「関内」の発音は強弱つけるかつけないか、どっちだ!?
ココがキニナル!
以前、テレビで中区出身の声優・松本梨香さんが最近の人の関内のイントネーションが許せないと発言していました。強弱をつけるかフラットに発音するか。皆さんどうなのでしょうか?(よこはまたろうさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜内外出身者・老若男女50人に突撃現地取材を試みたところ、なんと9割が「か」を強めそのあと下げると回答。片寄った結果に少々拍子抜けしたが、そこに至る執念の聞き込みドキュメントをレポートする。
ライター:結城靖博
「ココがキニナル!」では字数制限の都合で要約したキニナル投稿を、もう少しくわしく書くと、日本テレビの「今夜くらべてみました」という番組で、声優・松本梨香(まつもと・りか)さんが「『か』を強めに最後は下げる」と主張。
だが他の横浜出身の番組出演者や投稿者の「よこはまたろう」さんは「強めにも下げたりもせずフラットに発音する」という。
つまり「か(⤵)んない」(『か』を強めてあとを下げる発音を以後便宜上こう表記)か、「かんない(平ら)」(フラットに発音する場合はこう表記)かの二択である。
JR関内駅付近(国道16号線高架下)
川崎生まれ横浜育ちの筆者も、あらためて問われると一瞬「あれっ、どっちかな?」と思ってしまう。少なくともそのあとに「駅」など別の言葉が続けばフラットだろう。でもこれは「京都」「名古屋」も「きょ(⤵)うと」「な(⤵)ごや」と発音するが、「駅」をつければフラットに読むのと同じ、日本語の構造的特徴のように思える。
いっぽう、単独の場合「京都」「名古屋」をフラットに読む人はまずいないと思うが、「関内」の場合はそうとは言えない。
やはりこれはどっちかキニナルところだが、直接皆さんに問う前に、まずはそもそも論からちょっと考えてみたい。
関内という地名の由来について
「関内」という地名は不思議なもので、この名のつく住所はこの地域のどこにも存在しない。なのになぜ「関内駅」が存在し、周辺には「関内」と名のつく建物や場所がやたらと存在するのか?
「関内町」はどこにもない
その理由はかなり知られていて、横浜の人であればご存じの方も多いと思うが、あえてここでもう一度おさらいすると、それは幕末の開港期にさかのぼる。
1859(安政6)年に横浜が開港すると、幕府は外国人と日本人の容易な接触を防ぐために開港場(かいこうば)の外国人居留地を掘割で囲んだ。
橋本玉蘭斎貞秀筆『横浜明細之全図』1873年(横浜市中央図書館所蔵)
さらに、外国人排斥を主張する攘夷派の武士から居留外国人の身を守るために、吉田橋をはじめとする居留地の出入り口に関門(かんもん)を設けた。
それゆえ、関門の内側である居留地を「関内(かんない)」、その外を「関外(かんがい)」と呼ぶようになったのだ。下は、吉田橋に関門が設けられていた頃の図。
『横浜史料 開港七十年記念 吉田橋関門(最初)』(横浜市中央図書館所蔵)
その頃の吉田橋の写真は見つからなかったが、代わりに当時の雰囲気を知るために別の場所の関門を紹介しておこう。小さくてわかりづらいが、門の前には帯刀する番士(ばんし)の姿も見える。
『青木町台関門』(横浜市中央図書館所蔵)
だが、幕府が倒れ明治政府に移行すると、1871(明治4)年に関門は廃止される。したがって、前掲の『横浜明細之全図』は関門が解かれた後の図だ。
また、関門廃止と同時期、脆弱な木橋だった吉田橋は頑強な鉄製の橋に架け替えられた。そしてその後、この橋を渡って数多の日本人が活発に関内を往来するようになり、横浜、そして日本の本格的な文明開化が始まる。
三代広重筆『横浜吉田橋ヨリ馬車道之真景』(横浜市中央図書館所蔵)
現在も吉田橋には史跡跡地を示す石碑が建つ
(© OpenStreetMap contributors)
それにしても、関門がなくなった後も「関内」という地名だけが残ったことは、横浜の近代化にとって開港場がいかに重要だったかを象徴しているように感じる。
いずれにせよ、「関門の内側だから『関内』」と考えると、その発音はおのずと「か(⤵)んない」となるのが自然だろう。歴史的にみれば、そういうことになる。だが、言葉は時代によって変化するもの。由来だけを取り上げて、今それが正しいとは一概には言えない。
では現代の皆さんはどう発音しているのか?いよいよその実態調査に乗り出すことにしよう。
まずは駅のアナウンスを確認
実は、はまれぽでは8年ほど前に、JR関内駅構内のアナウンスが2種類の発音を組み合わせていることついてレポートしている。
過去記事によれば、当時は「かんない、かんない」と二度繰り返すうち、一度目はフラットに、二度目は「か」を強めて発音していた。その理由をJR東日本に問い合わせたところ、「お客さんによって駅の言い方(イントネーション)が異なるので、わかりやすいようにするため」だったという。
つまり、少なくとも当時はJRも、二つの発音があることを認識していたのだ。では、現在はどうだろう。まずはそこから確認してみよう。
JR関内駅南口
南口改札から中に入り
まずは上りホームで電車を待つ
やがて電車が到着。扉が開くと素早く乗り込み、車内のアナウンスに耳を傾ける。すると、男性の声で「か(⤵)んない、か(⤵)んない」と、紛れもなく二度とも強弱をつけて発音するアナウンスが聞こえた。
チェックし終えると、扉が閉まる前にすぐまた電車を降りる。その一連の動きに集中しすぎて、到着した電車の写真撮影を忘れていた。
仕方なく、去りゆく電車をカメラで追う
続いて下りホームにも行ってみた。
今度はホームに入る電車をバッチリとらえた
扉が開くと、またすぐに乗ってアナウンスに耳を澄ます。
今度は女性の声で、やはり「か(⤵)んない、か(⤵)んない」とアナウンス。
JR関内駅では、先の取材から8年後の現在、二度とも「か(⤵)んない」と発音していることを確認。もしかしたら、社の方針が変わったのかもしれない。
ここで、さらに「もう一つの関内駅」も確認してみようと考えた。
そこはJRからほど近い尾上町(おのえちょう)交差点
その下にある地下鉄ブルーラインの関内駅だ
ここでも、上り下り両方のホームで調査してみた。ちなみにブルーラインは湘南台方面が下り、あざみ野方面が上りとのこと。
こちらは下りの湘南台方面(2番線)ホーム
ここではJRとは逆に下りが男性、上りが女性の声だったが、しかしいずれもやはり「か(⤵)んない、か(⤵)んない」とアナウンスしていた。
結局、JRも地下鉄も同じだった。それにしても、こうして日々駅のホームで「か(⤵)んない、か(⤵)んない」と繰り返されていたら、おのずと「か(⤵)んない」という発音が世に定着しそうだが・・・。
いよいよ巷の人々の声に耳を傾ける
JR関内駅に戻る。そして駅前を見まわしていると、すぐに目にとまったのが駅前のタクシー乗り場だった。
乗り場にはタクシーの列ができていた
平日の昼下がり、一向に前に進まない車列には、車から降りて後続の車内の運転手と談笑している方がいた。
近づいて2人の男性に「あなたは関内をどう発音しますか?」と尋ねてみた。するとどちらも、答えは「か(⤵)んない」。年齢を聞くと、ともに60代。
ちょうど車列が動き始めたので、外にいた男性は車に戻ってしまい出身を聞きそびれたが、残った車中の運転手さんは生粋のハマっ子だという。いかにも地元に精通したタクシードライバーらしく、「か(⤵)んない」と発音する理由について、幕末にさかのぼって解説してくれそうになったので、早々にお礼を言ってその場を離れる。
タクシー乗り場の近くに喫煙所を発見。
そこは関内駅南口そばの高架下
喫煙所なら、小休止中の人に声をかけやすいのではないかと思い、パーテーションの中に入る。
中は外回りのサラリーマン風の方々が目立った
そのうちの紳士然とした男性にまずは聞いてみた。横浜在住、59歳のその方は、やはり「か(⤵)んない」と発音。「昔からずっとそう言ってますよ」と、何をいまさらという表情で付け加えられた。
続いて談笑する3人組の中年男性をチェック
一人は横浜育ちの50代、もう一人は地方出身だが横浜在住の40代、さらに関西在住で出張に来ている50代。うまいこと地域が分かれた。だが、そのいずれも「か(⤵)んない」派。関西弁の男性も迷わずそう発音した。
もう少し若い人はどうだろう?
20代半ばの男性。横浜市外から来たという。だがこの方も「か(⤵)んない」と発音。
では、女性はどうか?
最初に声をかけたのは60代の女性。関東他県の出身で横浜在住とのこと。そしてやはり、「か(⤵)んない」と発音。
次の女性は川崎在住の30代
そんな彼女も「か(⤵)んない」派。そして「私だけじゃなく、知り合いはみんな『か(⤵)んない』と言っている」と教えてくれた。
さらに声をかけた女性は20歳だった
てっきり日本人と思って訊ねたのだが、3年前にタイから来たという。で、初めての外国出身の方の答えはというと、これまた「か(⤵)んない」。「3年前からずっとこう発音しています」とのこと。
タクシーの運転手さんから数えて、これで計10人。その全員が「か(⤵)んない」派だった。
ここに至って、あることに気づく。これは筆者の質問の仕方に問題があるのではないか。なぜなら「あなたは関内をどう発音しますか?」と口頭で尋ねると、そのときすでに筆者自身が「か(⤵)んない」と言ってしまっていることが多いからだ。
尋ねるときに声に出してしまっては、相手の答えを誘導することになるではないか。
これは、いかんぞ――というわけで、いったん退散し、作戦を練り直して再チャレンジすることにした。
翌日、実態調査に再挑戦! まずはイセザキモールへ
帰ってから、よ~く考えた。そして名案が浮かんだ。
「そうだ。訊くとき声に出さなければいいのだ!」
というわけで用意したものが、これ
この作戦は、答えの誘導の解消だけではなく、ボードを見せればパッと反応してくれるので、取材がやりやすくなるという点でも功を奏した。
今日は、かつて「関外」であったイセザキモールから調査を始める。
歩道の脇に幾種もの腰掛が設置されたイセザキモール
しかしその腰掛けに腰を下ろす方々の中には、声をかけやすい人がなかなか見当たらない。
有隣堂の前で、なんとなくいい感じで佇むお年寄りを発見
声をかけてみたところ、「わしゃ、耳が遠くて何言ってるかさっぱりわからん」と元気な声が返ってきた。さっそくボードを差し出すと一瞬ボソッと「かんない(平ら)」と発音。
「おぉっ、ついに『平ら派』に出会った」と感動。だが、そのあとすぐ「それこそなんだか、『わっかんな~い』だよ」とダジャレを飛ばされ、その先の会話が続かなかった。結局、年齢・出身不詳のまま、筆者はその場を離れた。
気を取り直して、パチンコ店の前に佇む女性にアプローチ
30代、ハマっ子のその女性からは「か(⤵)んない」とクールな回答が返ってきた。
とにもかくにも、昨日から数えて12人中、やっと1名「平ら」派が加わった。
パチンコ店の近くは、もはやイセザキモールのウエルカムゲート
そしてその先に吉田橋がある
吉田橋の橋上で信号待ちの犬を連れた女性に出会う
60代・地元出身だという彼女は、やはり「か(⤵)んない」派だった。これで12対1。
吉田橋の先のJR高架橋下に駐輪場があった
その管理事務所に勤める職員の方にも声をかけてみる。気さくに応対してくれた60代の男性は関西出身、戸塚在住だという。そして「か(⤵)んない」と発音。これで13対1。
続いてマリナード地下街へ潜入
ここで気分を変えて、関内駅地下街「マリナード」へ潜入してみることにする。
JR関内駅北口そばの「マリナード」入り口
最初に訪ねた店は「Felicia」
店内は洋服からかつら、マスク、カバンと「ファッション系ならなんでもござい」という感じ。マリナードの中はこういう店が多い。若い男性店長は、8年前に台湾から来たという。そして「か(⤵)んない」と発音。
続いて帽子を主に扱う店を訪ねる
見たところ店名はよくわからなかったが、しゃれたハットをかぶったご高齢の男性店主も、「か(⤵)んない」と発音。横浜在住、御年70代後半とのこと。
その斜め向かいにちょっと高級感漂う婦人服店が
店名は「マリリア」。店の中にいた30代の女性は平塚出身とのこと。そしてやっぱり「か(⤵)んない」と発音。
最後に訪れたのは色鮮やかなお花屋さんの「Nao」
店内の女性は55歳、ハマっ子。そしてまたも「か(⤵)んない」と発音。
う~ん、結局4軒ともすべて答えは同じだった。これでトータル17対1だ。
地上へ戻り横浜スタジアムへ向かう
関内駅南口の前は、落ち葉が舞い散り、いい雰囲気をかもし出していた。
なんだかフランス映画っぽいね
そんなムードの中でベンチに佇む一組の若いカップルに、「お邪魔します」と言ってボードを差し出す。どちらも21歳の学生。男性は横浜、女性は藤沢の人だった。そして仲良く「か(⤵)んない」と発音。
その先の横浜スタジアム前の交差点に5人の男子が信号待ちをしていた。このぐらい若い人は今までいなかったので、信号が変わる前に急いで声をかける。
彼らは横浜在住の高校3年生だった。そしてやはり全員が「か(⤵)んない」と発音。うち若干1名が一瞬平らに発音したように感じたので、「今、『かんない(平ら)』と言った?」と聞き返すと、「いえ、『か(⤵)んない』です!」と、キッパリ言い直された。
信号が変わると仲良くスタジアム方向へ去っていった5人組
番長・三浦の監督就任が報じられて数日後のスタジアム
スタジアムがある横浜公園の遊戯施設エリアには、大勢の家族連れがいた。
その中のママ友七人衆に声をかける
子どもたちの遊ぶ姿を見守りつつ、にぎやかに談笑する7人の女性たち。聞けば全員が30歳前後で、かつ「横浜の人」であるそうな(生粋のハマっ子かどうかはともかく)。
そんな彼女たちも、全員迷うことなく「か(⤵)んない」と答えた。「あっ、その話テレビで見たことある」とか言いつつ。
さて、この辺りであらためて集計してみよう。ここまでは、31対1で「か(⤵)んない」派がリードという結果になった。
手帳の数字を眺めながら、ふと思う。こうして関内駅周辺をこれ以上取材していても仕方がないのではないか? 平日のこの辺りは、やっぱり地元の人が多い。そして、地元の人はどうも圧倒的に「か(⤵)んない」派が多そうだ。
そこで、横浜市外からの観光客がもっといそうなエリアに場所を移動してみることにした。
というわけで、赤レンガパークへ
移動に時間がかかったこともあり、着いた頃には、すでに現地は夕方の気配。
恋人たちにとっては良いムードの時間帯が近づいていた
ベンチには、カップルがあちらこちらに。まずはそのうちの一組に声をかけてみる。
「お食事中のところ失礼します」と詫びつつ
お二人は20代前半で男性が横浜、女性が東京の方だったが、やはりどちらも「か(⤵)んない」派だった。
次は女性の2人組に声をかけてみる
ともに20代後半で、横浜と千葉の方。このお二人も迷わず「か(⤵)んない」と発音。ただ、一人が「でも、駅をつけるときは平らに読むかも」と言い添える。「ですよねぇ~」とうなずく筆者。
もう少し別の世代に調査すべく見まわすと、赤レンガ倉庫へ向かう3人組が目にとまる。
若い女性を連れた2人の紳士
後を追っていくと男性たちは先に倉庫の中に入ってしまい、女性だけが入り口の前でしきりに周囲の写真を撮っていた。
女性に声をかけると、素敵な笑顔で応じてくれた。言葉が流ちょうなので意外に思ったが、5年前に中国から来て八王子に住んでいるという。年齢は40代。で、ボードを見せると、なんと「かんない(平ら)」と発音してくださった!
喜ぶ必要もないのに、やっと久々に出会えた「平ら」派に嬉しくなる。
謝謝!!
これで35対2だ。
続いてベンチで一人佇む老年男性に接近
いかにも同伴者を待っている様子だったが、聞いてみるとやはりそうだった。さっそく要件をきり出そうとするちょうどそのとき、男性の元に次々と男女が帰ってきた。待ち人来たる、しかも4人も。
聞けば、40代の夫婦と、夫の両親、妻の母という組み合わせの家族旅行だった。
夫の両親(父70代・母60代)は熊本からこの旅行のために上京。妻と妻の母(60代)は東京の人。で、夫は熊本出身・東京在住だ。
この5名の中で、唯一70代の熊本のお父さんだけが「かんない(平ら)」と発音なさった。ほかの4人はそれを聞いて「えぇ~っ」と面白がって茶化すが、さすが九州男児。かたくなに持論をまげなかった。
そして、5人仲睦まじく立ち去っていった
やがて、クルーズ船「マリーンルージュ」号のナイト・クルーズの出航時刻が迫ってきた。
そんな汽船を眺めながら釣りを楽しむ男女に声をかける
お二人は横浜在住の50代のご夫婦だった。そして予想通り、「か(⤵)んない」と即答。
続いて並んで座りつつも各人自分のことに熱心な3人の若者にアタック
男性は20代前半、女性はともに19歳。女性の一人は東京の人で「か(⤵)んない」と発音。だが、もう一人の女性と男性は「かんない(平ら)」と発音。
おおっ! 初めて「平ら」派が優勢のグループに遭遇した。聞けば「平ら」派2名のうち男性は東京在住だが帯広出身、女性は千葉在住だが北見出身。どちらも北海道の人だった。
この3人を含めて昨日からの取材総数47名。数をチェックしていた筆者が「あと3人で50人達成か・・・」と思わずつぶやいたら、帯広育ちの彼が「頑張ってください!」と励ましてくれた。
「よし!もうひと踏ん張り」と声をかけたお二人は18歳の女子高生
東京・月島からやって来たという。ボードを見せると、初め一人が「せきうち?」とボケをかましてくれた。「いやいや、駅の・・・」と言うと、「ああ、か(⤵)んないね」。友だちも同様の回答だった。
さあ、いよいよあと1人で50人だ。急がねばマジで日が暮れてしまう。
最後のターゲットは過去記事で取り上げた「横浜港駅」の遺構を熱心に眺める女性に決定。
歴史の痕跡にきちんと向き合うその姿勢に感銘した筆者
遺構をあとにする女性に近づきボードを差し出す。そして、もう何度も繰り返した言葉、「あなたはこれを、どう読みますか?」を発する。
すると答えは「か(⤵)んない」。お年は40代、神奈川生まれ横浜育ちの女性であった。
ふと気がつけば、みなとみらいの夜景が美しく輝き始めていた
これ以降の赤レンガパークは、野暮な取材者がうろつく時間帯ではあるまい。そろそろボードをカバンにしまって、その場を立ち去ることにしよう。
取材を終えて
以上、二日間で計50名からの聞き込み調査を終了した。結果は「か(⤵)んない」派45対「かんない(平ら)」派5。ちょうど9割が「か(⤵)んない」派だった。
しかも「平ら」派5名のうち4名までが横浜以外の出身者だ(残り1名は不明)。少なくとも、今回の調査に限って言えば、横浜出身の人は全員「か(⤵)んない」と発音したことになる。
どうも、キニナル投稿者の疑問とは異なる結果になったようだが、もちろんわずか二日間、たった50人の結果とも言える。とはいえ、おそらくこれが100人になったとしても、大勢に変化は生じない気がする。
ということは、このレポートをもし読んでくれたとしたら、声優・松本梨香さんのお怒りも少しは治まるのではないだろうか。それはそれで、めでたしかな。
―終わり―
取材協力
横浜市中央図書館
住所/横浜市西区老松町1
電話/045-262-0050
開館時間/火~金9:30~20:30、その他9:30~17:00
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo-manabi/library/tshokan/central/
※開館時間は感染症対策のため、変更の可能性がございます。詳しくは公式サイトでご確認ください。
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gthanaさん
2021年08月12日 02時04分
「関内」を平板に読む人はほとんどいないという結果に納得。ちなみに「関内」の「か」にあるアクセントの位置が「駅」「行き」「方面」など後ろに言葉が続くと変わるのは、アクセント結合という言語学的に普通にみられる現象です。「神奈川」も後ろに「県」が付くとアクセントの位置が変わるのと同様です。個人的には「関内」よりもその駅前の住所である「尾上町」が「え」にアクセントなのか平板なのか知りたいところ(ちなみにバスの車内アナウンスでは「え」にアクセント)。
よこはまいちばんさん
2021年02月01日 14時38分
そうですよ!関内と単独の場合には「か」を強く高く発音ですが、関内駅・関内ビルなどと後ろに言葉が続く場合には平らに発音になります。自分は関内隣接の伊勢佐木町に生まれ育っていますが、地元では平らに関内と発音する人に出会った事がありません。外来者や地方出身者の一部の人が平らに発音する場面に出会う程度です。ちなみに・・・三崎も関内と同様に発音です。自分の周囲の人たちも!平らに三崎と発音すると「岬」と同じになってしまいますネ。もちろん三崎港など他の言葉が付く場合は関内と同じく平らに発音ですが。
白髪ハウルさん
2021年01月26日 19時30分
近場だと三浦や三崎、由比ヶ浜なんかも話題に上りますね。