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野毛山動物園がお金がないからホッキョクグマがいない「しろくまの家」を放置しているって本当?

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野毛山動物園のシロクマはさびしい感じがします。いずれまたシロクマを飼育するために残してあるの?それともお金がからそのままにしてあるの?(bausackさんのキニナル)

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野毛山動物園でホッキョクグマ飼育を再開する予定はないが、放置はされていない。「しろくまの家」は改修され、教育的要素のある展示施設として活用中

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ライター:田中 大輔

魅力アップのためには



「しろくまの家」が当時のまま放置されているのではないことは、見学経路として「出口」が作られていることを見れば明らかだ。
 


飼育時にあったらエライコトになっていたであろう「出口」
 

現役時代は3部屋あった寝室のひとつを通路に改修し、裏側の通路に電灯を取り付けたり、展示場に手すりを設けたりもしている。産室もガラス越しに見学できるようになっている。
 


内部の塗装は新たに施され、古臭い印象はほとんどない
 

赤で囲ってある通路部分も、かつてはホッキョクグマの寝室だった
 

往時の制御盤などはそのまま。普通は見られないものがたくさん
 

こういったバックヤードを自由に見学できる施設というのは、全国的に見ても珍しいとおふたりは言う。

確かに、動物が普段どんな部屋で生活しているのか、展示場からどんな風景を見ているのか、といった話題を写真や映像ではなく実際に目にすることができるのだから、貴重な体験ができると言っていい。
 


ホッキョクグマたちが見ていたであろう風景も見ることができる
 

しかし、あの場所に行くと、一抹の寂しさを感じてしまうこともまた事実だ。

例えば、ホッキョクグマは寝室に藁を敷きつめておけば出産するという動物ではないそうだ。飼育係出身の中村さんが「野生ではお母さんが冬ごもりをしながら出産、育児をする。3ヶ月~半年くらい経って、子どもが歩けるようになってからやっと外に出てくるんです」と教えてくれた。

そのため、動物園でも寝室とは別に専用の産室が作られるのだそうだ。
 


ガラス越しに見学できる産室。天井側にはビデオカメラが設置されている
 

こういった予備知識があると、この施設はもっと楽しむことができる。逆に言うと、そういった知識がないと、なんとなく見て、なんとなく「ふーん」とつぶやいて終わりになってしまう。

このようなホッキョクグマの生態を説明する掲示もあるにはあるのだが、さほど詳しくは書かれていないのが現在の状況。その辺りがもっと充実すれば受ける印象もだいぶ変わるとは思うのだが、どうだろうか。



新たなホッキョクグマは



先述の通り、野毛山動物園ではホッキョクグマの飼育は終了している。これは、15年以上経った今でも変わっていない。

「最近は、ホッキョクグマの国際的な飼育基準として、“マニトバ基準”というものが使われます」と話す中村さんは、「マニトバ基準では、500平方メートルの放飼場が求められているのですが、しろくまの家は64平方メートルしかありません」と、野毛山動物園でホッキョクグマを飼えない理由を説明してくれた。

ズーラシアの展示場が基準を満たすギリギリのサイズだそうだから、野毛山動物園ではどうしたって厳しい。
 


「国内の動物園でもホッキョクグマは減少傾向にある」と話す中村さん
 

現在、国内では23園館で46頭のホッキョクグマが飼育されているそうだ。これらの園館から国内の他園への移動については、必ずしもマニトバ基準を満たす必要はない。

しかし、現在の動物福祉の考え方に照らし合わせると、やはりあの面積では飼育は難しいため、他園から野毛山にホッキョクグマを移動するのは現実的でないとのことだった。
 


こちらはズーラシアの展示場を歩き回る「バリーバ」
 

これも、逆に言えば「かつてはこんなに狭い空間でも飼育が許されていました。でも、今はそうじゃないんです」というメッセージを発信することで、動物福祉のアイデアの変遷を象徴的に伝えることもできるだろう。
 


オスの寝室。素人目にも広くはないのが分かる
 

「しろくまの家」は現状の展示方式を続けると話すおふたりも、「そういう方法もいいですね。今後は掲示物などへの工夫を野毛山動物園と相談していきます」と語ってくれた。



取材を終えて



亡くなってから1年近く経つツガルさんの展示場も、今でも大きく姿を変えることなく残されている。しかし、彼女を失った喪失感は別として、施設そのものに寂しさは感じない。
もちろん、そうなってからの年数の違いもあるが、“ツガルさんを悼む場”という役割がハッキリしているのも理由だと思える。

結局のところ、「しろくまの家」の現在の役割が伝わってくれば寂しい印象も薄らぐのではないだろうか。

実際、動物園の裏側が見られる場所として喜んでもらえることも少なくない、と野毛山動物園の職員さんが話してくれた。
 


 

つまり、分かっている人にとっては、寂れたイメージはないのだ。
「しろくまの家」を野毛山動物園の名物のひとつにするには、施設の存在意義やメッセージをいかにお客さんに伝えていくか。そこにかかっているのではないだろうか。


―終わり―
 

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コメントする
  • 子供の頃、野毛山動物園といえばシロクマとゾウが一番の楽しみでした!獣舎の規定サイズが現在は改善されてることなど、動物園でチラッと見ただけでは分からなかったいろんな背景が知れて面白い記事でした。野毛山動物園の記事がたくさんありますが、これからもこういう裏側に迫る取材を期待してます^^

  • 動物園の飼育員に憬れていた私は、シロクマの家に入れることでかつてとはいえ飼育舎に入れたことが嬉しかったです。

  • シロクマ舎に入ってみると確かに小さいなと思いました。人間より大きなシロクマさんにとっては窮屈だったろうと思います。ここに戻ってくるとしたらかわいそうです。

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