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横須賀の防衛大学校。訓練として、遠泳、実弾射撃などもやってるそうで、普通の「大学」とは別世界な印象。実態が分からないので、ぜひ取材を(タロー先生さん)

はまれぽ調査結果

防衛大学校の学生は入校と同時に学生舎とよばれる寮で共同生活を行う。団体行動を経験しながら規律や秩序を身につけ、人間性を磨いている

ライター:やまだ ひさえ (2017年08月07日)

「実態がよく分からない」、横須賀市にある防衛大学校。第1回の前編は防大の歴史と一般人が参加可能な見学ツアーの様子をお届けした。

第2回の中編は、普段は決して公開されない、防大の授業や学生舎の様子を紹介する。
 


防衛大学校・本部庁舎
 

1955(昭和30)年4月、久里浜にあった仮校舎から移転。60年以上もこの地で多くの学生を受け入れてきた。
 


昭和30年代の校内の様子(『新横須賀市史別版軍事』より)
 

防大では一般の大学でいう「学部」は、「人文・社会科学専攻」3学科と「理工学専攻」11学科に分かれている。受験資格は日本国籍を有し、入校する年の4月1日現在で18歳から21歳未満であることが条件。このほか身長制限があり、男性は155cm、女性は150cm以上と決められている。

知人の高校教師の話によると、いわゆる「偏差値」は地方の国立大学レベルで、「人文・社会科学専攻」が若干難しいだそうだ。学生数は1学年480名。1992(平成4)年の第40期生では、初めて女性が入校した。
 


授業や訓練内容での男女の差はない
 

学生は入校と同時に特別職の国家公務員という身分になり、入学金も授業料もかからない。さらに毎月「学生手当」が支給される。

給付される金額は、2017(平成29)年4月時点で月額11万3300円。さらに「期末手当」が年に2回、合わせて37万円ほど支給される。全員が「学生舎」と呼ばれる寮で生活し、制服などの衣服、寝具などが貸与される。

校内では貸与された制服を着用することになっている。
 


冬の常装(防大HPより)
 

腰丈の短めの上着が防大の制服の特徴だが、冬服は旧日本軍の海軍兵学校のものをモデルにしているといわれている。
 


海軍兵学校の制服(Wikipediaより)
 


色違い、真っ白な夏の常装もある(防大HPより)
 

女子生徒には、スカートだけでなくズボンも貸与される。そのほか、夏用の半袖の常装、校内服、作業服など授業内容に合わせて着用できるようになっている。
 


半袖の夏の常装
 

驚いたことにどの学生の夏服も真っ白だった。シミなどの汚れは一切見当たらない。

貸与されたものだけで大丈夫なのかと聞いてみたら、自費での購入も可能とのことだった。きれいな制服を保つのも教育の一環なのだろう。
 


校内用の服装
 


実験や訓練などの際、着用する作業服
 

防大生は2学年進級時、「要員配分」といって本人の希望、適正、成績などをもとに陸・海・空の任官先を決め、訓練を積んでいくが、卒業後、すぐに幹部自衛官として任務に就けるわけではない。

卒業時、陸・海・空各自衛隊の曹長(そうちょう)に任命されたのち、それぞれの幹部候補生学校でさらなる専門教育を受けなければならない。また、全員が自衛官を希望するわけでなく、2016年度は32名の学生が任官しなかった。



防大生の1日

防大では、留学生を含め約2000人の学生が、第1大隊から第4大隊に編成され、大隊ごとに学生舎で生活している。
 


4棟の学生舎が並んでいる
 

学生舎の横には「建学の碑」が建っている
 

1つの大隊は、学年、国籍、陸・海・空の要員が分け隔てなく編成されている。大隊には留学生もいるが、同じ国の学生が全て同じ隊に編成されるわけでない。

今回は4大隊あるうちの1つ、第2大隊の学生舎を見学させていただいた。
 


第二大隊の学生舎
 

大隊にはそれぞれシンボルとカラーがある。案内してもらった第二大隊のシンボルは「獅子」、カラーは青だ。

なお、第一大隊のシンボルは「龍」、カラーは赤だ。第三大隊のシンボルは空想上の動物「ペガサス」と「ユニコーン」を掛け合わせた「ペガコーン」、カラーは緑。第四大隊のシンボルは鳥の王者・ワシであり、カラーは太陽をイメージしたオレンジになっている。
 


各学生舎にシンボルが描かれている
 

また、防大では4月のカッター(手こぎの救難艇)競技会、9月の水泳競技会、11月の開校記念祭で行われる棒倒しなど、大隊対抗の競技会が年間を通して行われる。

それぞれの競技会を通じ、年間で最も優秀な成績を収めた大隊の学生舎には1年間「体力優秀大隊」の看板が掲げられる。
 


大隊一丸となって得た栄誉だ
 

競技は男女合同で行われるものも多く、体力で勝る男子学生が女子学生をいかにサポートするかなどといった作戦も勝利のカギになる。それを話し合って決めることも勉強の一環とのことだ。
 


チームワークで勝利した証しでもある
 

続いて学生舎内へ。居住スペースは、自習室と寝室の2部屋がセット。通常、8人ほどで使っている。
 


自習室、寝室、自習室という順に部屋が並んでいる
 

自習室の席割りは決められていて、机と椅子、本棚が左右に壁にそって4~5セット並んでいて、パーティションで区切られている。
 


自習室の内部
 


留学生も一緒の部屋だ
 

2017(平成29)年4月時点で約110人の留学生が在籍しているが、彼らはそれぞれの国内で厳しい選考を突破してきた学生たちだ。

防大の授業は基本的に日本語で行われるため、日本語を習得しなければならない。ほとんどの留学生は来日後の1年間は「日本語研修生」と呼ばれ、日本語の習得に努めている。
 


こちらが寝室。ベッド、クローゼットがある
 

防大の朝は早い。午前6時、起床ラッパの音で一斉起床。5分以内に寝具を片付け、身支度を整えたうえで、学生舎の前に整列しなければならない。

ベッドを整えてから、着替えを済ませ、整列まで2分、というのが一般的な学生の行動スピードとのことだ。
 


整理整頓も訓練の一環
 

防大生の約1割が女性で女性専用の学生舎はない。男子学生と同じ学生舎で寝起きしているが、部屋は別々。
 


パーティションの向こうが女子学生エリア
 

学生舎内には、生活に必要な設備も整っている。
 


IHヒーター、冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースターなどがある
 

洗濯室には大量の洗濯機と乾燥機
 

私物倉庫は帰省時に使うトランクなど、普段使わないものを保管している
 


2000人が一斉に「訓練」?・・・キニナル続きは次のページ≫
 

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