横浜市西区浅間町のレアものが並ぶプラモデル店「レオナルド」ってどんな店?
ココがキニナル!
岡野町の路地裏に、最近では見かけなくなったプラモデル店を見かけました。20年、30年前のプラモデルの箱が並んでいるのが気になります。(ツメシボさん)
はまれぽ調査結果!
「レオナルド」は関内のお店が手狭になり今の場所へ移転。プラモマニアから買い取ったお宝プラモデルが並び、むかしの模型少年の心を踊らせる中古プラモデル専門店だった。
ライター:星野 憲由
今回は、西区岡野町の路地裏に、20~30年前のプラモデルが並ぶお店があるという投稿。
駅からも離れている場所だと思われるが、なぜそのような場所で営業し、昔のプラモデルを販売しているのだろうか? まずは現地を訪れることにした。
投稿のプラモデル店は、横浜駅西口からドン・キホーテや横浜ビブレが並ぶパルナード通りを抜け、岡野交差点へ。そのまま直進して、岡野公園の交差点を右折する。
「岡野町」の交差点だと思っていたら、信号の表示は「岡野」だった
川を越えた小さな公園の向かいに、ひっそりと立つプラモデル店。これが今回のキニナルのターゲット「レオナルド」だ。
横浜駅から徒歩12分ほどの場所
店名がわかるものは、小さな看板が1つ出ているだけ
看板は旧店名・旧電話番号なのでご注意ください
店頭には、食品などのおまけに付いていた食玩やガチャポンのアニメフィギュアや飛行機、戦車などが壁に掛けられている。テーブルには、箱のない飛行機や戦車のプラモデルキットが特価で売られていた。
箱がないだけで、通常より約50パーセントオフという特価商品も
いざ、店内へ突撃!
「こんにちは」と店内に入ると、人が1人やっと歩ける程度の通路が確保されている。店内は、上から下まで、ビッシリとプラモデルの箱が積み上げられていた。
まさにプラモデルに囲まれた店内。プラモデルのダンジョンといったところか
店内には戦闘機や戦車、軍艦、レーシングカーなど、子どもの頃に見かけた懐かしいキットが並ぶ。ちょっと待て。よく考えるとこれはおかしい。いまどきのプラモデル店なら、ガンダムをはじめとしたアニメ系のキットが目立つところに並んでいるのが普通だ。ガンプラも少しだけあるのだが、メーカーであるバンダイのロゴマークが今のものと異なる。マニアには、たまらないレア物だ。
人間(子ども?)をデザインしたバンダイの旧ロゴのパッケージはマニアにはお宝だ
プラモデルのダンジョンの奥には、文字通り、ボスキャラのごとく店主の姿があった。店長の稲葉武雄(いなば・たけお)さんは、プラモデルの知識が豊富で、プラモデルのレア物を見抜く力も、モデラー(プラモデルを組み立てるプロ)としてのレベルも高い。
店長の稲葉さん。ちょっと怖そうな風貌だが、話してみると、とても気さく
まず、このお店について聞いてみると、当初は別の場所で営業していたと教えてくれた。
もともと秋葉原を拠点とし、全国にグループ店を展開していたプラモデル・模型専門店「レオナルド」のグループ店の1つとして、関内駅と桜木町駅の間あたりにある中区の尾上町スカイビルにあった。このグループは、マニアには有名なプラモデル買取専門店で、お宝キットを販売している伝説の店として知られていたそうだ。
今もバス通り沿いに尾上町スカイビルはある
10年ほど前の2009(平成21)年ごろ、手狭になって、新しい店舗を探していたところ、今の浅間町の物件と巡り会い引っ越してきたのだそう。
しばらくして「レオナルド」本店の社長が亡くなり、グループは解散することになった。当時は「レオナルド2」「レオナルド横浜」などと呼ばれていたが、新たに「レオナルド」として独立し、以前と同様にプラモデルの買い取りと、買い取った中古商品の販売を行っている。懐かしいプラモデルばかりが並んでいたのは、これが理由だったのだ。
個人的に懐かしいパッケージばかりが並び、思わず財布が緩みそうになる
昨今、プラモデルの買い取りをしている店の中には、無届けで行っている店も多いらしい。しかし「レオナルド」では、古物商の許可をとってクリーンに営業している。そんなビジネススタイルに、稲葉さんの真面目さが感じられる。