検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

シベリアという名前の菓子パンはどこで買える?

ココがキニナル!

羊羹をカステラで挟んだご当地の菓子パンがあると聞きました。たしか、シベリアという名前でした。近所のパン屋さんでは見つからなかったので、どこで買えるのか調査してほしいです。(ハマーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

桜木町の「コティベーカリー」で1個330円で購入できる!他、山崎製パン『シベリアデラックス』がスーパーなどで売られている。

  • LINE
  • はてな

ライター:松野 孝司

“幻のパン”シベリアは、桜木町にあった!



羊羹をカステラで挟んだ菓子パン――。
平成生まれにとっては想像できないと思うが、この「シベリア」と呼ばれる菓子パンは、今から30~40年前なら、東京近郊のパン屋では「甘食」と並んでごく普通に売られていた。記者が住んでいた山梨の片田舎の古いパン屋にあったことを記憶しているが、ここ最近では都内でもすっかり見かけなくなった。

そんな“幻の菓子パン”シベリアが横浜にあるという。知人のスイーツライターに尋ねてみると、桜木町にある「コティベーカリー」で売られているという。そこでさっそく取材を申し込むと、ご主人の馬中俊夫さんが快く引き受けてくれた。
同店は1916年(大正5年)創業以来シベリアを作り続け、馬中さんは三代目になる。
 


大正時代から続くお店。「シベリア」は創業以来の名物
 

ご主人の馬中俊夫さんと奥さんが二人三脚で三代続いた味を守っている


「シベリアが誕生したのは、明治後半から大正初期頃と聞いています。パン焼きがまの余熱を利用して焼いたカステラと、あんぱんに使うあんを使って作ったようです。当時の東京近郊のパン屋では、どの店でも作られていました。」

シベリアは羊羹などの甘味をカステラでサンドイッチしたものだが、店舗によって形や挟むものが異なる。羊羹の代わりに小倉あんやうぐいすあん、さらにジャムを使っているケースもあるという。同店では羊羹は羊羹でも水羊羹を使用。これも初代から代々受け継がれてきたという。
 


「シベリア」は同店の一番人気。その隣にあるのは「甘食」


「形状も三角がオーソドックスですが、山崎製パンが販売している『シベリアデラックス』のように長方形をしているお店もあります」

尚、『シベリアデラックス』はスーパーなど各店舗の発注に応じて店頭に並ぶため、山崎製パンお客様相談室に確認してみるといいだろう。ちなみに中区ではピアゴイセザキ店やイトーヨーカドー本牧店など5店舗ほどのスーパーでほぼ毎日売られているようだ。



謎だらけのシベリア。その語源は?



一説によると明治末から大正初期に東京のパン屋さんが作ったのが、シベリアのはじまりだというのだが、確認できる資料は残っていないそうだ。

誕生した時期も考案者も不明という、まさに謎だらけのシベリア。となると、にわかにキニナルのは「シベリア」の語源だがこれも諸説がありはっきりしない。本当に謎だらけである。
 


ふんわりしっとりしたカステラに水羊羹がサンドされている


語源として有名なのは以下の三つだ。

(1)シベリア鉄道説
ようかん部分が、大雪原を走るシベリア鉄道に見えることから。

(2)地層説
カステラと羊羹がシベリアのツンドラ(永久凍土)の地層に見えることから。

(3)オーバー説
シベリアは極寒の地。そこで羊羹に暖かくカステラのオーバーを着せたイメージから。

これ以外にも「日露戦争に従軍した菓子職人が考案した」「小樽の町で亡命ロシア人が経営していた『シベリア』という喫茶店で売られていた」、さらには「ロシア革命で、神戸に亡命した美しい貴族の姫君が、恋人の亡骸が埋まっているシベリアの凍土を想いながら作った」といった悲恋物語的な説もある。

どうやらロシアとは無縁ではないようだが、ロシアはもちろん外国にもシベリアと同じような菓子は存在しない。それどころか関東以外の地方ではほとんど見かけないという。その点では横浜のご当地菓子パンではないが、関東のご当地菓子パンといえるかもしれない。
 


近くの野毛山動物園の動物たちをモチーフにしたメロンパンも好評