横浜市西区浅間町のレアものが並ぶプラモデル店「レオナルド」ってどんな店?
ココがキニナル!
岡野町の路地裏に、最近では見かけなくなったプラモデル店を見かけました。20年、30年前のプラモデルの箱が並んでいるのが気になります。(ツメシボさん)
はまれぽ調査結果!
「レオナルド」は関内のお店が手狭になり今の場所へ移転。プラモマニアから買い取ったお宝プラモデルが並び、むかしの模型少年の心を踊らせる中古プラモデル専門店だった。
ライター:星野 憲由
実は量販店などで売っている新品プラモデルはない?
店内にどのくらいの数の在庫があるか聞いてみると、稲葉さんは、ちょっと照れながら答えてくれた。
「正確な数はわからないけど、おそらく2万点はあるんじゃないかな」
しかも、その全てが買い取りしたものばかりで、新品は取り扱っていないと言う。
「だって、新品なんて、なんとかカメラで安く買えるからね。そんなものを売っても、つまらないでしょ」
太平洋戦争の軍艦を一堂に集めたウォーターラインシリーズも充実
いわば店内、全てがお宝。そうなれば、遠くから来るお客さんも多いだろう。実際、稲葉さんに聞くと、日本全国だけでなく、訪日観光客まで来店するとか。
ちなみに、お宝の在庫の確認を電話で問い合わせしてくる人もいるそうだが、そういった応対はしていない。それは状態も含めて、店内で現物を見つけて欲しいから。簡単に探せれば便利だけれど、自分の足を使って探す楽しさを味わって欲しいのだそうだ。
店内でお宝プラモデルを巡る
ズバリ、店内にあるプラモデルで、最も貴重なものについて聞いてみた。すると奥から出してきてくれたのが「マルサン 1/50 THE NAVY TYPE 10 JAPANESE CARRIER TOR PEDO BOMBER」。マルサンは、日本初のプラモデルメーカーと呼ばれる会社ながら、何度か倒産、復活を繰り返しているのだが、このキットはその第1期に製造された約50年前のもの。価格は応相談だが、市場価格では30万円とも50万円とも言われている。
パッケージがほとんど英語で書かれているのは、海外輸出に力を入れていたため
当時の子ども達の憧れの的であった「サンダーバード秘密基地」も見つけた。こちらは2万5000円。発売当時は2200円で、青島文化教材から現行販売されているのがホームページによると5800円。しかしお店にあるのは、最初に製造した今井科学製で、IMAIのロゴマークが入っている。このマークが、当時の少年には泣けてくるのだ。
日本中のオヤジを泣かす? 今井科学の「サンダーバード秘密基地」
今井科学の名の通り、空想科学、SF系のキットが充実していた
ある一角には、あまり見かけたことのないパッケージが並んでいた。これらについて聞くと、アジア圏で製造されたプラモデルだという。確かに中国語の簡体字やハングルの文字も読み取れる。珍品ではあるが、キットそのものは日本のプラモデルのパクリが多いらしい。
中国製や韓国製のプラモデルまである
店内には、かつて食玩で発売された、組み立てキットの飛行機や戦車も充実している。本来なら箱を開けないとわからない中身を透明ビニールに入れて、中が見えるようにして販売しているので、お目当てのキットを買うことができる。ちなみに1点、1点、チェックしているから、本来ないはずのミスプリントのレア物が発見されることも。
中身を見て、お気に入りのカラーリングを探すのだ
中段の戦車、上段の戦車は、本来3種なのにミスプリントによって4種が存在している
自分のストーリーを組み上げられることがプラモデルの魅力
稲葉さんはレオナルドの店長という顔と別に、モデラーとしての顔も持っている。店内に飾られた完成品は、すべて稲葉さんの作品だ。その実力は、ぜひ店頭でその眼で確かめて欲しい。これらは単なる展示だけでなく、販売も行っている。また組み立てや塗装、改造などのオーダーも請け負っているそうだ。
飛行機を中心に見事な仕上がりの完成品が並んでいる
本来、車輪と車軸を羽根に挿すキットだったものを、開閉できるように改造
この細かすぎる操縦席をご覧あれ。もちろん手作りで加工したものだ
最後に、稲葉さんにプラモデルの魅力について聞いてみた。
「飛行機でも戦車でも、実際の戦争に参加したものに人気があるんです。理由は、実際にそれらが戦場でいかなる活躍をしたのかストーリーがあるからです。実際にどんなパイロットが乗って、どんな戦線で戦ったのか。歴戦の勇者だから、汚れも激しかったろうとか、塗装も剥がれていたろうとか。撃墜マーク(撃墜した飛行機の数だけ星マークなどを描く)を描かれていたろうって。それが忠実であっても、想像のストーリーであっても、自分ならではの物語を思い描いて、プラモデルを作りに折り込む。結果、自分だけの完成品にできることが、よりプラモデル作りを面白くするんですよ」
金属の剥がれや、汚しをし、撃墜マークを書き添えることで、リアリティが増す
歴史的に忠実であれ、空想のストーリーであれ、プラモデルを作りながら、そこに自分だけのストーリーを込められるところに楽しさがあるというわけだ。単にハードを組み立てるのではなく。自分のストーリーを作れることがプラモデルの魅力なのだと再認識させられた。そういえば、近年、大ヒットしているガンプラも、ストーリーを描けるプラモデルであった。
取材を終えて
店内で取材中に何人かの来客があった。その全てが、中高年の男性ばかり。ゆっくりした時間を確保した今こそ、模型少年に戻るのだろう。実際、客層は圧倒的に中高年の男性が多いそうだ。
路地裏にあった「レオナルド」は、昔懐かしのレアなプラモデルが並び、中高年男性にとって少年時代を思い出させてくれるお店だった。
-終わり-
取材協力
レオナルド
住所/横浜市西区浅間町1-10-1
電話/045-317-8447
営業時間/12時〜21時
定休日/無休
※情報は取材当時のものです
よこはまのみつるダイヤさん
2019年09月03日 00時18分
たまたま近道した所がお店の前の道で、仕事先の人と一緒でしたのでそのまま通り過ぎた、その週の休日再度お店を訪れ店頭の入り口ワゴン前の網にクリップで吊り下げられていたフィギア、20年前当時発売の新選組フィギアが並んでいて、それも永倉新八や山南敬助までもあり 全部まとめて買ったことが有る、また行ってみよう(笑)