中区伊勢佐木町の映画館「横浜ニューテアトル」が閉館することに! その理由とは?
ココがキニナル!
中区伊勢佐木町の「横浜ニューテアトル」が、2018年6月1日で営業を終えることに。閉館理由やお別れイベントは?(はまれぽ編集部のキニナル)
ライター:はまれぽ編集部
中区伊勢佐木町で、名作を映し出してきた映画館「横浜ニューテアトル」。はまれぽでは以前にも『ヨコハマメリー』や『禅と骨』など、歴史に名を残す名作を紹介する中で上映館である同館も取材してきた。
その横浜ニューテアトルが、2018年6月1日をもって閉館することになったという。
伊勢佐木町の歴史ある2番館が閉館!?
「諸般の事情により営業を終了する」というお知らせが
46年間上映を続け、伊勢佐木町の顔でもある映画館が閉館するのはなぜなのだろう。オーナーの長谷川喜行(はせがわ・のぶゆき)さんにお話を聞いた。
脳梗塞による後遺症が続く
長谷川さんに閉館について伺うと、「要因の一つは体調の問題。脳梗塞で倒れてから、後遺症が残っているんだよ」と話す。閉館は以前から決めていたことで、突然の決定ではないそうだ。
長谷川さんは2011(平成23)年3月に倒れ、病院に救急搬送。数ヶ月間入院し、退院後も、リハビリのために通院を繰り返していた。今も言葉や聴覚が思うようにならず、以前のようには働けないという。
横浜ニューテアトルは、前身である東京テアトル直営の「テアトル横浜」から名前を変えて、1972(昭和47)年に松竹系洋画劇場となった。その際に以前のままの名前は使ってはいけないと言われたため、館名に「ニュー」を付けて再出発した。
伊勢佐木の街とともに歩んできた
映画館業界全体の売り上げが伸び悩む中で、2006(平成18)年公開の『ヨコハマメリー』が記録的な大ヒットとなるなど、作品にも恵まれて個性的な作品の上映を続けてきた。
一方で、2010(平成22)年に「日本のイルカ漁を扱った海外ドキュメンタリー」を公開した際には自宅にまで抗議者がやってくるなど、苦難の時期もあった。そうしたストレスも体調不良の要因になった可能性があるそうだ。
これまでの上映作品の思い出について伺うと、「やっぱり人生の節目に観た映画が記憶に残っているね。自分の場合は、初めて父親の映画館を手伝ったときに上映していた『スタンド・バイ・ミー』に始まって『バットマン』、それから『ヨコハマメリー』かな」と振り返る長谷川さん。
お別れイベントが開催予定
館内に飾られた似顔絵。よく特徴を捉えているが、本人曰く「全然似てない!」とのこと
閉館に向けては「静かに幕を引きたい」という意向から、大規模なイベントは行わない方針だ。
その代わりに、お別れイベントとして、クラッカーやサイリウムも持ち込み可能な『バーフバリ』の絶叫上映や、『この世界の片隅に』『マイマイ新子と千年の魔法』の上映と、片渕須直(かたぶち・すなお)監督舞台挨拶などの企画が行われる。
同館では2度目で最後の絶叫上映。チケットはすでに完売!
横浜ニューテアトルへの思い入れも強いという片渕監督の舞台挨拶チケットは5月19日から窓口で販売。また、最終日にも第3弾のお別れイベントを行う予定で、現在調整中だ。
伊勢佐木町の街並みを形作ってきた2番館の閉館は、街の姿を変えていくことになりそうだ。その幕引きの瞬間や閉館後の姿も含め、はまれぽでは今後も追い続けたいと思う。
-終わり-
上映スケジュール、イベント詳細などは公式ホームページをご参照ください
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片瀬のとび丸さん
2018年06月03日 12時15分
クラウドファウンディングで、経営資金を募って何とか施設を賃貸とかでも再開出来たら良いのに。
よこはまいちばんさん
2018年05月18日 13時35分
地元大手企業が名乗りを上げて存続出来る道はないんですかね~ 間接的にだが地元が潤うって事にメリットあるんじゃないの?
たけむらさん
2018年05月17日 23時34分
伊勢佐木町からミニシアターの灯が消えてしまうのは寂しい。後継者が名乗りをあげたら、継続もあるのかな