鶴見の二郎インスパイア系「らーめんこじろう 526」、世界ランク8位の元プロボクサーが作るラーメンの味は?
ココがキニナル!
ラーメン二郎鶴見店の跡地に入った526鶴見店が気になります。店長が元プロボクサーで世界ランカーだったらしいです。(ヤスさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2013年、ラーメン二郎鶴見店跡に開業した「らーめんこじろう526 鶴見店」。元世界フライ級8位の店主が作る“二郎系ラーメン”は絶品!
ライター:松本 伸也
プロボクサーからラーメン職人への道へ
それでは店主・小林孝康さんに話をうかがいます
小林さんはキニナル依頼文にもあるように、フライ級世界8位まで達した元プロボクサー。店内にも現役当時の写真が控えめながら誇らしげに飾られている。
「プロボクサーとして12年間やってきて、日本1位になり世界ランカーにもなりました。ですが、私は(まぶた付近の)傷が開きやすく、出血が激しいと試合でも負けになってしまうことから、そろそろ厳しいかなと思うようになっていました。なので自分で悔いがないと思えるところまで試合をした2013(平成25)年8月で引退しました」
現役時代の一枚。精悍な表情は今も変わらず
その引退の挨拶をしに行った先に、小林さんが「親方」と呼ぶ人物の店があった。
「『らーめんこじろう 526 渋谷店』です。私は親方の店が雪が谷大塚にあったころからの常連でして、ずっと応援もしていただいていました。私としては引退後、手に職もないですから、国際的なパーソナルトレーナーの資格である“PFT”を取って故郷の福井に帰ろうかな・・・と思ったりしていたんですが、そこで親方と奥さんに『ラーメン屋をやりなよ』と声を掛けてもらったのですね」
「嬉しかったですがさすがに引退の挨拶の場でお答えする話ではないので持ち帰り、改めて考えてみてお世話になることにしたんです」そう続ける小林さん。
ユニフォームは“526Tシャツ”。HPで通販もしています
ところで、やっぱりボクサーというと過酷な減量が思い浮かぶが、二郎系の常連って真逆な気が・・・。
「ははは。実は私、あまりラーメンとか好きじゃなかったんです。でも、ボクサーは練習だけでもとても消耗するんですよ。だからガッツリ食べたい。そして塩分がとても欲しい。さらに私だけじゃなく多くのボクサーがお金がない(笑)。なので親方のラーメンがうってつけで、すっかりハマってしまったんです」
なるほど、それは納得です(笑)
量が多くて濃い味付けは実はボクサーの味方だったのだ
プロボクサーからラーメン職人への道へ、渋谷店で親方と修行の毎日となった小林さんに、すぐさま次の動きがあった。国道1号沿いにあるラーメン二郎鶴見店の店主が病気療養でお店を続けられなくなり、店舗の大家さんが困っているという話が入ってきた。
「大家さんが別の借り主を探していたのですが、大人気店舗の後ということで誰しもがやりたがらなかったんです。そうしたら大家さんとも知り合いだった渋谷の親方に話が持ち込まれまして・・・」
親方は小林さんに託したわけである。「もう即答でした。自分が大好きだったラーメンの味を、自分の店としてお伝えできる。ぜひやらせていただきます、ということで」プロボクサー引退からわずか3ヶ月後には、小林さんは「らーめんこじろう526 鶴見店」という一国一城の主になっていたのである。
「ぜひやらせていただきます!」から約1年、立ち続けている厨房
「ただ開店時は大変でした・・・なにせ本家の二郎さんの後であり、大人気店の後ですから。『味が違う』という結構いかんともしがたい反応はもちろん・・・まあいろいろと辛かったですよ」と振り返る小林さんだが、そこは元プロボクサー、持ち前のガッツで跳ね返していく。
1杯のラーメンに全てを注いでいる(こちらは普通サイズ。大に比べて器が一回り小さい)
「岸谷は国道沿いではありますが駅は多少離れている街です。なので地域密着、岸谷に行けばあのラーメン屋があると言われるようにねばり強くやっていましたら、段々と常連さんが来てくれました。そしてそのみなさんが、お友達を連れてきてくれたりする。嬉しかったのはご家族、しかもお子さんを連れてきてくれる方が多いことですね。味だけでなく、お子さんを連れてカウンターだけのラーメン屋に来るのは雰囲気もやはり大事です。そうやって徐々に地域密着、地域に根付いてきたのを感じられるのは本当に嬉しいですね」
今年初旬の大雪の際には「帰ったら次の日に来られないかも」とお店に寝泊まりしたところ、翌日が予想通りの大雪でも続々と常連さんがやってきたとか。本当に嬉しかったですね、とはにかむ小林さんだが、きっと実直なあの店主ならやってるな・・・ってお客さん、思ったんでしょうね。
「お子さん連れで来ていただけるのは本当に嬉しいです」
それにしても、修行から開店まで時間は全然なかったはずで・・・。
「はい、お世話になってからもみっちり教わりましたし、それは死に物狂いでやりました。親方の場合、たとえば『麺を打つ際は小麦粉と水が○グラムと×cc』なんて教え方はしてくれないんです。『これくらいとこれくらい』という感じでして、それを覚えて自分のものにしないといけない。それでいて季節や気候なども違う中で毎日、失敗せずに麺を作らないといけませんから」
季節や気候の違いによって気を付けないといけない点は、寒いときと暑いときで小麦粉と水の配合量や寝かせる時間を細やかに調整しないといけないというところだそうだ。
「じゃあどれくらいの小麦粉にどれくらい加水するか・・・などは、先も言ったとおり教わった方法も自分の経験もあるので、『こうですよ』ともなかなか言い表せるものでもないです(笑)。これ、親方の教え方と最終的には一緒になるってことですね。なので、具合のいい言葉で『企業秘密』とさせてください。ただ“二郎系”がお好きな人には基本かも知れませんが、一般的に麺類によく使われる中力粉ではなくて強力粉を使うんですよ」
日清製粉の強力粉『オーション』を使用。通販で1キロから買えます。家庭用ではパンが美味しく焼けるそうです
なるほど強力粉の力でモチモチの太麺、そして豊かな小麦の風味が出るのですね。
「季節やこだわりで言いますと、たとえば夏から秋口にかけてと、これから冬に向けてだとスープもちょっと変わります。暖かい時期はいくぶんサッパリとしていた方がいいですし、寒い時期はコッテリで考えますね」
ちょうど開店から1年、季節も巡ってその経験も活かせますね、そう振ると笑顔を見せつつ「それでも毎日毎日、違う日ですからね」とすぐに実直な表情に戻る。
「ウチの場合、麺やスープはお話しした通りですが、“ラーメンスープの素”であるとか既製品を買ってそのまま使っているものはありません。麺は小麦粉からの自家製麺ですし、スープも醤油から作ります。味玉にしたってチャーシューにしてもそうです。ラー油もモヤシも・・・あ、海苔と缶ビールくらいでしょうか、そのままなのは(笑)。それだけに毎日毎日、麺やスープだけでなくどれも最高の物を作らなければいけないといつも思っています」
一杯一杯、「最高」を目指して作っていくという
あ、これはこだわりじゃなくて当たり前のことですね・・・そう恐縮する小林さんだが、いやいや、その思いこそが立派なこだわりだと思いますよ。
「先ほど“麺が美味しいからいっぱい食べられる”って言ってもらえて、本当に嬉しかった。今も見るんですよ、麺を打っている夢を。夢の中でも麺を打っているんです(笑)。それがウチの麺、ラーメンに対する私の思いだとしたら、伝わったことが嬉しいですし、いつもそう言ってもらえる麺を作らなきゃとも改めて思いました」
「夢にまで出てくる」自家製麺用の製麺機
いつの間にか引き込まれていた。国道沿いで美味しいラーメンを食べた。店主さんのいい話を聞けた――「嬉しい」のは主にこちらのほうなのだが、小林さんの口からも「嬉しい」が溢れ出す。
それは自分が惚れ込んだ味に出会ったこと、そしてそれを存分に伝えていけること、そしてそれを好いてくれるお客さんが増えていっていることへの嬉しさ、感謝の表れに間違いない。
「大丈夫ですか、無理しないでくださいよ」といつも嬉しい気遣い
「今となってはラーメンのほうが天職だったのだと思います。実際にひとりでお店をやってみて、営業時間は1日で7時間くらいですが、麺を打ち、スープを作り、家に帰っても残務整理などをして・・・とやっていると、結局毎日17時間くらいは働いています。これ、体力なきゃできないです(笑)。ボクシングをやっていて鍛えていなかったらできていないですよ。ですからね、ボクシングを私が始めたのも、全部ラーメンのためだったのかなあ・・・って」
もしボクシングをやっていなければガッツリ食べなくてもいいし、塩分もそれほど必要ない仕事をしていた可能性もありますしね・・・その言葉に「そうですね、それもありますね」と実直な表情が最後にまた崩れた。
「ラーメンのほうが天職でした。みなさんお待ちしています」
神奈川県横浜市鶴見区岸谷2-13-7、らーめんこじろう526 鶴見店――。
そこでは自分の出会った最高の味をあまねく伝えるために、
“ラーメンに選ばれた男”が今日も、感謝とともに腕を振るっている。
取材を終えて
小林さんの天職であったラーメン業界に手を差し伸べた張本人、“親方”はいったいどんな方なんでしょうか・・・と行ってきました渋谷本店。
醤油系だけでなく、塩や味噌、さらに親方の趣味である釣りの釣果で味が決まる変わったラーメンもあるという本店にて話を聞きました。
「鶴見店を取材いただいてありがとうございます。実は取材の話を彼から聞いたとき、私たちも応援に行こうかと思ったのですが、その日は釣りに行く日でして・・・(笑)」
そうにこやかに話す親方。
さらに同じく厨房に立つ奥さまからもこんなコメントが。
「小林くんが引退の挨拶に来たときに勧誘したんですよね。彼はウチの息子とひとつしか違わない、まさに息子のようなものなので、私たちも頑張ってほしいし、どうぞ応援してあげてください」
渋谷本店にて腕を振るう“親方”からも小林さんにエールが
まさに親のようなまなざし、エールをくれた親方&奥さまでした。
ありがとうございました・・・
―終わり―
店舗情報
らーめんこじろう526 鶴見店
住所/神奈川県横浜市鶴見区岸谷2-13-7
営業時間/11:30~15:00、18:00~21:00(日曜・祝日は昼営業のみ)
定休日/月曜日(祝日の場合も休み)
らーめんこじろう 526公式HP:http://www.ramen-kojirou526.jp/
デス男さん
2017年05月26日 07時52分
だいたい路上駐車してるバカって、家系食いのヤツらなんだよなァ~…まあ家系食いの殆どがヤンキーだから仕方無ぇんだよな。ラーメン食いに来るのにクルマなんて乗って来るんじゃねぇよ、タコ。あと、こじろう鶴見店横の駐車場は契約者以外、駐車禁止だからよぉ。以前、群馬ナンバーのバカが駐車して、契約者からクレームが来たからな。解ったか?田舎者。
デス男さん
2016年08月09日 04時54分
こじろうは武蔵小杉も鶴見も最高だ!!
shinobu0614さん
2014年10月26日 06時22分
鶴見の支店はボクサー上がりだけあってさすがに真面目みたいだけどオーナーの息子がやってる武蔵小杉が脚引っ張るから気の毒だろうな恐らく最初の頃苦労したのはその影響も絶対にあるはず。