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舞岡公園の乾燥しいたけから高い放射線量が出た経緯は?

ココがキニナル!

横浜市は舞岡公園で栽培、加工された乾燥シイタケから、国の暫定基準値を上回るセシウムを、3月と10月の収穫分から検出したそうですが、どういう経緯で検査することになったのですか?(はてな?さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

まず市民団体が10月分の検査をした後、収穫期で分けていた3月分を検査。3月分は市を含め3通りの結果が出たが、突出して高い数値が記者発表された。

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ライター:吉岡 まちこ

舞岡公園ってどんなところ?



戸塚区の舞岡公園は、港南区と栄区と戸塚区のちょうど接点あたりにある。自然の地形を生かし、昔ながらの田園風景が残された公園だ。
市民団体が田畑を耕し農作物を育て、林を手入れし、里山のあるべき姿を目指し実績を積み重ねてきた。
 


郷愁を感じる風景が広がる舞岡公園


横浜市は、公園内の全域または特定エリアを民間に委託する指定管理者システムを採っている。

舞岡公園の、農体験区域の指定管理者は「舞岡公園田園・小谷戸(こやと)の里管理運営委員会」(以下、「会」と呼びます)。登録ボランティア約500名を抱える市民団体だ。
まず、ことの経緯をうかがいに行った。
 


指定管理者、通称「小谷戸の里」の事務所




市民団体の「会」が先に測った。まず経緯を確認。



早速本題に入ろう。
小谷戸の里のしいたけは、原木栽培といって丸太に菌を植え付けて育てる方法で作っている。原木栽培の場合、収穫は春と秋の2回。収穫した後は天日乾燥し、その回ごとに袋に詰めて保管しているそうだ。
作ったしいたけは、園内で作った野菜と炊き出し等に使われ、ボランティアが食べている。

今回ニュースになるまでの流れを大ざっぱに言うと、最初市民団体の「会」サイドが独自で10月収穫分の乾燥シイタケを検査し、検査結果を受けた横浜市が10月収穫分と、そのついでに3月収穫分を測ってみたら、3月収穫分に極端に高い数値が出た。
市はその数値を記者発表したが、その6、7分の1にしかならない値も、実は同じ3月収穫分から出ていた。

そして、3月収穫分2.6kgのうち1.8kgは、すでに延べ800人近い会員が、公園内の農作業のあとに行なわれる炊き出しで食べてしまっていた、というものだ。

公園を管理する横浜市環境創造局HPに掲載がある。
●記者発表については、TOP→新着一覧→11/4の記事(PDFファイル)
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/images/111104-2-1.pdf
●経緯と追加測定結果についての続報は、TOP→新着一覧→11/8の記事
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/park/shiitake1107.html

続報の中で、数値の経緯をまとめた表がこれだ。
 


※わかりやすくするために、市民団体の「会」サイドで測った箇所は黄色に着色


「会」と、市の環境創造局と健康福祉局から聞いた話をもとに、もう少し詳しく時系列を追って見てみよう。

11月1
■「会」が、11月23日開催の収穫祭の使用に問題がないか調べるため、乾燥しいたけ【10月中旬収穫分】を独自に検査。検査機関は、鶴見区にある民間の検査機関(株)同位体研究所。
結果:セシウム134+セシウム137の合計(以下「セシウム」と表記)  1,181ベクレル/kg
国が定める食品の暫定基準値500ベクレルを上回っていたため市に報告(11月2日AM8:30送付)

11月3
■市は、同じ袋にあった残りの乾燥しいたけ【10月中旬収穫分】を検査。検査機関は横浜市衛生研究所。
結果:セシウム  995ベクレル/kg
■併せて、「会」に残っていた【3月下旬収穫分】も市が持ち帰り検査。
結果:セシウム  2,770ベクレル/kg
■併行し、「会」側でも【3月下旬収穫分】を民間の同位体研究所で検査。
結果:セシウム  290ベクレル/kg

11月4
■「会」は、AM8:30、【3月収穫分】の検査結果290ベクレルを市にファックスで報告。
■市は午後、【10月収穫分】の結果995ベクレルと、【3月収穫分】の2,770ベクレルを記者発表。
■市は午後、「会」の結果が290ベクレルだった【3月収穫分】検体とまったく同じ袋にあった【3月下旬収穫分】を再検査。
結果:セシウム  393ベクレル/kg