横浜市のふるさと納税、「地味」な返礼品とは?
ココがキニナル!
ふるさと納税の影響で大幅減収!? 横浜市が2017年度から用意した返礼品って?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
2017(平成29)年度の減収は約53億円。市は「返礼品競争」には加わらない考えだが、寄付へのお礼にはレアアイテムも!?
ライター:はまれぽ編集部
ふるさと納税を動物のために
あくまでも、事業への応援を募り、そのお礼の気持ちを渡したいという横浜市。では、実際に寄付はどのように使われることになるのだろうか?
2017(平成29)年度からメニューに加わり、人気も高いという「横浜市動物園基金」への寄付について伺ってみた。
環境創造局公園緑地部動物園課の長谷川正英(はせがわ・まさひで)課長は「横浜市動物園基金への寄付は、主に動物の輸送に使われる予定です」と教えてくれた。
横浜市にある3つの動物園(よこはま動物園ズーラシア、野毛山動物園、金沢動物園)では世界中の動物園と協力し、希少な野生動物の保全や繁殖を行っている。
ズーラシアには貴重な動物が展示されている
野生の動物を捕獲して展示する、という行為は世界的に禁止の流れがある。そのため、繁殖などのために動物をほかの動物園から借りる場合がある。これは園としての展示を充実するだけではなく、絶滅危惧動物の保護や、希少な動物を増やすことにつながる取り組みなのだそうだ。
「これまでは国内の園から小型の動物を輸送する費用として年間400万~500万円ほどかかっていましたが、チーターやキリンなどは特別な施設が必要で、もっと高額になる。今後は世界の動物園とのやりとりも増えるため、基金を作り、市民の寄付を募ることにしました」とのこと。
全国で横浜市のみが繁殖に成功している動物もいる。オカピは世界的な保護のための繁殖計画があるが、日本で繁殖実績があるのは横浜のみ。近親交配を避けるために国を超えた貸し借りが必要なのだ。
ズーラシアのオカピ
そんな動物園基金では、寄付に対して「よこはま動物園ズーラシア」と「金沢動物園」に何度でも入場可能になる「動物園年間パスポート」をプレゼントしている。「野毛山動物園」についてはもともと入場料が無料だが、「返礼品のみなとぶらりチケットワイドを使えば、交通費も掛からず来園できるので、ぜひ野毛山動物園にも立ち寄ってほしい」と長谷川課長は話してくれた。
パスポートは通常は2000円で販売しているが、ふるさと納税でもらえるものはオリジナルデザインで、ここでしか手に入らないレアもの。2017(平成29)年12月21日、2018年の干支である「戌」にちなんだ新デザインに切り替わったばかり。
イヌ科のリカオン。瞳がキュートだ
2017(平成29)年度から寄付先のメニューに加わった動物園基金に対しては、11月末時点で52件・66万5000円の寄付があったという。
初年度なのでこの金額が多いとも少ないとも言い難い。けれど、事業を支えるにはさらに支援が必要なのは確かだ。
「辰年」という難関はあるものの、干支をコンセプトにしたパスポートのデザインは毎年切り替わる予定。ここでしか手に入らない年間パスはプレミアものかもしれない。
イヌ科オールスターのバージョンも
そのほかにも、横浜市の返礼品の中には、市が定めた「健康みちづくり」のルート上にベンチを設置できるというものもある。
紅葉坂から掃部山公園に向かうこの道も対象
ベンチが設置できるのは15万円からで、2017年に1件の応募があったという。市は今後、整備を進める予定だ。
取材を終えて
ふるさと納税は損をする自治体(都市部)よりも、得をする自治体(地方)の方が多い制度であり、不公平に感じても当面は廃止や変更の流れにはなりそうもない。
都内には負けじと豪華な特産品を用意する自治体もあるが、「あくまでも事業への応援を募り、その内容に沿った返礼の気持ちを示す」という横浜市の姿勢は、「ポリシーがある」対応ともいえるだろう。一方で減収に対して手をこまねいているのではなく、市の事業への理解を通し、広く支援を募っていくことが重要だ。
自分が寄付したお金や支払った税金が何に使われているのか。ふるさと納税は返礼品だけではなく、お金の行く先についても思いを巡らせる機会にしたい。
―終わり―
たけむらさん
2018年12月30日 11時39分
2018年度は、横浜市の減収は100億円を越えたとか。何らかの対策が必要。(私も他市に納税していますが、控除申告はしないので横浜市税のマイナスにはなりません
Andyさん
2018年02月21日 01時36分
ふるさと納税は税制の基本である「受益者負担」から逸脱していて、行政も納税者もやったもの勝ちとなっている側面は否めない。しかし制度が実施されている以上、積極的に活用しなければ税金の大幅減収を招き、地元企業の売上も喚起されない。胡座をかいていられるほど横浜市は余裕があるんでしたっけ?そのくせ横浜市の住民税は他より高い、みどり税で追加徴収もされる。だったら他自治体へ納税して返礼品もらったほうがいいやってことになるのは当たり前。横浜市の行政サービスに市民が恩恵を感じていない証拠ですよ。
横浜育ち♪さん
2017年12月30日 12時10分
横浜市民ですが、横浜市の政策にはあまり良いと思うものがありませんので他の自治体さんに寄付しております。食費がかなり浮くのでありがたいです★稼ぎが悪い人はふるさと納税の枠も少ないでしょうから、ずるい!ってイライラしちゃうでしょうね。ただ整備された権利を行使しているだけなんですけどね。