言う人がこれだけいたということだ。

でも住民票は、実は極端に言うと、住める可能性がある所として各市町村が認めていれば、どんな住所を書いても違法ではないことが前編の調査でわかった。
（みなとみらい2丁目はどこにどんな人が住んでいるの？【前編】）
オフィスが居住地だと言っても構わないし、書いた場所に住んでいなくたって別に構わないのだ。

ずっと以前から、常に誰かが住んでいることになっているみなとみらい2丁目。
ホテルもあるし、外国人登録者がいる可能性はあるだろう。でもその数が41人にもなるだろうか。
他の可能性はないのか、本当に住める場所はないのか、現地を歩いて考えてみた。



人が住む可能性をとことん想像してみる

さっそく、このエリアをしらみつぶしにあたってみよう。
ミッション質問は「みなとみらい2丁目に人が住んでいる気配はありますか？」だ。
クイーンズタワーのオフィス数はABC合わせて155社。ランドマークタワーには255社入っている。
　

ランドマークにいたっては255社も入っている

ランドマークタワーと、クイーンズタワーの大半を管理する三菱地所マネジメントに電話をして聞いてみたが、「シャッターは夜10時に閉まり、そのあとはセキュリティカードを持った人だけ出入りできる」システムだそうだ。

誰かが居住地にしている可能性は？と聞くと「ないはずですが、こちらが関与することではないので」と、もっともな答え。
佐川急便の営業所にも聞いてみた。担当ドライバーにまで確認してもらえた。
「住んでいる人がいると感じたことはありません。個人名が宛先の場合は、会社に確認しています」とのことだ。

2丁目内のホテルは2軒。
パンパシフィック横浜ベイホテル東急の回答は「何年も住んでいるという人はいませんが、その他長期滞在をしている人がいるかは答えられません」。
ロイヤルパークホテル横浜の回答は「長期滞在の外国人は、いらしたとしても長くて1ヶ月です。また、当社ではリブインの従業員はいません」だ。リブインとは、住み込みのスタッフのことらしい。

みなとみらい2丁目の郵便局の配達担当支店が言うには「ホテルの部屋番号宛ての郵便があることもありますよ。いなくなればホテルから郵便物が戻されます」とのことだ。
でも、そんなケースが1ヶ月に最大30世帯もあったとはどうしても思いづらい。
　

コスモワールドの住所は新港だが、行政区域的にはこの部分だけみなとみらいだ

コスモワールドはどうだろう。
行ったことがある人はわかると思うが、遊具があるだけでとても人が住んでいるとは思えない。

残すところ、日本丸メモリアルパークだけ―――。
　

可能性はあと、公園のような日本丸メモリアルパークだけ……だが

時間が止まったようなタワー棟

日本丸メモリアルパークには結構施設が多い。
　

訓練センター（会議室）と横浜みなと博物館、ツインになったタワーが二つある

タワーは、渡り廊下でつながっている海側のC・D棟と、陸側・クイーンズ前のA・B棟の計4本だ。
よく見ると縞々のビルは、どれも6階もあったんだ…。
　

海側の展望棟2つは、いつでも上に上がれる。左がC棟、右がD棟