関内にあるマリナード地下街の「マリナード」って何?
ココがキニナル!
関内にあるマリナード地下街の「マリナード」の由来は?運営する「横浜中央地下街株式会社」は「横浜中央」でなくなりましたが社名変更の予定は?従業員7名で運営できるの?(浜っ子魚河岸五代目さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「マリナード」は「マリン」と「プロムナード」の造語。横浜中央地下街株式会社は、近辺の企業が合資して作られた。社名変更予定はなく7名で問題ない。
ライター:橘 アリー
公募で選ばれた名前だった!?
―マリナード地下街ができたのはいつですか?
地下街が開業したのは、1977(昭和52)年の10月です。
開業した頃の地下街は、レンガ通りという雰囲気で作られていた
現在はグレー調で、落ち着いた雰囲気になっている
―マリナード地下街というのは、この地下街の正式名称でしょうか?
地下街の正式名称は「横浜中央地下街商店会」で、「マリナード」というのは横浜中央地下街商店会の愛称です。
―愛称を作ることになった理由は?
「横浜中央地下街」というのは、社名としては問題ないのですが、商店街の名前としては、一般のお客様には日常的な感覚で受け入れやすくないのでは、と考えたからです。
―愛称はどのようにして付けられたのでしょうか?
まずは商店街の出店者の方々にお知恵を拝借し、そして一般に公募することになりました。
1977(昭和52)年4月10日に「My name is・・・・」というタイトルで、B3判ポスターを作って、地下街愛称の募集を始めました。
愛称募集のポスター(横浜中央地下街株式会社資料より)
―応募はどれくらいあったのでしょうか?
募集の締め切りは1ヶ月後の5月10日で、応募件数は約4700通でした。当時、緑区にお住まいのSさんという方が「マリナード」という名称を応募されました。
―「マリナード」とはどういう意味なのでしょうか?
「マリン(海)」と「プロムナード(散歩道)」を合成した造語で、ミナト・ヨコハマらしい地下街、港につづく散歩道を意識して名付けられたものです。
開業当時のマリナード地下街の様子(横浜中央地下街株式会社資料より)
なお、マリナードの英語表記は、本来、marineとpromenadeからmarinadeとすべきところだが、その単語が「マリネード(一般的にはマリネ)」、つまり「つけ汁」と同じになり、それでは不適切なので、発音が「マリナード」となる「marinard」が採用されたそうである。確かに、「つけ汁」ではオシャレな感じはしない。
そして、「マリナード」のシンボルマークは、「marinard」のmとnを結びつけたもので、波型と広場をシンボル化したもの。波は横浜港、広場はマリナード地下広場を意識して取り入れられているそうである。デザインしたのは、つくば万国博覧会のテーマ館アートプロデューサーとしても知られるグラフィックデザイナーの粟津潔氏。
現在でも使われているシンボルマーク
取材を終えて
約4700通もの中から選ばれた「マリナード」という愛称。名付けられてから36年目になる今日でも、親しまれて使われている。
横浜には明治時代に誕生した「横浜ことば」というものがあるが、「マリナード」もまた、昭和時代に作られた「横浜ことば」のようにも思えてくる。
―終わり―
たけむらさん
2017年01月01日 21時53分
当初は、現在首都高になっている川跡の空間に地下鉄を通す計画だったけど、景観の問題から首都高を高架にするのを避けるため地下鉄を尾上町通りに変更したと読んだことがあります。マリナードが伊勢佐木町まで通じているのは、駅から遠くなる伊勢佐木町への配慮なのかな
ゆたかさん
2013年04月06日 07時17分
ushinさんのいう通りだと思います。英語が身近でない人が合成語を作ると、意図しない読み方になったり、意味を持ってしまったりすることがあります。英語を母国語とする人からすれば、笑い話のネタなんでしょうけどね。お手数ですが、慎重にやってくれるにこしたことはありません。
ushinさん
2013年04月05日 16時36分
『「マリネード(一般的にはマリネ)」、つまり「つけ汁」と同じになり、それでは不適切なので、発音が「マリナード」となる「marinard」が採用されたそうである。』きちんと検討して良かったです。マリネならまだしも、こういう造語って思いつきのようにパッと発表してしまってから、「卑猥」だったり「差別」だったりする忌避語になってた・・・なんてことが時々起こるので。