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10年以上故障したままのイセザキ・モールの「からくり時計」が復活するって本当?

ココがキニナル!

伊勢佐木町のからくり時計は数年前故障したまま放置。部品や費用的に対応困難も理解出来るが、時計が正しく表示していないのは異常。時計だけでも交換出来ない?からくり時計は心なごむ一品(よこはまいちばんさん)

はまれぽ調査結果!

1978年、イセザキ・モール完成と同時に設置。約10年前に故障した後、資金面の問題から修理されなかった。現在、復活に向けて前向きに検討中!

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ライター:大和田 敏子

からくり時計の詳細に迫る!



さて、「からくり時計」に話を戻そう。

話を伺うなかで、イセザキ・モールのコンセプトや細かな計画が書かれた書籍を見せていただけた。その中に、からくり時計の詳細も記載されていた。

 

からくり時計の設計図(『イセザキモールの世界』地域科学研究会 編集・発行より)

 
「ヨーロッパ中世の職人(9体)がバロック音楽のなかで、それぞれ独特の動きをし、時を知らせる」と説明がされている。

 

現在もガラスケース内部に、人形の説明が書かれたプレートがある

 
「鐘を鳴らす神父」「ふるいをかける農婦」「パンを焼くパン職人」などなど・・・。いかにもヨーロッパという雰囲気で、興味がそそられる。

 

人形たちがどんな動きをしていたのか、ますますキニナってきたのだが・・・

 
当時の映像は残っておらず、残念ながら、それを知ることはできなかった。

加藤理事長は当時を振り返り、「バロック調の音楽には重みがあるのですが、人形の動きは楽しくなるような、軽快な感じでした」と話してくれた。

 

設置された当初の様子(同)

 
イセザキ・モール完成の記念品として、人形のうち「ラッパを吹く街の音楽家」のレプリカが作られたようで、その実物を見せていただいた。

 

事務局に保管されていた、貴重なレプリカ


こちらが裏面。記念品として作られたものだと分かる

 
からくり時計は、毎時00分に機械仕掛けが動くよう、タイマーで管理されていたそうだ。

 

事務局には、そのころに使われていたタイマーが残されていた


アナログ的な仕組みに懐かしさを感じる

 
ちなみに、現在はモールでの放送、街灯の点灯など、すべてがデジタル管理されている。

からくり時計は、風雨にさらされる環境に置かれていることもあり、次第に劣化が進んだ。からくり部分がひび割れ、時計も10年ほど前に故障。故障する数年前、簡単な修理をした際に200万円もかかってしまったことや、景気の悪化などから、本格的な修理をする話は出ていなかったという。

そのままの状態でオブジェのような形で置いていたが、誤った時間を表示しているのは問題があると、2015(平成27)年秋には、時計盤をイセザキ・モールのマークなどで覆うかたちに修復された。

 

かつて時計があった場所は、イセザキ・モールのマークに・・・

 


からくり時計の今後は?



からくり時計は、今後、どうなるのだろうか?

「時計が動いているころは、多くの方が立ち止まって、眺めてくれていました。今も皆さんの記憶にも残っていて、関心を持ってくださるのは嬉しいことです」と加藤理事長は話す。

 

2015年9月には、東京新聞にも取り上げられた

 
ただ一方で、からくり時計を昔の姿に戻すとなると多額の費用がかかる。

加藤理事長によると、幸いにも、からくり時計を設計・製造した業者は存続しているが、修理の見積もりをしてもらったところ、数千万円規模の費用がかかることが判明。時計盤や照明といった部分的な修理でも「乗用車1台分ぐらい」の費用がかかるという。

 

簡単な修理でも
日産「リーフ」ぐらいの費用がかかるそう

 
加藤理事長は「可能ならば、当時のままに復活させたい」と話し、部分的な改修ではなく、からくり時計の「完全復活」を望んでいる。しかし、モールそのものを安心して気持ち良く過ごせる空間を維持するため、管理や整備も日常的に必要となる。

例えば、街路樹は定期的に剪定が必要だし、倒木の危険のあるものについては伐採することもある。路面に亀裂やゆがみなどがあれば、危険防止のために即座に修復しなければならない。そのための労力や費用の負担も年間数千万円単位だという。

 

根上りした歩道の舗装もしなければならない

 
このため、2016年度は予算を捻出できなかったが、イセザキ・モールでは近年さまざまなイベントを実施している。そこで協力してくれるスポンサーからの支援を募るなど、さまざまな選択肢を含めて資金繰りを模索しているという。

イセザキ・モールは2018年11月11日に完成から40周年を迎える。加藤理事長も「そこ(40周年)に合わせられれば素晴らしいこと」と話している。



取材を終えて



イセザキ・モールの歴史に触れ、からくり時計の経緯を知った取材帰り、あらためて、からくり時計をじっくり眺めてみた。人形の多彩な表情や精密さ、どこか愛嬌のある雰囲気に、実際に動いている様子を見たいと強く思った。ぜひ、復活させてほしい! 

「イセザキ・モール40周年に、からくり時計復活!」というシナリオは描けないだろうか。

 

重厚なバロック音楽とユーモラスな人形の動きが復活する日も近い?

 

―終わり―
 

取材協力

伊勢佐木町1・2丁目地区商店街振興組合

〈参考文献〉
『OLD but NEW イセザキの未来につなぐ散歩道』
『イセザキモールの世界』地域科学研究会 編集・発行
東京新聞 2015(平成27)年9月23日付

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  • 昔よく動いているのを見ました。
    時計が無くなっているのは気付きませんでした。
    クラウドファインディングとか活用できませんかね?
    協力したいです。

  • 私は子供の頃に動いているのを何度も見ていましたぜひ復活して欲しいですスポンサー探しか、ひと口1万円とかで名前がプレートで貼れるようにしたら修理費や維持費が集まると思いますがいかがでしょうか?

  • 記事採用ありがとうございます。確かにからくり時計のブームも去ってしまったのは事実ですが、あれば確実に人の心が和むのも事実の筈。投資に見合った効果が得られる事はほぼ確実に不可能でしょうが、「商店街の高付加価値」の一つとして復活される事を願ってやみません。時計や照明ダケの修繕でも高額との事ですが、キッチリ同じものでなくともサイズが合えば完全代替品での時計だけ交換なら費用がもっと抑えられるのでは?携帯・スマホを持っていても、街中に時計が無いと不便に感じる事も。本格的に復活を目指すなら現状維持で、復活困難であれば時計部分だけを既製品を使ってでも安く交換して頂ければ有難く思います。ちなみに・・・時計をマークで目隠ししたのは「2015年秋には、時計盤をイセザキ・モールのマークなどで覆うかたちに・・・」と本文にありますが、今年のお三の宮日枝神社の祭礼直前頃でしたよ!毎日からくり時計前を通行しているので!

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