東神奈川駅西口のCycle Treeと書かれたかっこいい建物は何?
ココがキニナル!
東神奈川駅西口のイオンの裏側にCycle Treeと書かれたかっこいい建物があります。ガラス張りの立体自転車置き場のようなものなのですが、いったいなんなのか調査お願いします。(ハマ太郎さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
JFEエンジニアリング株式会社の独身寮に併設された機械式立体駐輪場だった。簡単に入出庫できるサイクルツリーは川崎駅前などでも稼動している。
ライター:山口 愛愛
カギはいらず、わずか5秒で入庫完了
サイクルツリーの特徴は、自転車の保管棚が円柱の中心から放射状にのびていること。立体的に高さがあるので、少ないスペースで多くの自転車を管理できる。
下から見ると、自転車を移動させる青いリフトを中心に自転車が並んでいるのがわかる
「まずは自転車を出庫させますね」と松尾さん。
ICカードをかざし、たった5秒で・・・
上階にあった自転車が下りてきて、エレベーターから出てきた!
最上段にある自転車も10秒足らずで下りてくる。
「次は入庫です。自転車を入出庫口の前に置き、ボタンを押すだけなんですよ」
セット位置の溝にタイヤが入るように置けばOK
入庫ボタンを押しただけで自転車はエレベーターに吸い込まれていった
この自転車はものの数秒で上がっていき最上段に納められた
もちろん機械がすべてやってくれるので、人が見張っている必要もない。
「これは予想以上に簡単で早いですね」と驚いていると「駅前の駐輪場などでは通勤時間帯の混雑や盗難が心配されますが、人間が中に侵入できないので鍵を掛けなくてもいいですし、短時間でスムーズに入出庫できますよ」とメリットを語ってくれた。
寮の7階から見ると自転車が整然と並んでいるのがわかる
この技術の秘密はICタグリーダーに隠されていた。利用登録の際、自転車にはID番号を記録したICタグを取り付ける。入庫の際、ICタグリーダーによりICタグの情報を読み取り、ID番号何番の自転車がどの位置に保管されているか、機械が記憶する仕組みだ。出庫の際は、ICカードを機械にかざすだけで、自転車が出てくる。
細く小さいタグ(左)をICタグリーダー(右の黒いパネル)が読み取っている
葛西駐輪場などでは、地上式のサイクルツリーではなく地下にツリーが設置され、1段18台収容×10段のタイプの機械が36基も稼働している。地上のスペースをとることなく、なんと6,480台も自転車を管理しているのだった。サイクルツリーは2007年度の日本機械学会優秀製品賞を受賞した優秀なシステムであった。
そしてこの寮のシステムで驚くのは、サイクルツリーだけではない。
屋上には「追尾式太陽光発電設備」があり、太陽の方向に合わせてソーラーパネルが動き効率的に発電するシステムが採用されていたり、共用部の空調には地中熱利用空調設備「ジオトピア」を導入し、従来型空調と比較し消費電力を約40%削減している。
駐車場には30分で約80%の充電が可能な電気自動車用急速充電器「ラピダス」が備えられていた。ほかにも機械式立体駐車場「パズルタワー」やLED照明など、エコと最新技術の集大成といえる画期的な独身寮であった。
2011年に竣工した寮は自社の最新技術を取り入れた省エネ建物
「これらの技術を紹介している、当社CMがtvkで流れているんですよ」と富山さん。テレビモニターで見せてもらった。
tvkで土曜日の夕方にオンエアされているのでチェックしてみよう
「最新技術を駆使した快適な独身寮があり、若い社員も積極的に働ける会社なんです」と松尾さん。スタイリッシュなサイクルツリーを開発している会社は、地球にも社員の環境にもやさしいエコな企業であることがわかった。
取材を終えて
サイクルツリーは寮生だけでなく一般の方も使えるように検討中とのこと。横浜でも駐輪場不足は問題視されているのでサイクルツリーが増えれば違法駐輪も改善されることだろう。これからも、エネルギー技術を駆使したエコシステムで横浜の街づくりに貢献していただきたいと感じた。
― 終わり ―