横浜で花火を打ち上げている「横浜 山田の花火」とは!?
ココがキニナル!
横浜の花火を発展させた業者「横浜 山田の花火」を取材してください。(恋はタマネギさん、ootaharaさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
山田の花火は開港祭、神奈川新聞、金沢まつりといった横浜で行われる大きな花火大会での打ち上げのほか、店でおもちゃ花火の通年販売も行っている。
ライター:吉澤 由美子
花火の構造
隅田川の花火大会は江戸時代にはじまった。とはいえその頃の打ち上げ花火は、今のようにカラフルな色がなく、暗い炭色(炭火色)のみ。炭色というのは、わかりやすく言うと線香花火の火花の色だ。
カラフルな色の花火は明治時代、西洋から日本に入ってきたもので「洋火」と呼ばれ、横浜では1877(明治10)年に日本初の洋火花火大会が行われた。
カラフルな色の花火は明治以降のもの
そして現在、花火は色だけでなく、形、音などさまざまなバリエーションを増やしている。空いっぱいに大きくしだれるもの、土星やハートの形のもの、蜂のように不規則に動くものなど実にさまざま。
開いた後、不規則に動く花火は見ごたえアリ!
花火が開く時、1つの花火からたくさんの光が散っていく。その光は星と呼ばれる。
お店に飾ってあった尺玉(10号)のサンプル
打ち上げ花火には、星が球形に広がる割物と、上空で花火の玉が2つに割れてそこから星を放出するポカ物という2種類がある。大きく開く日本の割物花火は特に完成度が高く、芸術的な美しさで世界的に評価されているそう。
大きく花開く花火は、夜空を彩る一瞬の芸術
打ち上げ花火は、中心に「割り火薬」という花火を上空で開かせるための火薬があり、そこから外に導火線がつながっている。
割り火薬の周りには、中心に開く星、外周近くには外側に開く星が置かれ、外周は紙で包まれている。
花火の構造。2つ割りにした打ち上げ花火がお店のウィンドウに飾られていた
大きな花火の球の上部に小さな球や円筒の花火がついているが、これは花火が上空に昇っていく間にその小さな花火が開くことで光の尾を引いたり、小花を散らしたり、笛のような音をたてるなどの演出をするもの。
こちらには円筒形の小さな花火がギッシリとついている
花火の打ち上げは、打ち上げ筒と呼ばれる金属製の筒に黒色火薬を入れ、その上に花火の玉を入れ、筒から導火線を出してセッティングする。
導火線から黒色火薬に着火して爆発が起こり、そのガス圧で花火の玉が打ち上がる仕組みだ。
筒の中は一瞬で火が回り、打ち上がりながら花火の玉から出ている導火線を火が進んでいく。そして、上空で玉の中心にある割り火薬に届いて花開き、星が散っていく。
色や性質の違う星を組み合わせて配置することで花のような形に
横浜の花火大会の打ち上げは山田の花火
割り火薬が均等でなかったり、星の位置が悪かったり、外周に張った紙がいびつだったりすると開いた花火の形も悪くなる。美しく開いた花火はまさに職人芸のたまものなのだ。
日本の花火は玉なのできれいに丸く開く。外国の打ち上げ花火は円筒形が多いそう
山田さんは花火製造の修行もされている。大学を卒業後、長野にいる師匠の元に弟子入りし、花火製造を学んだ。この経験が花火の設置や演出、構成といった今の仕事にかなりプラスになっているとのこと。
「職人が手間をかけて心を込めて作った花火です。それをうまく生かして打ち上げるのが私の仕事」と山田さん。
ヤシの木のようなフォルムが夏の夜空によく映える
それぞれの職人さんの花火には個性がある。山田の花火では、さまざまな職人さんの花火を組み合わせることで華やかな演出を行っている。