寿町ドヤ街の簡易宿泊所ってどんな所?
ココがキニナル!
日本三大ドヤ街の名も高き横浜寿町。そこにある簡易宿泊所(ドヤ)は、いったいどんな所でしょうか。料金、内装、設備など気になりますので調査お願いします。(みうけんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
簡易宿泊所の紹介所に紹介された「林会館」は1泊3000円、和室に布団を敷ける個室、共同トイレ・シャワー・キッチンは清潔。インターネット環境有
ライター:ムカイカツヲ
戦後、高度経済成長に伴って日雇い労働者が集まった寄せ場(仕事の斡旋所)の周辺に、彼ら労働者が寝泊りする安い簡易宿所(ドヤ)が集まったことで形成されたドヤ街。語源はヤド(宿)の逆さ言葉と言われている。
以前はまれぽでも取材した「寿町のドヤ街はなぜ形成されたのか?」でもふれているが、時代は流れ、ドヤ街=バックパッカーの街という認識がされるようになった。そこで実際に寿町にあるドヤに宿泊してみてその実態を探ってみた。
インターネットで予約できるドヤ
自分がバックパッカーになったつもりで、インターネットを使って宿探しをしてみた。すると、すぐに簡易宿泊所を紹介する「ヨコハマホステルビレッジ」という団体を見つけることができた。
遠目からもひと目でわかる看板
一見カフェの様な雰囲気もある
「ヨコハマホステルビレッジ」へは、伊勢佐木長者町駅から徒歩9分程度、JR石川町駅からなら徒歩4分。住所としては寿町でなく松影町ということになるが、この地区のドヤ街は寿町に加え、扇町、松影町の一部を含む「寿地区」に形成されているので、今回取材対象とした。
フレンドリーなスタッフがお出迎え
フロントでは2名のスタッフが当日の対応をしてくれた。
宿泊カード
宿泊カードに氏名・住所等の情報を書き入れた。この時、個室であることと、仕事をするために「無線のインターネット環境があると助かる」というこちらの希望を伝えたところ、その条件に合致する部屋を受付のパソコンで探し出してくれた。チェックインの流れもビジネスホテルと変わらない。
今晩の宿泊先は、受付のある建物の対面に位置する林会館に決まった。ヨコハマホステルビレッジが取り扱う宿泊施設は複数存在し、滞在期間や人数等の条件によっては別の施設が選択されることがある。
レトロな雰囲気あふれる林会館
個室利用で宿泊費は3000円。門限は一切無く出入り自由、チェックアウトは翌朝11時とのこと。留意点としては、宿泊する部屋は5階にありエレベータがないということ、タオルや歯ブラシなどのアメニティがないということ、風呂とトイレが共同であるということ。周辺にはコンビニもあるので、必要な物は簡単に手にれることができる。
実際に部屋に入る前に、スタッフの皆さんに最近の寿町の宿泊事情についてお話を伺った。
ドヤ街の今を切り取った映像作品
和気あいあいのスタッフたち(左からPOPPOさん、中島さん、大島さん、Jamesさん)
近年、寿町の住人たちの高齢化にともなって、ドヤにも空室が目立つようになってきており、その解消策として、宿泊施設のオーナーが客室(ハード)を提供し、予約・管理面(ソフト)でそれを支えているのがヨコハマホステルヴィレッジなのだそうだ。なんと、「楽天」や「じゃらん」といった大手宿泊予約サイトからも予約可能だそうで、中華街や関内から徒歩圏内という立地の良さもあり、バックパッカーだけでなく、観光客や、最近では就活生なども数多く訪れるのだそう。
Jamesさんは中国系のオーストラリア人で、ワーキングホリデーのために来日して真っ先にここ寿町のドヤ街に来たとのこと。外国人にも「kotobuki-cho」が安宿の街として認知されているのだろう。