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あえて観光地を旅せず関外&裏スポットをめぐる、はま旅Vol.98「関内」編

ココがキニナル!

横浜市内全駅全下車の「はま旅」第98回は、超メジャーな関内駅の旅。今回はあえて観光地を旅せず、関外や“裏スポット”をご紹介!

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ライター:松宮 史佳

定時制・通信制生徒作品展に突撃!

そろそろ駅の方へ戻ろうと思い、横浜市教育文化センターを歩いていると・・・
 


「神奈川県高等学校定時制・通信制生徒作品展」という看板が!


一度は通り過ぎるが「やっぱりキニナル!」・・・ということで事務所へ行き、取材交渉。別のスタッフの方が主催者に確認してくれるという。取材を受けてくれるかドキドキ!

返答を待っている間、横浜市民ギャラリーの副館長・鈴木慶子さんにお話を伺う。横浜市民ギャラリーは1974(昭和49)年オープン。長年、市民の表現活動を支えてきた。だが、3.11後に耐震診断を行ったところ「耐震強度に問題アリ」と診断されたため、2013(平成25)年3月11日で閉館。一時休館を経て、2014(平成26)年秋口、西区宮崎町に移転する予定。

と、ここで定時制・通信制生徒作品展の主催者より「取材OK」との返事が! 早速、3階展示室へ。
 


左から木村文啓先生、横山常昭先生、根岸富男先生


3人は神奈川県立高校定時制・通信制の先生。作品展中は「交代で受付をしている」という。本来なら「作品は撮影禁止」。だが、取材ということで特別に許可していただく。
 


根岸先生に「作品展は52年前から開催している」と伺い、びっくり!


展示作品は「授業や部活で制作されたもの」。ジャンルは習字や写真、手芸などさまざま。
 


のびのびと書かれている習字
 

写真はアーティスティックな力作揃い!


どれもユニークでそれぞれの個性が表れているのがおもしろい。
 


シブさが光る湯飲みなどが置かれたガラス・陶芸コーナー


作品を見ながら、定時制高校で教鞭をとる根岸先生に「定時制の生徒の年齢層は?」と伺う。すると、意外にも「今は現役世代の若い生徒がほとんど」だそう。今年から県内の全日制と定時制の入試日が同日になったため、「定時制にどれだけ希望者が集まるのか心配」とのこと。
 


ひと針ずつ縫う刺繍は圧巻!


逆にマイペースで学びたい人が増えたからか、通信制は激増しているそうだ。なんと、2000人が在籍する高校もあり、「1人の先生が50人ほど担当している」とか!
 


フェルトで作られた絵本は一際目立っていた


突撃取材にもかかわらず、丁寧に対応してくださった木村先生、横山先生、根岸先生にお礼を言い、立ち去る。



ヘボンゆかりの「横浜指路教会」

線路沿いを歩いていると、歴史のありそうな教会を発見!
 


横浜市認定歴史的建造物の「日本キリスト教団 横浜指路教会」
 

中に入り、牧師の藤掛順一さんにお話を伺う


「横浜指路教会」は1874(明治7)年、「アメリカ人宣教医ヘボンのもとで学んでいた弟子により設立された」と藤掛さん。1892(明治25)年太田町、住吉町などを経て、現在地へ。ヘボンの尽力により、赤レンガの教会堂が建てられた。

だが、1923(大正12)年の関東大震災により崩壊。実業家で信者だった成毛さんという人が私財を投じ、地震からわずか2年後の「1925(大正14)年に現在の教会堂が再建された(藤掛さん)」。
 


フランス初期ゴシック風の建築は荘厳な雰囲気


教会内は「1990(平成2)年に大改装をした」そうだが、雰囲気は「ほぼ大正時代のまま」とのこと。
 


2階と3階は吹き抜けになっており、開放的
 

2000(平成12)年には125周年記念としてパイプオルガンが設置された


教会は信者の方以外にも「キリスト教や建物に興味がある」という人が訪れるとのこと。木・金・土曜日には礼拝堂を解放しているので、一般の人も入ることができる。

「横浜指路教会」は横浜大空襲の際に「建物の内部は焼けてしまった(藤掛さん)」。
 


だが階段は焼け残り、熱で曲がってしまった姿のまま残っている!


・・・戦火を潜り抜けたものが「目の前にある」と思うと、ものすごく感慨深い。
 


美しいバラ窓(と言うらしい)。右は表側




取材を終えて

「技文」は駅近なのに貸室がリーズナブル&興味深い講座を開催しているので利用価値の高い施設だと思う。また、「居酒屋匠」のような「美味しくて格安なお店」が何気なくあるのも気に入った。

偶然通りかかり、取材をさせていただいた「定時制・通信制作品展」は52年もの歴史があることを知り、驚いた。生徒の作品にはそれぞれ個性があり、おもしろかった。

「横浜指路教会」は荘厳な雰囲気で歴史を感じさせる重みがあった。焼け残った階段を見た時には、何とも言えない気持ちになった。

観光地・関内にも「まだまだ知らない場所がたくさんある」ことを発見できた旅だった!


■今回のはま旅「関内」周辺

・「横浜市技能文化会館」神奈川県横浜市中区万代町2-4-7
・「匠」神奈川県横浜市中区万代町2-4-7
・「横浜市教育文化センター」神奈川県横浜市中区万代町1-1
・「日本キリスト教団横浜指路教会」神奈川県横浜市中区尾上町6-85


―終わり―

 

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  • 将棋のおじさんと指路教会は過去記事もあるので、違った切り口の取材が欲しかったです(厳しすぎ?)。まぁ将棋のおじさんたちは通りすがりのゆるい記事でも雰囲気は合っているのですけれど:-)

  • 技能会館なんてのは、なんども通りすがっているんだが、どういう人が利用できるのかわからないだけに、こういう形で紹介してもらうと利用者の側でも有意義だし、施設の側でもおそらく有力な宣伝も出来ずに集客が伸びないみたいな悩みも有るだろうから(はまれぽが有力かどうかはさておいて、口コミの広がる発信源には成り得るだろう)、非常によい取材だと思う。オーディオ・ルームというのは貸しスタジオ的な利用ができるとすればありがたい人も多いだろう。ただ匠プラザにたっぷり時間を掛けたために、関外裏スポット?!はこれでおわり・・・ってこともないだろうから、いずれまた第二・第三弾をどうぞよろしく。 はまれぽは、ヘンに営利が絡むとこなんか紹介してないで、こういうまだまだ知られていない公共施設を紹介してゆくだけでも、十分ネタは転がっているだろうし、それが読者の役に立つと思う。

  • こういう取材だと鬼だ悪魔だガチャ切りだとは言わないわけで(笑)関内もビジネス街と思いきや、歩いてみると面白そうなお店は多く退屈しません。逆に福富町方面へ行くと、かつては「○○興業」なんておどろおどろしい看板が多かったものです(もちろん株式会社などではない)。今は様子も変わったでしょうか。地下鉄の入口看板にあった0系新幹線はまだ健在かな?

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