鶴見川の土手がスパイシーな香り? 都筑区にある「マスコット」ってどんな工場?
ココがキニナル!
鴨居駅より鶴見川上流にある「mascot」という工場が気になります。鶴見川の土手がスパイシーな香り…どんなスパイスを加工しているの?販売先は?(白マントさん/ナチュラルマンさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
130種以上のスパイスを充填する工場。20年前はスパイスの粉砕工程も行っており鴨居駅まで匂いがした。人気商品はカレーペーストの「印度の味」
ライター:はまれぽ編集部
「鶴見川の土手からスパイシーな香りがする」という投稿が寄せられた。どうやら、鶴見川沿いに「mascot」という名のスパイス工場があるらしい。
その工場は横浜線の車窓からも見えるそうだが、一般向けに工場見学などは行っていないため、実際にどんな製造が行われているのかは知られていないようだ。
そこで今回は、特別に工場内の様子を見学させていただけることとなった。いったいどんなスパイスを加工しているのだろうか?
ヤスマ株式会社
JR鴨居駅南口から徒歩10分ほど鶴見川沿いを歩いた先に工場はある。
大きく書かれた「mascot」が目印
取材日は風が強いせいもあってか、投稿にあったようなスパイシーな香りはほとんどしない。
よく見ると、入り口には「ヤスマ株式会社 横浜工場」とある
扉を開けると、カレーのようなスパイシーな香りがしてきた。
「当社は1985(昭和60)年に『マスコットフーズ株式会社』として設立し、スパイスやハーブ専門の製造・販売を行っているメーカーです。『mascot(以下、マスコット)はブランド名で、1988(昭和63)年に社名を『ヤスマ株式会社』へ変更しております」。
そう話してくれたのは、こちらの工場に30年以上勤めている工場長代行の境野富夫(さかいの・とみお)さん。
境野さんは「私はいいので商品をたくさん撮影してください(笑)」と手だけの出演
マスコットの横浜工場ができたのは1974(昭和49)年。実に44年間、この地でスパイスを作り続けているのだ。
“家庭に本物の香りを届けたい”という思いから、当時では珍しかった小瓶入りのスパイスの販売をスタート。業界の先駆者として長く愛されている商品も少なくない。
発売から30年を迎える「印度の味(702円/税込み・以下同)」
マスコットの商品は、成城石井や紀ノ国屋、デパートの食品売場など、少々高級なスーパーマーケットで販売をしているという。
最近だとコストコにも卸しているそうだ
また、誰もが知っているような外食チェーン店にも卸しているそうなので、気付かぬうちに口にしているかもしれない。
鴨居駅まで匂いが漂っていた!?
スパイスと一口に言っても、日常的に目にするブラックペッパーやバジルをはじめ、ガラムマサラなど本格的なカレーのスパイスもある。マスコットでは130種以上のスパイスを製造しており、働いている人もどうやって調理するのか分からないプロ仕様のスパイスまであるという。
コストコに出荷している業務用パセリ(グラニュール:粗粒)(438円)
「1987(昭和62)年に静岡工場ができるまでは、横浜工場でスパイスの粉砕を行っており、鴨居駅まで匂いがしていました。昔は手が赤や黄色に染まって、お風呂に入っても匂いが取れないほどでしたよ。今は静岡工場で粉砕したスパイスを充填(じゅうてん)する工程を中心に行っているので、ほんのり香るくらいだと思います。近隣の方から匂いについてのお問い合わせはほとんどありません」と境野さん。
工場が稼動するのは、午前9時~午後5時ごろまで。1日に6~7種類のスパイスを充填し、種類を変えるたびに工場内を清掃するという。また、香りがうつらないよう、朝は色と匂いが薄いスパイスを、夜は色と匂いが濃いスパイスを扱っているそうだ。
工場にはシャワー室も用意されているので、匂いが気になる工場スタッフの方はシャワーを浴びて帰宅するのだとか。
それでは、実際に作業の様子を見せていただこう!