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いつしか姿を消した明治時代の謎の外国人商人「アンドレス」の邸宅跡を大捜索!

ココがキニナル!

30年ほど前、南区の別所小学校近くに「アンドレス邸跡」という遺構がありました。現在もあるのでしょうか?さらにアンドレスって何者でしょうか?(チロリン村長さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

アンドレスさんは外国船の元船員。外国人向け商店で儲けて、別所の人々に親しまれながら暮らした。記念碑は十数年前に別所小学校の横に移転された。

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ライター:橘 アリー

「一説によるとイタリア人」って、どういうこと?



アンドレスさんは商人ということなので、明治時代に外国人が経営していた商店・会社で、経営者の名前が「アンドレス」ということで調べていくと、「コードルリエ(Caudrelier,Louis)〈原文ママ、以下同〉」というフランス系洋酒店があった。
 


洋酒店「コードルリエ」が載っている資料『横浜外国人居留地』(編集:横浜開港資料館)

 
『横浜外国人居留地』によると、「コードルリエ」は1876(明治9)年に、コードルリエという人物が設立した洋酒店で、1882(明治15)年からは、共同経営者だったイタリア人のアンドレイス(Andreis)の単独経営となっている。

そして、図書館で最初に調べた時に見つけることができなかったが、『みなみ歴史とまちなみ散歩道』(編集・発行:南区役所)という本に、アンドレスさんがコードリエ商会(洋酒・雑貨販売業)を1878(明治11)年ごろに創設した、と書かれている。
 


『みなみ歴史とまちなみ散歩道』

 
ちょっと紛らわしいが、商店の名前が、『横浜外国人居留地』には「コードルリエ(Caudrelier,Louis)」、『みなみ歴史とまちなみ散歩道』には「コードリエ商会」。
『みなみ歴史とまちなみ散歩道』にはアルファベット表記はない。

個人名の表記は、『横浜外国人居留地』には「アンドレイス(Andreis)」、『みなみ歴史とまちなみ散歩道』には「アンドレス(E.ANDREIS)」。
個人名のアルファベット表記は同じだが、商店の名前や規模、開業の経緯、創設年などは異なっている。

記念碑が建てられたアンドレスさんの商店は、名前は似ているが、『横浜外国人居留地』に記載されている「コードルリエ(Caudrelier,Louis)」とは別のものではないだろうかと思われる。

さらに「コードリエ商会」についての資料を探してみたが、残念ながら見あたらなかった。

似ている名前のまったく違う商店が資料に残っていたため、「一説によるとイタリア人」というような注意書きが付け加えられたのではないか。

先述した「アンドレス邸跡」があった場所に住んでいる方の「アンドレスさんは故郷のスイスの地形に似ていることから別荘を建てた」という証言もあるので、やはりスイス人という説の方が有力だろう。

続いて、アンドレスさんがどのような人物だったのかについて。



村人に親しまれていた!

アンドレスさんや別荘については『みなみ歴史とまちなみ散歩道』に少し書かれているが、そのあたりの記述は『別所風土記』(山田歌吉著)を参考にしているようなので、その資料を探した。

図書館・区役所・町内会を探したが、残念ながら『別所風土記』は見つからなかったが、同じ著者が書かれた『わが別所村の軌跡(きせき)』という資料が見つかった。そこにも、アンドレスさんや別荘について書かれていた。
 


『わが別所村の軌跡』

 
ちなみに著者の山田歌吉さんは、もう亡くなられているが、生前には別所町友会の会長を務めたこともあり、別所地域の活動にとても貢献された方であるようだ。

資料によると、アンドレスさんは、もともとは外国船の船員だったそうだ。日本に来た時に、外国人が多いわりに外国人向けの商店が少ないので、外国人向けの商店を開けば儲かると考え、船員を辞めて山下町に「コードリエ商会」を開業したという。

アンドレスさんは、船員たちに働きかけて、仲間のよしみで格安で商品を仕入れて、それを販売していたそうだ。酒類は大型缶で輸入して加工し、小さな缶詰に小分けにして販売したりしたそうだ。

商売は順調にいき、当時は山林だった別所の丘の2万平方メートルを切り開いて、1885(明治18)年に別荘を建てたようである。
 


現在の様子からは、山林だったころが想像しにくいものだ

 
別荘の廊下には、横浜港に向けて望遠鏡がデンと鎮座していて、望遠鏡で横浜港を眺め、そこに外国船が着くとアンドレスさんは一仕事するために港へ飛んで行ったそうだ。

また、アンドレスさんは、村の人たちとも交流があったようだ。
村祭りに相当の寄附をするなど、援助を惜しまず、日本人の中に溶け込んでいた。
村の子どもたちに相撲をとらせて、褒美を出したりしていた。子どもたちも自由のアンドレスさんの別荘へ遊びに行ったそうだ。

アンドレスさん自身は、優雅に乗馬やクレーガンなどの遊びもしていたという。
 


著者が書かれた1926(大正15)年の別所村の配置図

 
また、アンドレスさんは、村人たちに外国のお酒や食べ物を振舞うなどしていたそうだが、
明治のこのころは、多くの日本人は“赤いぶどう酒は人間の血だ”と信じていた時代だったため、恐る恐る興味本位で味見をしていたそう。

当時の村人の中には、“日本でチョコレートケーキを初めて食べたのは自分だ”と威張る人がいたり、「鼻をつまんで怖々と食べ美味しくなかった」と話す人がいたりしたそうだ。

そうしてアンドレスさんは周辺の住民に親しまれていたらしいが、関東大震災で別荘が倒壊したことにより、アンドレスさんの別所での生活も終わったという。

資料を探したが、残念ながらアンドレス邸の写真やイラストについては、残っていなかった。

アンドレスさんについて分かったところで、記念碑の現在の行方について。



記念碑の行方は!?



最初に現地へ行った時にお話しを伺った方が、後日、お電話で「記念碑が別所小学校の横にある」と連絡をくださった。

アンドレスさんのことを調べていくにつれて、どことなく親しみを覚えてきたので、記念碑があると分かり嬉しい!

まずは現地に行く前に、「別所小学校の横」ということなので、移転した経緯をご存じか小学校に問い合わせてみたが、副校長先生より、現在は経緯などがわかる職員がいないとのお返事をいただいた。
 


別所小学校

 
移転の経緯は分からないままだが、さっそく現地へ確認しに行くことに。
 


記念碑は、別所小学校の横(学校の敷地内)にあるので、許可をいただいて中へ
 

入って6~7メートル歩いて行くと、左側の植え込みの中に立っているのが見えてくる
 

探し回ってやっと見つかったので、記念碑が愛おしく見える!
 

横から見ると何なのか分からないが・・・
 

裏面に、「別所町友会30周年記念、昭和58年寄贈」と書かれている

 
記念碑を確認した後、ご近所の方に、今から7~8年前に現在の場所へ移転したと教えていただけた。
 


別所小学校の門の前から、アンドレスの丘が見える(赤丸のところ)

 
記念碑がある現在の場所は「アンドレス邸」があった所からも近く、土地開発で移動させられる可能性もなさそうなので、移転先となったのではないだろうか。

この場所ならば、「アンドレス邸跡」の記念碑は、末永く安心して立っていられるだろう。
 


アンドレスの丘からの眺めは素晴らしかった

 
アンドレス邸があったころを思いながら、アンドレスの丘を訪れてみてはいかがだろうか。


―終わり―
 

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  • いろいろと調べて下さって有難うございました。アンドレスさんと祖父は貿易会社を経営していました。祖父が所有していた旧川鉄跡地の5000坪に家を建て一緒に暮らしていたそうです。異人館と呼ばれていて屋号にもなっています。父からは外国人を招待してホースショーをしたりしていたと聞いています。イタリア人の貿易商だったとも言ってました。歩いて港まで通っていたそうです。今は開拓されて跡形もないですが、北側からはみなとみらいが良く見えて散歩していても気持ちがいいです。

  • 近所の話題だったので、興味深く拝見しました。さっそく、別所小学校まで碑を見に行ってきました。いつも粘り強い取材、感心します。今後も期待しています。

  • 山田歌吉さんと言えば、昭和初期の横浜映像を残した人ですね、今もYOUTUBEで見れますね。

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