環状2号、3号、4号はあるけれど、1号はないの?
ココがキニナル!
横浜には環状2号、3号、4号がありますが、環状1号はないのでしょうか?(cherry_sanさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
現在は真ん中で途切れているうえ、短いですが、ちゃんとあります。鎌倉街道沿いの南区通町から、青木橋近くを結ぶ約6kmの道です。
ライター:吉岡 まちこ
4車線が中心の広い道路だった。そして見つけたものは…!
環状1号線の始点に向かうため、鎌倉街道を関内方向に走った。
始点である南区通町一丁目のすぐ近くの交差点で早速に「環状1号」と書かれた標識を発見。
なるほど「環状1号」だが、「環状1号線」とは書かれていない
そして始点に到着。
ここが環状1号線の始点、鎌倉街道沿いの南区通町一丁目
ここが環状1号線の始点だと地元の人は知っているのだろうか? 近くの不動産屋さんに聞いてみた。
「環状1号線? 聞いたことはあるけれどどこにあるかは知らないですね。え?ここが始点なんですか?
地元では知ってる人いないんじゃないかなー」。ふだん保土ケ谷宮元線と呼んでいるそうだ。すぐ近くに標識があるのに…。
途中の交差点でも「環状1号」という案内標識を何個か発見した。
そして道は永田ランプ付近の首都高をくぐり、間もなく保土ケ谷橋だ。
国道1号で行き止まってしまった
左折後、細い道を入り、東海道線の踏切を渡ってJR保土ケ谷駅の西口ロータリーへ。
ぐるっと一周回る道は、すべて環状1号線だ
客待ちのタクシーの運転手さんに「ここは環状1号線だって知っていますか?」とまた質問。
すると「ここじゃないよ。環状1号は洪福寺の所だよ」という返事。
洪福寺といったら八王子街道沿いだ。随分先だが、やっぱり環状1号線の知名度は低そうだ。
相鉄天王町駅で、横長タイプのこんな案内標識も発見。
たった3文字! と思ったらどうやら文字が欠けてるっぽい
「環状1号ではなくて、環状1号“線”ですから」とこだわっていた桐山係長の声が頭をかすめる。
終点「鶴屋町3丁目」も近づいてきた。横浜駅もすぐ近くだ。気が付くと6車線になっていた。
終点「鶴屋町3丁目」の歩道橋にも、しっかり「環状1号」の文字を確認
道路局企画課の地図によれば、ここが環状1号線の終点だ。
標識ばかりキョロキョロ探して疲れたぁ~、と思ってカメラをしまおうとしたとたん…!
なに~ぃ!? 環状1号線ではないはずの青木橋交差点付近で次々と発見 |
一体どういうことなの??
こういった標識を決めているのは、道路局の施設課標識担当だとわかり、早速電話。
「あなたが取材した道路局企画課は、都市計画道路が専門の部署で、“環状1号線”というのは、あくまで都市計画道路の名前です。道路の本来の名前は、道路法に基づいた認定路線名称です」
環状1号線の認定路線名称つまり道路法上の名前は、主要地方道の「青木浅間線」とかのほうなのだ。
そして、その認定路線の範囲は青木橋までなのだ。
担当のかたは、サラサラと電話口で法律をそらんじる。要約すると、
◆道路法54条:道路管理者は保全のために必要な場所に道路標識を設けなければいけない。
◆標識法コード119:一般道路で交差点などには通称名を記す。
「われわれは通称で“環状1号”と呼び、青木橋までが周知の範囲という認識で、標識を付けています」。
仕事が別とはいえ、道路ってなんて複雑なんだろう~!
「3環状10放射」構想には、入れてもらえない「環状1号線」。
案内標識の謎は解けたが、ではなぜ道路局企画課のHPの地図に「環状1号線」の名前がないのか。
こんなに存在感のない環状1号線だが、昭和21年の「おそらく戦後の復興計画のひとつ」(秋山課長)だった都市計画で、いち早く計画はあった。なのになぜ。
それは道路局企画課が考える「3環状10放射」構想に、環状1号線は含まれていないからなのだ。
網の目のような「3環状10放射」構想。環状1号線は入っていない
「3環状10放射」とは、市内を縦に走る3つの環状道路と、横浜鎌倉線、桂町戸塚遠藤線、横浜藤沢線など10本の放射道路を整備するというもの。
横浜市の都市計画道路の整備率は、政令指定都市の中でも最低水準にある65.8%(平成23年3月末時点)だそうだ。
「まずは市の骨格となる道路を形成するために、優先的に取り組んでいるのが3環状10放射道です。環状1号線は距離も短いうえ、ほぼ完成しているので、3環状10放射には含めていないのです」と秋山課長は言う。よって、道路局企画課の地図には名前が載らないのだ。
取材を終えて
環状1号線は存在したが、道路局企画課のHPの地図には名前もない。かたや現地では案内標識はいっぱいあるのに無名だった。
でも走ってみると、横浜市南部から横浜駅西口にストンと出られる便利な道だ。
遠い将来、もし保土ケ谷橋をまたいで西口バスターミナルとつながったら、「4環状10放射」になるのか?あり得るが、それはまだまったくわからないとのことだった。
それにしても、道路の名称って複雑だと痛感した取材でした。
― 終わり ―
くてくてさん
2011年12月06日 18時16分
昔むかし、保土ヶ谷駅西口のバスロータリーを再開発する際、JRの線路上に道路を作り国道1号線と保土ヶ谷駅西口を結ぶという話を聞いたことがあります。一部用地買収ができず計画は断念し、立派なバスロータリーだけが作られた、と。もしかしたら環状1号と関係があったのかもしれませんね。
yamaさん
2011年12月03日 00時25分
相も変わらず「課が違うと別会社」だな、あそこは・・・・。
SOKUさん
2011年12月02日 13時50分
環状1号線は地元ですが、他の地域の人にこの道を説明する時に「環状1号」と言ってもほとんどわかってくれません。他の記事で取り上げていた1国(国道15号)2国(国道1号)を交えるとさらに混乱させてしまいます。なので「天王町駅ガード下~洪福寺交差点~浅間下交差点~鶴屋町の道」と説明しています。東海道のあとだよとか適当な説明していました。今回の記事で由来がわかってモヤモヤがはれました。