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女性の活躍を後押し! 神奈川県が認定する「神奈川なでしこブランド」とはいったい何?

ココがキニナル!

今年から新設された神奈川なでしこブランドについて取材して下さい。(Mhamaさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

神奈川なでしこブランドは、企業や社会での女性の活躍を促進するために、女性が開発に貢献した商品(モノ・サービス)を県が認定するもの。

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ライター:大和田 敏子

「神奈川なでしこブランド」という言葉、初耳だった。
インターネットで調べてみると、2013(平成25)年度に始まった神奈川県が行っている事業で、2014(平成26)年1月、第1回の認定が行われたことが分かった。

「なでしこ」という言葉から連想する通り、女性に注目した事業であるようだが、どのような目的で行われ、どんな基準で選ばれているのだろうか。

 

まずは、神奈川県庁に向かった
 

神奈川なでしこブランド事業を推進している神奈川県産業労働局労働部労政福祉課を訪ねる。

 

労使関係安定、労働者福祉などの業務を行う労政福祉課
 

担当は、同課の両立支援グループで、仕事と家庭の両立、ワーク・ライフ・バランス、女性の就労などの支援・推進を主に行っている部署だ。



神奈川なでしこブランドとは?

 

お話を伺った両立支援グループ、グループリーダー青山泰子さん
 

神奈川県に拠点を持つ企業などから女性が開発に貢献した商品(モノ・サービス)を募集し、女性の貢献度が高く、良い商品を「神奈川なでしこブランド」として認定する事業が、昨年度から始まった。

事業の目的は、女性の活躍の成果(商品)を具体的なものとして、県民や企業に示すことで、「女性が活躍するとこんなに良い商品ができるんだ」と理解してもらうこと。女性の力を認めてもらい、女性に開発や企画を任せてもらったり、活躍できるポストを与えるなど、経営戦略として女性の登用、活躍をすすめてもらうことを目指しているという。

応募の条件は、女性が開発に貢献した商品(モノ・サービス)であること、開発された商品が実際に県内の市場で提供されていることなどがある(応募の際は、詳細をホームページ等で確認を)。また、実際に商品化していないアイデアを、「なでしこの芽(自ら起業して商品化を目指す)」、「なでしこの種(自ら起業しないが、アイデアを商品化してほしい)」として同時に募集、認定している。

昨年度は、神奈川なでしこブランドに83件の応募があり、44件が認定。なでしこの芽・種には、129件の応募があり、そのうち4件(芽1、種3)が認定された。



神奈川なでしこブランドの審査基準は? どんなものが認定されたの?



神奈川なでしこブランドの応募についての詳細や昨年度の認定商品は、県のホームページで見ることができる。また、県内の経営者の団体、商工会議所、商工会、中小企業の団体などの経産団体を通じて会員に知らせてもらったり、市町村の産業労働の所管の方にポスターやチラシを送って告知したりして、応募を促している。

 

今年度も、神奈川なでしこブランドの募集があった
 

応募のための認定申請書(県のホームページからダウンロード、または応募書類を担当部署に請求)には、申請商品の概要や品質に関するPR以外に、開発においてどのように女性が貢献したかを記入する必要がある。また、女性が活躍できる職場環境であるかどうかという点も問われる。この辺りは、単に商品のみを審査して認定するブランドとは異なるところだ。

審査の手順としては、有識者らによるアドバイザリー委員会で、事業担当部署が示した採点基準によって審査し点数化しながら、委員会としてコメントを加え、絞り込んで選出する。
次に、それを、総合アドバイザーである残間(ざんま)里江子さん(出版・映像・文化イベントなどのプロデューサー)が見て、コメントやアドバイスを加えて黒岩知事に提出し、最終的には知事が認定する。

 

審査では、開発における女性の貢献度と商品のクオリティを重視
 

認定式では開発者の女性が参加したミニトークショーも行われた
 

認定されたのは、食料品や生活用品といったものばかりでなく、情報通信機器、輸送機器、住宅まで多岐にわたっている。

実際に認定事業を行ってみると、一般的な女性らしさのイメージから離れたものも多くあったという。たとえば、開発の中心が男性という印象が強い自動車。そのデザイン企画に女性が大きく関わったということで認定された日産ノート「ライダー」(株式会社オーテックジャパン:茅ヶ崎市)。

 

若者マインドのリサーチをもとに従来のデザインの常識を覆すデザインに!
 

医療機器におしゃれな可愛らしさを求めた自分自身で導尿できるカテーテル「セフティカテ ピュールキャス」(クリエートメディック株式会社:横浜市都筑区)も特徴的だ。外観を気にしない合理的な考え方をする人が多い医療機器の現場では受け入れられにくいものだったが、結果的に女性の患者さんに喜ばれる商品になったという。

 

自己導尿用カテーテルのデザインに工夫
 

また、認定されたサービスには、女性の就業や企業を支援するようなものもあるが、娯楽やレジャーに関するサービスなどもあり、女性視点、女性のためといったものばかりではない。

これらは、女性のアイデアを活かした便利グッズや、単に女性が開発したことを販売のための広報戦略として使っているものとは異なる。「雇用機会均等法が施行され25年以上が経過し、男性、女性がともに働く社会が実現されつつある中、前例にとらわれないしなやかな発想が職場で受け入れられ、更に性別、年齢などによらず多くの方(消費者)にも共感を持って受け入れられたのかなと考えています」と青山さん。

認定された後は、認定商品に、神奈川なでしこブランドのロゴの使用が許可される。また、県のホームページで広報するほか、チラシやパンフレットをつくってPR活動が行われている。

 

神奈川なでしこブランドのロゴ
 

8月29日には、「神奈川なでしこブランドセミナー」を開催。「女性の活躍~女性が活き活きと働く職場づくり~」セミナーが行われ、合わせて、神奈川なでしこブランド事業について説明もなされた。

また、9月23日、神奈川県庁本庁舎公開日に合わせて、3階大会議場で「神奈川なでしこブランドフェア」が開催された。認定商品の展示・販売のほか、ステージでは、「箱根芸妓、きらり妓」(箱根湯本芸能組合)などのプレゼンテーションも行われ、観衆を惹きつけた。

 

ほかのイベントも開催され、本庁舎はにぎわっていた
 

「箱根芸妓、きらり妓」は和洋折衷のおもてなしにチャレンジしている
 

認定商品の説明に耳を傾ける姿も目立った