「夢」ある再開発？

土地区画整理事業の具体的なスケジュールは、2016（平成28）から2017年度でエリア内に3か所の調整池と和泉町側の整備に着手。「センター地区」については、事業年度の終盤に工事を行う予定としている。

現在、対象エリアの人口は約23.9ヘクタール内に100人ほどだが、事業が完成すると、約5200人（1ヘクタール当たり217人）になると見込まれている。
　

マップに基づいてスケジュールを説明する青山課長（右）

　
ただ、組合が行うのはあくまで「土地区画整理」。整備された街にどのような施設を建てるのかは、地権者の意向が大きく関係する。

そのため、青山課長は「今は工事に着手したという段階。まちづくりについては、どのようにしたら資産価値の維持向上につながるか、地権者の方々と話し合いを行っていく時期になっている」と説明した。
　

まちづくりには地権者の考えも重要になる

　
開発について、横浜市都市整備局市街地整備部市街地整備推進課の橋詰勝彦（はしづめ・かつひこ）課長は「組合の考えに準拠する」としながらも「補助金を出している立場から、一定のルール内での街づくりが行われるよう指導・調整していく」とした。

住民は？

では、開発について住民は何を期待するのか。ゆめが丘駅周辺できいたところ、異口同音に「この辺は、なにもない」と口をそろえた。

特に20代女性は「スーパーマーケットがないのが本当に不便。隣の、いずみ中央駅にはあるが、そこから買い物をして、歩くにしてもまた電車に乗るにしても1駅あるというのは大変」と訴えた。
　

隣のいずみ中央駅にはスーパーも


タクシー乗り場もある

　
同じく、いずみ中央駅で買い物をしてから電車で再度ゆめが丘駅で降りたという60代女性は「スーパーや映画館などの娯楽施設もいいけど、私たちの年齢になると大きな病院がほしい」と切実な様子。
　

エコバックとリュック、買い物袋を抱えてまた移動、という女性

　
ただ、女性は「どこも再開発が進み、今はどの街並みも同じように感じる。便利になるのはありがたいが、渋滞や、このゆっくりした雰囲気がなくなるのもさみしい気がする」と複雑な表情だった。

取材を終えて

利便性を考えたら、開発というのは自然な流れだろう。ただ、インタビューに答えてくれた女性が言うように、その土地の良さを生かしたまちづくりをしなければ、複雑な思いを抱く人も出てくることも考えられる。

事業は始まったばかりだが、ゆめが丘周辺が、その名の通り「夢」のある街になることを願いつつ、事業の行方についても随時レポートしていく。


―終わり―