横浜市が鶴見区と西区で運用を始めた「認知症支援」とは?
ココがキニナル!
9月1日に鶴見区と西区に認知症を支援するための支援チームができたらしいけど、いったい何を支援してくれるの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
「自分らしい生活」のため、認知症専門医を含む医療・介護スタッフが自宅を訪問し初期対応。2~3年をめどに市内18区にチームを整備予定
ライター:はまれぽ編集部
「自分らしい生活」
認知症は脳の障害による病気で、誰しもが、り患する可能性がある。また、一度り患すると、根治は困難を極める。
しかし、「生活習慣の改善である程度の予防や症状を抑えられる場合もある」と山本担当係長は言う。
認知症はある程度、予防できる
「第6期計画」で横浜市は「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限りより良い環境の中で暮らし続けられる地域づくり」を目指すとしている。
今回の「認知症初期集中支援チーム」はその一環であり、横浜市立大学附属病院(金沢区)や横浜市東部病院(鶴見区)など、市内に4ヶ所ある「横浜市認知症疾患医療センター」を含めて認知症医療体制の充実を図りつつ、医療・介護連携を勧めていく方針を示している。
医療・介護の連携を強化
また、認知症または認知症の疑いがある人と家族がともに安心して暮らせる居場所づくりにも注力する。
そのため地域ぐるみで認知症に対する理解を深めるためのセミナーや、徘徊した患者らを安全に保護するため、警察などとも連携をしていく方針。
地域全体で見守る社会を整える
さらに、65歳以下で発症した若年性認知症患者がより長く「自分らしい生活」を送るために、情報提供や相談体制の充実を図りつつ、経済的支援の方向性も検討する。
山本担当係長は「認知症患者が少しでも長く、自分らしい生活を送るためには早期発見・早期治療が有効。 まだ走り出したばかりの制度だが、広く知って活用してほしい 」と話している。
現場はどう思っている?
では、実施、認定された医療機関はどう思っているか。うしおだ診療所の小熊道代(おぐま・みちよ)事務長に聞いた。
支援チームの認定を受けた、うしおだ診療所(診療所ホームページより)
小熊事務長によると、うしおだ診療所ではもともと重度の認知症患者の診療など通じて、地域からの声を生かしたケアを行ってきた。これまでは診療圏内のみの患者が対象だったが、チームとしては鶴見区全域をカバーすることになるため、これまで通りのケアをできるかという点を懸念していた。
同診療所は専門医を含む9人でチームを編成。現在は、どのケースを訪問するかという選定をしている最中だという。
小熊事務長は「これまでの経験を生かして、より多くの人が残りの人生を充実して過ごすための手助けをしていきたい」と話していた。
取材を終えて
いつ誰に襲いかかってくるか分からない病。もし自分に降り掛かってきたら、どうだろう。そういう時に、このような専門医を含むチームが対応にあたってくれるのならば心強い。
今はまだ鶴見区と西区の2区のみだが、早急に市内全域に整備されることを期待したい。
―終わり―