伊勢佐木町が大プッシュ! 「ヨコハマメリー」から11年、『禅と骨』公開中!
ココがキニナル!
「ヨコハマメリー」の中村高寛監督が11年ぶりに新作映画「禅と骨」を公開! 横浜愛あふれる監督に徹底取材!(はまれぽ編集部)
はまれぽ調査結果!
横浜の近現代史を多彩に表現! ウエンツ瑛士をはじめ永瀬正敏ら豪華役者に愛されるまっすぐキャラの監督でした!
ライター:大和田 敏子
横浜の伝説の娼婦メリーさんを追ったドキュメンタリー映画『ヨコハマメリー』から11年。同映画の中村高寛(なかむら・たかゆき)監督、新作映画『禅と骨』が、2017(平成29)年9月2日(土)公開初日を迎えた。
8年の年月をかけた長編ドキュメンタリー映画だ!
『禅と骨』は、アメリカ人の父と新橋の芸者だった母の間に生まれたへンリ・ミトワ氏を追ったドキュメンタリー映画。第2次世界大戦を挟んで、母国と祖国のはざまで翻弄され、その後、京都・天龍寺の禅僧となったヘンリさん。
晩年は童謡『赤い靴』の映画化に情熱を傾けた人でもあった。その人生をドラマ、アニメなどさまざまな手法も交えて描いている。
豪華俳優陣も登場の舞台挨拶。笑いと感動に包まれて
中村監督にとって縁の深い「横浜ニューテアトル」で初日舞台挨拶が行われた。
ニューテアトルは、デビュー作『ヨコハマメリー』が公開された映画館
舞台挨拶が行われたのは、当日2回目の上映終了後。
映画の余韻冷めやらぬ観客の前に、中村監督と出演者が登場!
豪華俳優陣の登場に観客がわく
写真左から中村監督、余貴美子(よ・きみこ)さん、ウエンツ瑛士(えいじ)さん、佐野史郎(さの・しろう)さん、チャド・マレーンさん。
「11年前、『ヨコハマメリー』をこの映画館で公開してもらい監督デビューしました。その後、支配人が『第2作も必ずウチでやるから』と待ち続けてくれた。途中で諦めず、ずっとそう言い続けて期待してもらっていたので、ここで初日を迎えられてホントに光栄です」と中村監督。
公開初日を迎えられた感慨と感謝の気持ちを語る中村監督
俳優陣は、『禅と骨』のドラマパートを演じた方々。実は、撮影は2年以上前に行われていたそうで、それぞれに公開を迎えることができた安堵感と喜びを口にされていた。
中村監督からの熱いアプローチを受けて、ヘンリ・ミトワ氏の青年時代を演じたウエンツさんは、「監督は愛されキャラですごく柔らかい感じの人なのに、撮影でOKと言ったとき、目が笑ってない」と監督の厳しい一面を披露。
役を演じる中で感じてきた想いも語った
「ヘンリさんと自身の境遇を重ねる部分もありました。ヘンリさんのような方々がいて、そういう積み重ねの中で、僕が今、こうして仕事をさせてもらえているのかなと思います」
ヘンリさんのお母さん役だった余さんは・・・
撮影の時のウエンツさんの印象を話す余さん
「ウエンツさんがもう、もうメチャクチャかわいくて、どうしましょと思ってしまいました。でも、英語しゃべれないんだって思って・・・」と余さんが言うと、ウエンツさんが、数ページにもわたる英語のセリフを一生懸命覚えて演じたシーンが大幅にカットされたことが話題に。
「英語監修の方に来てもらっていたんですが、ウエンツさんの英語は完璧だと言っていました」と監督が言えば、「そう言ったら、僕が納得すると思ってますよね」とウエンツさんが反撃する場面もあり、観客の笑いを誘っていた。
映画の奥深さを語る佐野さん
「いろいろなことを考えさせてくれる映画だと思います。時間を置いてもう1回観ると、また違った見方ができる。ぜひ何度も観てほしいですね」と語った。
監督と出演者のやりとりに、和やかな撮影風景が浮かんでく
映画は2時間7分の長編。さらに、実は2時間32分のロングバージョンもあるという。「大ヒットしたら、ロングバージョンも上映できるかも知れないので、よろしくお願いします」と出演者それぞれから観客への熱いメッセージが伝えられる。
「僕の英語シーンも、もっと使われてますよね」とウエンツさんが付け加えて、さらに笑いを誘っていた。
舞台挨拶の最後には、観客のための撮影タイムが設けられた。
撮影タイムが始まると、多くの観客が一斉にスマホで撮影
「皆さん、ぜひ、SNSなどで広めてくださいね!」と司会者から声がかかり、楽しかった15分あまりの舞台挨拶が終了した。
『禅と骨』を観た方々の感想は?
舞台挨拶終了後、お客さんに映画の感想を少し伺ってみた。
映画と舞台挨拶を観終わった方々があふれる映画館前
「ヘンリさんは破天荒で、圧倒的な存在感があった」
一方で「お母さんや家族への想いが伝わってきて、とても深い映画だと思いました」と話してくれた。
『ヨコハマメリー』以来、次回作を楽しみにしていたという方
「期待通りの興味深い映画。中村監督のドラマパートは初めて観ましたが、カメラワークも素晴らしかったですね」と。
「いくらお坊さんでも、人は人間っぽく死んでいく」
「人間らしさが伝わってくる、憎しみの中に家族愛が感じられる映画でした」と話してくれた。
それぞれの感想を伺い、映画『禅と骨』への興味がさらに高まった。