成人式当日に「晴れ着がない!」問題の業者を直撃
ココがキニナル!
振り袖業者「はれのひ」。行方知れずのようですがはまれぽで徹底追求して欲しいです。(ちゃたろうさん/hiro1500cさん/baybridgeさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
みなとみらいの店舗は休業状態で、事務所にも人影はなし。はまれぽでは被害者や関係者の情報を募集中
ライター:はまれぽ編集部
問題の業者を直撃
成人式の晴れ舞台の当日に、突如着物レンタル・販売会社が現れず、晴れ着を着ることができない人が続出したという今回の事件。
この会社が店舗を経営していたのは横浜市や東京都八王子市、茨城県つくば市、福岡県福岡市と全国に及び、本社の置かれた横浜が震源地となって話題が広がっている。
被害者らが立ち上がった「はれのひ株式会社被害者の会」には成人式翌日の2018(平成30)年1月9日時点で27人から連絡が寄せられるなど、被害の全容はまだ明らかになっていない。
一生に一度のその日を台無しにしてしまった振り袖業者「はれのひ」。はまれぽでは成人式翌日の混乱の状況や今後の対応、そして問題視されている同社の行方を追った。
まず訪れたのは、「はれのひ」の事務所が入居しているという桜木町のビル。同社が入居している階へ向かうと、確かに看板が確認できた。
フォトスタジオが併設しているようだ
事務所の呼び鈴を何度か鳴らすが、扉は固く閉ざされたまま、呼び出し音が聞こえるだけで人の気配はない。ビルの管理者に取材を申し込んだが、現在はすべての問い合わせに応えていないそうだ。
入居するテナント関係者によれば、ここ数日は従業員がおらず、ビル側が警察や弁護士に相談する可能性もあるとのこと。
「はれのひ」が入居するビル
経営状態の悪化は以前から懸念されていたが、「かきいれどき」である成人の日以降、事業の継続に向けて相談する予定だったようだ。
実際にはその成人の日を迎えることなく、業者は行方をくらませてしまった。反物にはさみを入れる関係上、着物の購入やレンタルは前払いが基本だという。「はれのひ」では年明けまで「前撮り撮影」を行っていたそうで、閉店が計画的ならば悪質と言わざるを得ないだろう。
ビルの周辺には報道機関の姿も多かった
「今回の事件には怒りしか覚えません。前撮りの写真もちゃんと手元に届くのか」。みなとみらいの呉服店に勤める女性に今回の事件の印象をうかがうと、「はれのひ」の対応に対して憤りを露にした。
同店では呉服の販売のみを行っているためレンタル着物の提供はしていないが、知人の同業者は被害者のために代わりの着物を提供していたという。女性は「今回のことで着物を嫌いになってしまったら悲しい。被害に遭った方は来年の式典に参加できるようにするなど、何か救済措置を用意してほしい」とも話してくれた。
着付けが行われる予定だったホテル。当日は混乱もあった
みなとみらいの商業施設「コレットマーレ」にある「はれのひ横浜みなとみらい店」には、都合により休業するとの案内があるだけで、店内は暗く中の様子はうかがえない。コレットマーレでは担当者がおらず写真撮影も含めて取材には応じられないとのことで、詳しい話は聞くことができなかった。
関係者によれば、店舗は2018(平成30年)1月6日の土曜日まで営業し、7日の日曜日以降は開店していない。店舗まで着物を受け取りに来た方もいるなど、混乱した様子だったようだ。
店舗が入るコレットマーレ
市の対応は
横浜市経済局は今回のトラブルを受けて、1月9日の午後1時に横浜市消費生活総合センターに特別相談窓口を開設。通常、相談は予約制だが、特別窓口では平日は午前9時~午後6時、土日は午前9時~午後4時45分まで、予約なしで相談を受け付ける。
市の対応にも期待したい
同センターは祝日は稼働しておらず、成人式当日の状況は把握してないが、翌日の9日の午後2時時点で62件の相談があったという。
山口敏子経済課長は「相談の多くは、『来年の成人式で晴れ着を予約している』というもの。多くの方がクレジットカードで支払いをしているので、カード会社に連絡して差し止めを行うよう助言しています」と話してくれた。
来年の寿(ことほ)ぎにも影響が及ぶ
すでに被害に遭った人などへの対応については「現在、どのような対応ができるかを考えているところ」とのことだ。被害者数の全体像はまだ見えておらず、警察の捜査も含めて今後の推移を見守る必要があるようだ。
社長の行方は
全国展開する「はれのひ」。はまれぽでは横浜以外の店舗と取引があった関係者にお話をうかがうことができた。
「社長は『一件もクレームを出してはいけない』が口癖。2017(平成29)年当時は現場や打ち合わせに必ず出席をしていました」と話してくれた。
関係者への支払いが大幅に遅れるなど、問題が生じたため契約を解除。現在は連絡などはとっていないという。
このような騒ぎを引き起こした社長は、いまどこにいるのか。
面識のある関係者いわく、「2017(平成29)年12月ごろまでは話し合いなどに顔を出していたが、年明け以降は連絡がつかない。携帯電話も呼び出し音は鳴るが、留守電もなく折り返しがない」という状況とのこと。
自宅住所はみなとみらい
社長宅の住所とされるマンションには報道関係者らしき姿も見られたが、警備員が常駐する集合住宅で、自宅への取材はできていないようだった。
取材を終えて
「前代未聞」ともいうべき今回の問題。成人式当日の「失踪」が故意ならば悪質であり、被害者の心中を察すると、「どうにかして事態が回避できなかったのか」という思いが消えない。
はまれぽでは今後も「はれのひ」の問題について取材し、被害者の声や同社の責任について追及していく。
当日、被害に遭われた方や、関係者の方がいらっしゃれば、はまれぽ.comまで情報をご提供ください。
秘密は厳守いたします。
―終わり―
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しげ丸さん
2018年01月13日 15時11分
みなとみらい、家からめちゃくちゃ近い。まさか、家の近くでこんな大事な日に、凄惨なことがあった何て、唖然としました。大変だと思うけど、参加できなかった女性のために、参加できた人も含めて、何日かに日程を分けて、成人式をやった方がいいと思う。その中で、働いている人がいたら、代わりの成人式の日については、仕事を休ませるべきだと思う。
幸人さん
2018年01月09日 19時58分
素晴らしい取材記事です。社長が雲隠れし全容解明にまだ時間がかかりそうですが、今後の追加取材などにも期待しています。八王子や福岡などにも支店があるとは言え、本社も本店もみなとみらいにあり横浜を中心とした事件ですよね。福岡では社長や幹部に連絡が付かないながら店員らが独自の判断で実質ボランティア対応、八王子市は成人式の会場に特設エリアを設け晴れ着ボランティアや美容師など協力者を集い対応したそうです。それに比べると横浜市は午前の部に間に合わない新成人を午後の部に回すなどしたそうですが、少し対応が遅いような気がします。また、数日前には成人式の対応を取りやめるという社内通達があったという話もあり、新成人にとって一生に一度の晴れ舞台と分かっていながら、当日までこの事態を隠し逃げたのは計画的でとても悪質です。数日前に明るみになっていればまだ救いがあったように思い、とても残念です。