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日本で唯一!真球のキログラム原器を製造する岡本光学加工所に潜入

ココがキニナル!

横浜にこんなすごい会社があった! 第3回は官公庁でオーダーされた真球のキログラム原器を日本で唯一製造している会社、有限会社岡本光学加工所をご紹介!

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ライター:吉田 忍

岡本光学加工所の歴史

(つづき)
 

その後、平面精度が求められるテレビカメラの撮像管(被写体の像を電気信号に変換するための電子管)などを製造。やがて、平行平面が必要とされるレーザーへと、主力の光学部品はその時代ごとの最先端製品に移行していった。現在では、1メートルで0.1マイクロメートル以下という、極限の平面精度に応えることができるそう。

「精度の高い平面を最も得意としています」という。
「真球原器のような球面もですよね?」と伺うと、「球体も、その平面を出す技術があるからこそできるのです」という答え。

球面もごく狭い面積では、限りなく平面に近いのだ。

「地球上では、平面は大きくなれば球面になるのです」という言葉に究極の世界を少しだけ実感できた。
 


同社特製のリングポリッシャーで、大きな石英が平面研磨されていた


機械の性能だけではなく、機械自体の平面性や耐震性など、数多くのノウハウが詰め込まれている。
 


同社製の超大型干渉計(平面度を測定する装置)


「測れないものは絶対に作れません。他でできないほど精度を高くするためには、より細かく測ることができなければだめなんです。ですから、うちでは測定器も作っているんですよ」と岡本社長。
 


3次元表面粗さ計で計測されたグラフ


凸部分が+0.00234マイクロメートル、凹部分が-0.00250マイクロメートル。想像を超える世界だ。

「宝石なんかの表面は傷だらけですよ」という言葉に激しく納得した。

しかし、それほどに究極の平面性は、いったいどのようなところで求められるのだろう?



最先端の分野で使用されている



岡本光学加工所の技術力は多くの研究者によって高く評価されており、最先端の分野、レーザー核融合や、すばる望遠鏡などで光学部品が採用されている。
 


レーザー核融合ハイパワーレーザー装置のパルス圧縮回折格子 ※写真提供:岡本光学加工所


レーザー核融合ハイパワーレーザー装置は、簡単に説明すると「光の周波数を圧縮してパワーを強め、高圧高温を人工的に作り出す装置」だそう。
 


主として宇宙で使用する望遠鏡の主鏡にリブ構造で軽量化したミラー ※写真提供:岡本光学加工所


レーザー核融合とは、高出力のレーザー光を用いた核融合のこと。核融合は「核」という言葉を使うが、現在、実用されているウランなどを使った核分裂を利用する原子力ではなく、放射性を帯びた廃棄物などは出ないもの。安全性が高く高効率な夢のエネルギーとして期待されている。

また、岡本光学加工所は氷取沢にも工場を持っている。氷取沢工場には、パルス圧縮用大口径回折格子基板の高耐力誘電体多層膜を蒸着(コーティング)する装置があって、これも世界で初めて同社が実用化し、現在も岡本光学加工所のみが世界で唯一成膜加工が可能なもの。
 


基板を変形させる応力を発生させないように膜構造を制御しながら蒸着できる


こうしたコーティングは光学製品の品質を確保するためには重要な技術。精度の高い製品のために不可欠なものなのだ。

なお、同社のパルス圧縮回折格子は、大阪大学レーザーエネルギー学研センターのレーザー装置に組み込まれている。この大阪大学の装置による世界的な先端成果を収めた発表がされているが、それも岡本光学加工所の高い精度の光学部品を作る技術があってこそ、理論が実現されたといえる。



取材を終えて



岡本光学製作所は、高い技術と熟練された人の技能を融合させて、究極の精度を持つ光学製品を作る会社だった。

机上の理論を実証し、実際に使えるものにするためには、計算通りの精度を持った部品が要求される。日本の中小企業、特に町工場の技術がロケットなどに使われているという話はテレビなどでもよく紹介されているが、まさしくそんな現場を知ることができた。
 


普通の工場に見えるここで最先端の部品が製造されている


「ウチには、大卒の社員もいますが、中学を卒業してすぐ入社し高い技能を習得した社員もいます。そういう社員がその技能を持って大学教授と対等にわたりあっているんですよ」という専務の言葉が印象的だった。


― 終わり―


有限会社岡本光学加工所 
http://www.okamoto-optics.co.jp/index.html
 

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  • デスラー砲を凌駕するヤマト波動砲の核心部分は、ここで製作されていたのか! 看板がないので長年不明であった・・・。我がデスラー軍増強のため、是非とも力を貸していただきたい。

  • 「機械では職人の技能を超えられないのです」その通りでもあるし、ある意味違う、なぜなら「機械を作る人間が職人ではないから」つまり、凄技職人が機械を作ればそれは職人を超えることも可能だ。

  • 日本の職人さんは、その精神も技術も世界一だと思います。これからの日本には、このような技術者がトップランナーとして活躍する場が増えていくことを望みます。し、また、それが正しい日本の姿だと思います。

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