戸塚駅男子トイレ内、境界を示す謎の看板の正体とは?
ココがキニナル!
横浜市営地下鉄戸塚駅の改札内にある男性トイレ。右端にある小便器と隣の間に謎の看板が、、、「〇〇|県道」(間違ってるかも)キニナルので調査お願います。(ほっけさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市営地下鉄戸塚駅構内男子トイレにある表示は道路占用許可申請上必要なもの。ほかの地下鉄駅にも多数設置されていた。
ライター:岡田 幸子
「今回の調査はオカダさんひとりでは難しそうなので、僕が同行します」
と、編集部・関本から指定された待ち合わせ場所は横浜市営地下鉄戸塚駅構内の男子トイレ前。
長く人生をやっているが、ひとまわり以上も年下の異性と、トイレ前で待ち合わせるなんて初めての体験だ。しかも「男子」トイレ。
関本と落ち合うと、あいさつもそこそこにデジカメのディスプレーをうれしげに示してきた。
とりあえず、先月「ハマのパタ◯ロ」呼ばわりをしたことに怒っていない様子にひと安心。
「これッス」
なにこれ!?
こんなキニナルものが男子トイレ内に限って存在しているなんて! 男女雇用の機会は均等化されても、男女キニナルの機会均等はまだ遠いのか!?
そんなこんなで、市営地下鉄戸塚駅男子トイレのキニナルこれ、調べてみました。
キニナル表示は地下鉄戸塚駅構内
このキニナル表示があるのは横浜市戸塚区戸塚町の「戸塚」駅構内。戸塚駅には東海道線、横須賀線のJRと、横浜市営地下鉄ブルーラインがあるが、くだんの表示があるのは横浜市営地下鉄のブルーライン改札内地下2階フロアの男子トイレ内だ。
ちなみに女子トイレ内にはない
とりあえず、同じような表示が構内のほかの場所にもあるのか探してみる。表示から見て何らかの「位置」を示しているようなので、ひとまず男子トイレの真上付近へ。
地下2階からワンフロア上がった男子トイレ真上付近では、有隣堂書店が営業中だ
店内にお邪魔してそれとなく探すも、壁一面が書棚になっていて、キニナル表示は見つからない。客足が途絶えたタイミングで店員に写真を見せて聞いてみたが、見たことがないとの回答だった。
それではともう1階分上がると、
バスロータリーに出た。植え込みのあたりが男子トイレの真上付近か?
あ、「県道|民地」ってもしかして・・・
こういうこと!?
再び地下に降りて検証。感覚的にではあるが、男子トイレの表示の位置は地上における県道とバスロータリーの境付近にあるといえそうだ。
プラットホーム階はどうだろう? はやる気持ちを抑えて階段を降りた。「特に何も見当たらない?」と思いつつ歩を進めると・・・
あ!
あった!!!(1)
線路脇の壁に男子トイレ内のものと同様の表示を発見した。階段との位置関係からみて、ここが例の男子トイレの表示の下であるようだ。
さらに、逆方面の線路脇壁にも(2)
一体なんなんだろう? 頭を抱えていたら関本より「こっちにもありました」との報告が。少し「あざみ野」方面に進んだ場所に駆けつけると・・・
本当だ。しかも、「民地」と「県道」が逆になっている(3)
これまた逆方面側にも(4)
結局、市営地下鉄戸塚駅構内では、キニナルにあった男子トイレのものと同様の表示を4枚見つけることができた。
だいたいこんな感じ
問題の男子トイレは上の図で(1)の真上に見える
しかし、これって一体なんのため?
表示は土地の境界を明確にするもの
表示の謎を解明すべく、横浜市交通局へ
「そんなにキニナります?」とご対応いただいたのは同局工務部施設課長の高木一行(たかぎ・かずゆき)さん。
キニナります!
「ご想像の通り、民間所有の土地である“民地”と“県道”の境界を示す表示です。中央のラインより“県道”側の上には道路が走っているということになります」
うん、まぁ、正直そうかなと思ってはいましたが・・・
高木さんによると「スペースの確保が比較的容易なことから、地下鉄は主要道路の下に線路を敷設することが多いのです。ところが鉄道事業法第61条には『鉄道線路は、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路に敷設してはならない』とあり、地下であっても道路に線路を敷設することが禁止されています」とのこと。
この条文は「ただし、やむを得ない理由がある場合において、国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない」と続き、この許可手続は政令により定められているのだという。
「この国土交通大臣の許可と同時に、地下であっても道路に線路など何かしらの施設を設置するためには、道路管理者にも“道路占用”の許可申請を行う必要があります。これらの許可を得るためには、道路のどの場所をどの程度占用するのかを明確にしておく必要があるのです」
県道203号線(赤点線)を占用している部分を表示(黄帯が地下鉄ホーム)