根岸にある『馬の博物館』ってどんなところ?
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根岸の馬の博物館について詳しく知りたいです!(maniaさんのキニナル)
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中区根岸台の根岸競馬記念公苑にある『馬の博物館』は、日本における競馬の発祥や、人類と馬とのかかわりを学ぶことができる学習兼娯楽施設。
ライター:松崎 辰彦
企画展も開催されている
『馬の博物館』では定期的に企画展を開催しているが、訪れたときに展示されていたのは江戸時代の武具や馬具であった。
日本の馬文化は、武士や貴族の生活と結びつくことで発展した。優れた馬を所有することが彼らの誇りであり、権威であった。現代における高級車のような位置付けだったのだろう。馬具である鞍や鐙(あぶみ)など、美しく仕立てられている。
馬具が展示されている
鞍や鐙(あぶみ)に金が塗られている
馬に乗った武者。重い武具を装備して移動するためにも、馬は重要であった
さらに漫画『優駿の門』の作者であるやまさき拓味氏の原画展も開催されていた(残念ながら写真撮影は不可)。
展示室は全部で4部屋。それぞれ195㎡、581㎡、88㎡、244㎡という広さで、おのおのテーマの異なる展示がなされている。さらにイベントホールや休憩室などもあり、家族連れでも十分に楽しめる作りになっている。
日本では馬が少なくなっている
人間が馬を家畜化したのは、今から約5000年前の中央アジアでのことだという。それが労働力としてなのか、肉を食べるために飼ったのかは、わからないらしい。
ところで、馬の中でも現在もっとも生産頭数の多いサラブレッドは、17世紀にイギリスで、アジアから輸入されたオス馬に、イギリス在来のメス馬を掛け合わせ、以後200年かけて足の速い馬を選別して作られたものである。日本には明治時代に輸入された。
それまでの日本の馬はサラブレッドのような大きなものではなく、木曽馬のような小型のものであり、荷物を運ぶに適した耐久力に優れたものであった。
人類と馬との古代からのかかわりを示すパネル。世界各地で馬に関する資料が出土している
日本の馬のハニワ(複製)
日本では現在、こうした在来馬は現在約1800頭しか存在しない。自動車の普及により、労働力としての馬の需要が急激に低下したことが理由である。
一方、ドイツなどは乗馬人口1700万人で、“自動車は馬の代用品”という考え方がいまだに残っているのだという。
日本人は、もっと馬に親しんでもいいのではないか──そんなことも、考えたくなる。