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36年間、横浜のドヤ街・寿町で開催されてきた「寿町フリーコンサート」とは?

ココがキニナル!

1979年から毎年夏に開催されており、かつてジョニー大倉も出演した寿町フリーコンサート。今年も8月16日に開催が決定! 是非取材をお願いします!(ryoryoさん、ぜんちゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

寿町フリーコンサートは1997年に寿町の夜間中学で喜納昌吉が歌ったことがきっかけで始まった。以来数多くのミュージシャンがノーギャラで参加

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ライター:山崎 島

寿町フリーコンサートの歴史を紐解く(つづき)


 
どんどん熱気を帯びてく「寿町フリーコンサート」。

第2期(1983<昭和58>年~1989<平成元>年)は有名どころに頼らず、自分たちの考えに賛同してくれるミュージシャンに出てもらおう、というポリシーのもと「じゃがたら」など、過激だが生命感あふれるバンドをセッティング。大いに会場を沸かせた。
  


たくさんの出演者ですな(クリックして拡大)


ちょうどこのころから、高沢さんが寿町に携わり始める。
 


寿町の活動について地域誌の取材も受けている


当時の街の様子を、高沢さんはこう語る。

「この街は、かつて港湾関係の日雇い労働者が多くいた街でした。彼らは昭和40年代後半ぐらいの日本の高度経済成長を下支えする労働力となった人たちです。当時、港湾の荷の積み下ろしは、船の停泊料を少しでも節約するために、24時間制でした。なので朝に仕事を終えて帰ってくる人や、これから仕事へ行く人など、いろいろな人が街にいて、とても活気づいていました」

「私がこの街に来たのは1990年ぐらい。このころはバブル期で、なんだか街がごちゃごちゃしていたけど、勢いがあって煮えたぎるような熱気があったなあ」

「野宿をしている人を訪ねると、みんな明るいんです。明るい野宿なんです。お金が必要だからどうしても明日仕事に行かなきゃならない、だから今日はここで寝るんだって、職安の前で野宿している人がいたり。明るく前向きな人が多かったです。私は今でも市内を巡って野宿している人たちを訪ねる活動をやっています」

路上生活をする人や、生活保護を受けている人について、日々自分の足で歩き回り情報を得てきた高沢さん。現在は教育機関での講演会や、ホームレスについての記事を執筆する仕事もしている。路上生活者や生活保護受給者に寄り添った意見は、寿町フリーコンサートを考える上で参考になった。
  


「ジャケットを持っていない人もいるでしょ。就労支援のために準備してるの」と高沢さん
  

で! 第3期(1990<平成2>年~2002<平成14>年)。コンサートを初めてから10年ほどたち、委員会側も自分たちのコンサートの運営方法を掴んだころだろうか。自分たちの方向性を信じて「フリーコンサート委員会の知る、良いミュージシャンを呼ぼう」という方針にシフトし、実力のあるミュージシャンにオファーをかけていく。
 
このころから「ボ・ガンボス」や「ソウルフラワー」「渋さ知らズ」など、山崎でも知っているミュージシャンがステージに立つ。
 
 


すごいメンツだ・・・(クリックして拡大)


「ボ・ガンボスは当時メジャーデビューしていたのですが、個人事務所だったために、直接出演の交渉ができるのでは、と思いオファーしました。ソウル・フラワーはボ・ガンボスが出ていると知って、自分たちから出演してくれました。ボ・ガンボスやソウル・フラワーなど、しっかりファンがついているミュージシャンだったので、たくさんの人が寿町へ訪れました」とのこと。
 


ソウル・フラワー・ユニオンの本の表装は寿町フリーコンサートの写真
 

2001(平成13)年の貴重な写真。写っているのは「みろく」さんたち
 

舞台から見た客席


「好きなミュージシャンを見に来たファンが、翌年出演者のラインアップを気にせずコンサートにまた足を運んでいた」というお話が興味深かった。寿町フリーコンサートそのものの魅力にひかれ、またここに来たいと思ったのだなあ。

約12年間も続いた第3期が終わり、次の第4期(2003<平成15>年~)はといいますと。

熱々になった寿町フリーコンサート。盛り上がるのは良いのだが、今度は観客が入らないほどになった。「街に若者が来ると、活気づいてとても良いのですが、今度はここに住んでいる方が街からはじき出されちゃう。何のためのコンサートなのか? という、根本に一度戻り、街に寄り添ったコンサートを、ということで、観客動員数の少ないミュージシャンに出演してもらいました」と金子さん。
  


2005(平成17)年、寿[Kotobuki]のナビィさんと盛り上がる観客
  

楽しく踊る人たち


2003(平成15)年から2015(平成27)年現在まで、音楽が好きで、フリーコンサートに賛同するミュージシャンたちが続々とステージへとあがっている。
 


第4期の年表!(クリックして拡大)


また、コンサートを平日にするなど、少しでも街の人が参加しやすいような環境づくりをしているのだとか。
  


にしてもこの観客数(2007<平成19>年)
 

みんな一心にステージを見つめる。これはアコーディオンを弾きながら歌う「遠峰あこ」さんのライブ(2009<平成21>年)
 

横浜出身のアーティスト・ロコ サトシさんのライブペインティングも4期から始まった


そんな身近なミュージシャンの演奏を楽しめる第4期も、どうやら今年で終わるのでは、と高沢さんはおっしゃっていた。理由は、会場の職安前広場が工事のために使えなくなってしまうからだ。

「建物が古く、耐震に問題があり建て替えるだけなので、3年たったらまた同じ場所を使えるようにはなるのですが、工事中は“寿公園”など、地区内でやると思います」と高沢さん。まだ見ぬ第5期も、前向きに継続することを考えているようだ。
  


寿生活館のすぐ向かいにある寿公園