横浜市内の「神奈川淡麗系ラーメン」でオススメの店はどこ? vol.2
ココがキニナル!
吉野町にある『鶏喰 』というラーメン屋がキニナル。土日のお昼頃に近くを通ると大抵、お客さんが並んでいる。某グルメサイトでも評価点が高い。はまれぽで調査を!(ランニングマンさん)
はまれぽ調査結果!
信玄鶏とタレのコクがパンチを効かせた「鶏喰(とりっく)」、比内地鶏のやさしい旨みが後を引く「桜鳥(おーどりー)」の2店舗を紹介する。
ライター:山口 愛愛
素材の旨みを引き出す、やさしい味わい桜鳥(オードリー)
続いて2軒目は、京浜急行日ノ出町駅から徒歩2分、JR・横浜市営地下鉄桜木町駅から徒歩8分の「桜島(オードリー)」へ。
仕込みの合間に店主の山内太郎(やまうち・たろう)さんを直撃。
調理を1人でこなす山内さん
店内の壁は下側が木で上側はやわらかい桜色
店内は桜の木をイメージしたあたたかい雰囲気。こちらのオープンは鶏喰とほぼ同じ、2012(平成24)年の10月。この2軒がここ数年の神奈川淡麗系ブームを象徴しているともいえるだろう。
福富町にある老舗の「すっぽん割烹 つや」の2代目で、今も板場に立っているという山内さん。なんと、かけもちでラーメン店を営んでいた。
作り手が1人なので慌ただしいときも。従業員募集中
家系ラーメンが席巻する土地柄のなか「淡麗系」にした理由を聞いてみた。
料亭や懐石料理店で修業し、25才で家業のすっぽん料理の板場についた山内さん。ラーメンが好きで、秋田県で親戚がラーメン店をやっていたこともあり開業に踏み切った。
店を行ったり来たりしています
親戚のラーメン店が淡麗系であり、秋田県の比内地鶏を使うことに。
「長年、和食で培った食材の旨みを最大限に引き出す技法を取り入れて、自分なりにやってみよう」と他店で修行などはせず、すっぽん料理店から足を運べる、中区宮川町に店を構えたのだった。桜木町界わいで物件が見つかったので、桜木町と近くに流れる大岡川の「桜」に鳥をつけ「桜鳥」と命名した。
和食のおつまみも種類豊富
こちらの美味しさの秘密は、日本三大地鶏といわれる比内地鶏を贅沢にも使い、香味野菜などとともに煮立たせない温度で3時間以上ゆっくり煮込んで出汁をとっていること。
「和食でいう鯛のうしお汁の作り方に似ていて、和食の技法で取り出しているんですよ」と山内さん。短時間に強火で煮込むと濁ってしまうという。
醤油ダレにも地鶏の旨みが
タレにも比内地鶏の丸鶏から抽出したエキスを使い、出汁とタレの双方で比内地鶏の旨みのハーモニーが生まれる。
黄金色を帯びた澄んだスープは桜鳥の代名詞
まず、はじめに塩ラーメン(720円)を味わってみよう。
スープの透明度の高い塩ラーメン
スープから口をつけると止まらなくなり、ゴクゴクと飲み干してしまいそうだ。クセの少ないやわらかな鶏出汁の味わいにほっとする。比内地鶏から醸し出されるほのかな甘味のようなやさしさが溶け込んでいるようだ。
山内さんは「日本人の味覚に合う塩分濃度は1.5%といわれていて、そこに近い味わいで出しています。最後まで飲み干せるスープを目指しているんですよ」と語る。なるほど。
自家製チャーシューは豚の肩ロースの場所の違いで食感に変化を
麺は、濃縮度が薄い清湯(ちんたん)スープの持ち上がりが良いように、細い縮れ麺を使用。しかし、横浜の土地柄、家系の馴染みで太麺を好む人も多いので、メニューにはないが太麺も用意しているそうだ。
「出汁のうまみを麺が運んでくれる!」と編集部・小島も感激
山内さんがすっぽん料理に関わっていることもあり、ラーメンでありながらヘルシー志向なのも面白いところ。
この店のライスは、すっぽん料理店の雑炊でも使う古代米。ビタミンや食物繊維などの栄養素が高い。
平日の昼間は、ラーメンに古代米小ライスが無料でつく特典も
通常のラーメンに、低糖質麺(プラス150円)で味わうこともできる。通常の麺と比べ、糖質80%オフ、カロリー50%オフ、食物繊維は4倍。糖尿病患者の方の1食分の目安が糖約20グラムとされているので、糖17グラムの低糖質麺は、その値をクリアできているという。
塩の低糖質麺は870円
低糖質麺はやや太く麺のコシとブランの風味が強い
ガッツリ食べたい人には、お客さんのリクエストから生まれたという「全部乗せ」のオードリーラーメン(1030円)も。醤油ラーメン(720円)の豪華版となるオードリーラーメンをいただく。
チャーシュー、煮玉子、メンマ、ほうれん草、白髪ねぎなどドドーン
具材一つひとつが立っていてボリュームもあり、シャキッとした白髪ねぎや厚めのチャーシューの歯ごたえといい、丁寧な仕事ぶりがうかがえる。豪華な具がありながら、濃すぎない醤油ダレが後を引き、鶏の出汁が主役なのだと思わせる一杯だ。
和食で培った繊細で丁寧な仕事ぶりが表れる
ラーメンだけではなく、まぜそばもある。比内地鶏のエキスを使ったタレとたっぷりの野菜を混ぜて味わう「ベジまぜそば(850円)」は女性にも人気だ。
キャベツ、ミズナ、モヤシ、細切れチャーシューもたっぷり
醤油ダレとチャーシューが野菜にほどよく味をつけ、箸が進む。途中から、おすすめのニンニクを入れると、独特の風味で食欲を刺激され、さらに旨みが倍増。
辛味と風味をたたえる、おろしたての生ニンニクを使うこだわり
ほかに、夏季限定の「鶏冷やしラーメン(830円)」などもあり、季節によって楽しみが変わる。
ミョウガ、カイワレ、リンゴ、レモンなどを乗せ、さっぱりとした冷麺風
「和食は具材ひとつひとつの旨みを引き出せるかが勝負。素材を丁寧に扱っています」と山内さん。計算尽くされた料理人の思いが溶け込むスープは絶品。繊細な素材の旨みを感じられる上品な一杯に感服することだろう。
あなどるなかれ、「神奈川淡麗系ラーメン」。ほかのジャンルのラーメンとともに個性を出し合い、横浜のラーメン合戦はまだまだ白熱していきそうだ。
取材を終えて
鶏喰はコクとインパンクト、桜鶏は繊細な上品さが光り、同じ淡麗系といわれる中でも個性が輝いていた。仕込みの合間の忙しいなか丁寧に取材に応じてくれた、人柄も人気店の秘訣だろう。
―終わり―
取材協力
鶏喰
住所/横浜市南区吉野町4-20
TEL/045-341-0509
定休日/月曜
営業時間/火~金・土・日・祝・祝前11:00〜14:00、火~金18:00〜21:00
【閉店】桜鳥
住所/横浜市中区宮川町3-91
TEL/非公開
定休日/月、木曜
営業時間/火・水11:30~14:30、金11:30~14:30、23:00~翌2:00、土11:30~15:00、23:00~25:00、日11:30~22:00
アベンさん
2016年07月15日 22時11分
今さらかもしれませんが、中村屋、本丸亭も取材して欲しいです。
TKSさん
2016年04月23日 12時11分
都筑区にある白河中華そばも淡麗系かな。
∵さん
2015年11月16日 16時32分
端麗系ネタも久しぶりな感じですが、いきなりトップクラスとは飛ばしてきましたね…このまま続くのか心配なくらいで。不快な何某が出てこないだけでも読む方も気が楽ですが、やはりお店や料理を紹介してこそ、だと思いますよ…。