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六角橋商店街が、地下鉄駅の建設誘致に反対したって噂は本当?

ココがキニナル!

その昔、六角橋商店街が地下鉄誘致に反対したという噂を聞きましたが、本当ですか?(WELLさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

噂は誤解で、実際に反対したのは六角橋商店街に隣接する「西神奈川三丁目商興会」の一部。地元では、むしろ賛成だった人も多かったようだ。

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ライター:河野 哲弥

実際のところ、町の人の意見はどうなのか

地域住民は、本当に賛成していたのだろうか。
そこで、当時のことを覚えていそうな高齢の方を中心に、同商興会付近の町の声を拾ってみることにした。
 


乗り換えが多くて大変と話す、Aさん


Aさんによれば、買い物は近所で済ますものの、大きな病院へ行くときなどには不便を感じるそうだ。どこへ行くにしても、まずバスに乗ることになる。そして、市営地下鉄に乗り、さらにJRに乗り換えなくてはいけないこともあるらしい。

この付近に地下鉄駅があれば、こうした乗り換えが1つでも減るので、かなり楽だっただろうと話す。

また、鮮魚店を経営する宮川さんによれば、「横浜にお客さんが流れるという話も出たけど、逆に買いに来てくれる人もいるだろう。何よりにぎわいのある町の方がいいよね。駅はあった方がよかったのかも」とのこと。
 


商店主としては駅があった方がうれしいと話す、宮川さん

一方、かつてこの辺には井戸水を使用していた家庭があり、反対派の人が「井戸が枯れる」と話していたのを覚えているそうだ。今では水道水を使っているので何とも言えないが、当時水が絶たれることを心配していた人もいたのは事実のようだ。

ほか、「時代が違うので、今と昔をそのまま比べることはできない」という慎重な意見が一部にあったが、多くの方が賛成意見を述べていた。



横浜市営地下鉄にも、事実の確認を取ってみた

念のため、建設当時の状況について、横浜市交通局にも確認を取ってみた。すると、市内の大きな図書館に『横浜市高速鉄道建設史』という文献があるので、参考にしてみてはとのこと。
 


さっそく同書を閲覧してみることに
 

計画されていた路線図、青線の「B案」が、現行路線
(『横浜市高速鉄道建設史』より)


同書には、浮島さんの話とほぼ同じ、3つの案が示されていた。ただし本来の上図B案は、途中で北側(図右側)に反れ、新横浜駅北口に到着するような形になっている。

これについて同書は、「地元住民の団体から出された意見」をもとに、上図B案を採用したとしている。さらに、近接競合する他の路線を避けるため、最終的に上図の青で囲まれた「検討案」に着地したようだ。
 


1976(昭和51)年、横浜市営地下鉄に、伸延の事業免許状が与えられた


1972(昭和47)年に、上大岡~伊勢佐木長者町の一部区間が開通した市営地下鉄(ブルーライン)。同線が横浜~新横浜間に伸延したのは、1985(昭和60)年のことである。この区間の開通が10年以上も遅れた理由は、こうした反対運動に基づく計画変更の影響もあったようだ。



幻の六角橋駅

こう見てくると、地下鉄誘致に対する反対運動があったことは間違いない。しかし実際は、一部の有力者の思惑が、地元住民の声として、市側に受け入れられていった背景もあるようだ。
 


白楽駅から神奈川大学に向けて、多くの人通りであふれる中心地の様子


もし六角橋駅ができていたら、現状とどう変わっていたのか・・・この問いに答えられる人は、おそらく誰もいないだろう。六角橋駅ができていたらもっと栄えていたかもしれないし、駅ができなかったからこそ現状が守られている可能性もある。地元の一部の方がおっしゃっていたように、「今と昔をそのまま比べることはできない」のである。

半世紀も前に計画された幻の六角橋駅。今はその上で、市営地下鉄開通以後に生まれた学生たちが、青春を満喫している。


―終わり―

 

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  • この記事から5年後の2017年、西神奈川三丁目商興会は消滅し、事務所の後にはファミマが残るのみと言う諸行無常。地元民として、取っ払われて空が広く見える上麻生道路に、色々複雑な思いを感じているのである。

  • 反対派の人はまだ生きてるのかね。私利私欲迷惑なことですね。ウチのエリアもバス反対をした奴がいて中止に。いまは本人は死に、そして町も高齢化。バス無しで皆困っていますよ。

  • 調べて頂き、本当にありがとうございました。過去にいろいろな思惑があったということが分かり、少しすっきりしました。その当時の少ない情報では不安にかられるのも致し方ないのでしょう。

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